業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 なお、セグメント間の内部営業収益は含まない実績を表記しております。また、当社グループは当連結会計年度よりセグメント別の損益管理を行っており、前連結会計年度のセグメント別損益は、実務上可能な範囲でのみ当連結会計年度と同様の方法でセグメント別収益を計算し、修正再表示しております。
 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止やワクチン接種の普及により、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、先行きが不透明な状況が続いております。このような経済環境下、当社グループの主要ターゲットである中古車市場につきましては、2021年4月から2022年3月までの国内乗用車の中古車登録台数は3,169,492台(前事業年度比5.8%減)と、前年を下回る結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ)

 

 当社は、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションの実現を目指し、主要取引先である自動車販売店や自動車整備工場に対して、ファイナンス、故障保証に加え、「クルマ」に関する様々な工程においてお役立て頂けるオートモビリティサービスを複合的に提供することで取引接点を拡大し、業容・収益の成長を加速させるとともに、新たな成長モデルの実現に向けた様々な取組みに挑戦しております。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,523百万円増加し、9,814百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,320百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ2,499百万円増加し、9,710百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止やワクチン接種の普及により、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、先行きが不透明な状況が続いております。このような経済環境下、収益合計が21,104百万円(前連結会計年度比13.5%増)、営業収益が20,827百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。

 

 ファイナンス事業は、半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱等により、新車生産台数が減少し、中古車流通台数の減少や中古車価格の高騰を受け、厳しい市場環境となりました。このような環境下、契約書のペーパーレス化による営業活動の効率化や、会員制サービスの拡大を図った結果、クレジット取扱高は前年度及び前々年度を上回る実績となりました。また、営業組織の再編による体制強化及び業務のDX化による延滞債権回収の効率化並びに連結子会社である中央債権回収株式会社の回収業務の順調な推移の結果、営業収益は、13,518百万円(前連結会計年度比11.8%増)、セグメント利益は3,099百万円となりました。

 

 故障保証事業は、ファイナンス事業と同様に厳しい市場環境下により、提携商品の取扱高の伸びが鈍化しましたが、自社商品の販売促進及び提携商品に特化した営業人員の配置並びにバックオフィスの組織細分化によるマネジメント体制の強化・効率化を図った結果、故障保証取扱高についても前年度及び前々年度を上回る実績となりました。また、故障が発生した修理車両を当社グループに加盟している整備工場ネットワークに入庫誘導し、当社グループ内で調達した中古部品を修理に利用することで原価削減を図った結果、営業収益は4,446百万円(前連結会計年度比9.5%増)、セグメント利益は637百万円となりました。

 

 オートモビリティサービス事業は、部品販売や車両卸販売が伸長したことや、クレジット加盟店社数・整備工場ネットワーク社数・会員制サービスの拡大に伴う各サービスの取扱いが増加した結果、営業収益は2,863百万円(前連結会計年度比71.3%増)、セグメント利益は26百万円となりました。

 

また、海外での事業においては、タイ王国におけるEastern Commercial Leasing p.l.c.の業績伸長により、持分法による投資利益が213百万円となりました。

 

 一方、費用面につきましては、事業拡大に係る各種費用が増加しましたが、故障保証事業における原価削減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策を講じた結果、16,992百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。

 これらの取組みの結果、当連結会計年度の税引前利益は4,017百万円(前連結会計年度比16.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,941百万円(前連結会計年度比23.4%増)となりました。

 

c.主要な経営指標の状況

 当社グループの経営成績に影響を与える主要な経営指標として、ファイナンス事業におきましては加盟店数、自動車販売店の有料会員数、クレジット取扱高、クレジット債権残高、3ヵ月以上延滞債権残高率を、故障保証事業におきましては提携先数、故障保証取扱高を、オートモビリティサービス事業におきましては整備工場ネットワーク社数、整備工場の有料会員数を主要な経営指標として考えております。各経営指標の推移を常に把握し、各経営指標の数値を向上させるべく施策の立案及び実施をPDCAサイクルで回した結果として、当社グループの収益拡大、費用低減及び債権内容の向上に貢献していると考えております。それぞれの経営指標における収益との関連性、当該経営指標に対する当社グループの取組及び各経営指標の推移は以下のとおりです。

(ファイナンス事業)

 当社グループが営むファイナンス事業における収益は、主にオートクレジットを中心としたクレジット事業から構成されており、個別のクレジット契約に基づきお客様が支払う分割払手数料の総額を実効金利法で計上しております。個別のクレジット契約は、当社グループと加盟店契約を締結した中古車小売店等の加盟店((注)1.)及び2021年3月期より募集を開始した有料会員制組織((注)2.)を通じてお客様からのクレジット申込を受け、審査等を経てお客様へ提供され、クレジット取扱高((注)3.)及びクレジット債権残高((注)4.)が増加します。従って、クレジット事業におきましては、クレジット加盟店網及び有料会員制組織を拡大することで個別のクレジット契約を増加させ、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を積み上げることが、収益の拡大につながってまいります。また、有料会員制組織を拡大することで、自動車販売店における当社グループが提供するオートクレジットの利用率を高めてまいります。

 当社グループは、全国主要都市に営業店やアウトバウンド営業に特化したコンタクトセンターを設置し、中古車小売店を中心とした自動車販売業者等に対する新規加盟店契約先の開拓を継続して実施しており、開業以降の加盟店社数は下表のとおり推移しております。また、加盟店社数の増加に伴い、お客様からお申込みいただく個別のクレジット契約も継続的に増加しており、その結果、クレジット取扱高及びクレジット債権残高につきましても下表のとおり推移しております。

 一方、収益を拡大するためには、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を増加させるのみならず、クレジット債権全体の質を維持管理する必要がございます。債権の質を管理する主要な指標として、延滞債権残高率((注)5.)を設定し、数値が悪化することのないよう延滞債権の回収業務に注力することで、デフォルト債権の発生を抑制し、収益の拡大を図っております。

 

 

2008年

3月期

2009年

3月期

2010年

3月期

2011年

3月期

2012年

3月期

2013年

3月期

2014年

3月期

2015年

3月期

2016年

3月期

2017年

3月期

加盟店数(社)

-

-

3,616

4,755

6,432

8,696

10,813

12,533

14,225

16,061

自動車販売店

有料会員数(社)

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

クレジット取扱高

(百万円)

1,979

17,286

22,771

22,440

42,067

53,029

61,314

68,796

81,624

93,912

クレジット債権

残高(百万円)

1,666

14,825

27,313

36,347

59,110

83,166

104,784

124,950

147,964

173,317

延滞債権残高率(%)

-

-

-

-

-

1.05

0.98

0.96

0.89

0.93

 

 

2018年

3月期

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

加盟店数(社)

18,440

20,417

22,549

23,907

25,603

自動車販売店

有料会員数(社)

-

-

-

370

1,525

クレジット取扱高

(百万円)

110,286

135,184

177,430

166,386

202,302

クレジット債権

残高(百万円)

205,554

250,687

321,349

361,405

422,289

延滞債権残高率(%)

0.84

0.84

0.86

0.91

0.78

(注)1.加盟店数とは、当社グループと加盟店契約を締結した法人単位をいい、複数店舗をもつ加盟店であっても、1社として集計しております。なお、実績につきましては当社グループの基幹システム切替えを実施した2010年3月期以降を記載しております。

2.自動車販売店有料会員数とは、当社グループと加盟契約を締結した自動車販売店単位をいいます。なお、実績につきましては募集を開始した2021年3月期以降を記載しております。

3.クレジット取扱高とは、その期間で新たに締結したクレジット契約金額及びリース保証契約金額の総額です。オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の取扱高も含めた値です。

4.クレジット債権残高とは、開業から期末までの累計取扱高のうち、当該時点において返済されていない又は保証期間が経過していないクレジット契約金額及びリース保証契約金額の総額をいいます。オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の債権残高も含めた値です。

5.延滞債権残高率とは、当該期末時点のクレジット債権残高に対し、延滞月数が3ヵ月を超える債権及び特別債権(お客様が弁護士等に債務整理手続き等を委任している債権)の合計額が占める割合をいいます。なお、実績につきましては債権回収指標の定義見直しを実施した2013年3月期以降を記載しております。

6.本表はクレジット事業を取り扱うプレミア株式会社における実績を記載しております。

 

(故障保証事業)

 当社グループが営む故障保証事業における収益は、お客様が支払う故障保証代金を保証契約期間にわたって按分し、最終的に当社の収益となる故障保証収益相当部分を収益に計上しております。個別の故障保証契約は、当社グループと故障保証販売に係る業務提携契約を締結した中古車小売店等の提携先((注)1.)を通じてお客様へ提供され、故障保証取扱高((注)2.)が増加します。従って、故障保証事業におきましては、故障保証提携先網を拡大することで個別の故障保証契約を増化させ、故障保証取扱高を積み上げることで、収益の拡大につながってまいります。

 当社グループは、全国主要都市に営業店を設置し、オートクレジット加盟店と同様中古車小売店を中心とした自動車販売業者に対し新規提携先の開拓を継続して実施しており、開業以降の提携先数は下表のとおり推移しております。また、提携先数の増加に伴いお客様からお申込みいただく個別の故障保証契約も継続的に増加しており、その結果、故障保証取扱高につきましても下表のとおり推移しております。

 

 

2009年

3月期

2010年

3月期

2011年

3月期

2012年

3月期

2013年

3月期

2014年

3月期

2015年

3月期

2016年

3月期

2017年

3月期

提携先数(社)

-

 1,726

 2,818

 5,539

 9,166

 11,817

 14,148

 14,963

 17,461

故障保証取扱高(百万円)

 29

 124

 230

 506

 1,083

 1,371

 1,630

 1,892

 2,181

 

 

2018年

3月期

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

提携先数(社)

19,857

18,500

21,517

23,724

19,909

故障保証取扱高(百万円)

2,501

2,998

4,363

4,493

5,154

(注)1.提携先数とは、当社グループと業務提携契約を締結した法人単位をいい、複数店舗をもつ提携先であっても、1社として集計しております。なお、実績につきましては当社グループの基幹システム切替えを実施した2010年3月期以降を記載しております。

2.故障保証取扱高とは、各連結会計年度等のある一定期間において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。

3.本表は2019年3月期まで故障保証事業を取り扱うプレミア株式会社における実績を記載しており、2020年3月期より当社子会社であるプレミアワランティサービス株式会社及びEGS株式会社も含めた実績を記載しております。

4.2019年3月期及び2022年3月期の提携先数の減少は、契約改定に伴う加盟店整理によるものです。

 

(オートモビリティサービス事業)

 当社グループが営むオートモビリティサービス事業における収益は、主に自動車販売店及び整備工場などのモビリティ事業者へ提供する各種サービスの取引額を収益として計上しております。具体的なサービス内容は、自動車の中古部品の販売及びファイナンス事業で発生する引揚げ車両の販売、整備工場向け業務ソフトウェアの販売、個人のお客様に向けた自動車の整備・鈑金などがあり、自動車販売店の有料会員数及び整備工場の有料会員数、整備工場ネットワーク数を増加させ、当社サービスの利用率を上げることやサービスラインナップを拡充させることが、収益の拡大につながってまいります。

 当社グループは、整備工場専門の営業部門を設置し、全国の整備工場の有料会員及び整備工場ネットワークの開拓を行っており、事業開始以降の提携先数は下表のとおり推移しております。

 

 

2021年

3月期

2022年

3月期

整備工場 有料会員数(社)

-

399

整備工場 ネットワーク数(社)

2,523

3,514

 

 

(参考情報)

当社グループは当連結会計年度よりセグメント別の損益管理を行っており、「ファイナンス事業」「故障保証事業」「オートモビリティサービス事業」を営んでおります。これらの3事業を現状の主力事業と位置づけており、事業継続期間の長い主力事業における主な指標の状況を参考情報として記載いたします。

なお、以下の指標は、2015年7月に当社の完全子会社となったプレミア株式会社(以下「プレミア」という。)、2020年10月に設置したプレミアワランティサービス株式会社、2020年1月に設立したプレミアモビリティサービス株式会社の実績について記載しております。

 

(ファイナンス事業)

半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、新車生産台数が減少し、中古車流通台数の減少や中古車価格の高騰を受け、厳しい市場環境となりましたが、以下の各種施策により各クレジットの債権残高は以下の結果となりました。

 

ア.オートクレジット

残債型クレジット「ザンプレ」や84回を超える長期クレジットの取扱いに加え、システム利用による営業ルートの効率化、コンタクトセンターのアウトバウンド営業による加盟店再稼働施策の推進、Web申込システムの利用促進、営業組織の再編による体制強化等により、クレジット債権残高が383,895百万円(前連結会計年度比15.3%増)に伸長しました。その他の主な指標は下表のとおりです。

 

イ.ショッピングクレジット

ショッピングクレジットとは、太陽光発電システム等の購入に伴うエコロジークレジットや、各種高額商品・サービスの購入や利用に伴うクレジットをいいます。

担当部署を設置して販促を強化し、太陽光発電システム販売大手との取引や、クレジットの対象となる商品・サービスの拡充を実現いたしました。それにより、クレジット債権残高が27,675百万円(前連結会計年度比25.9%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。

 

(故障保証事業)

 ファイナンス事業と同様厳しい市場環境下により、提携商品の取扱高の伸びが鈍化しましたが、自社商品の販売促進及び提携商品に特化した営業人員の配置並びにバックオフィスの組織細分化によるマネジメント体制・効率性の強化を図った結果、故障保証取扱高が5,154百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。

 

(オートモビリティサービス事業)

 オートモビリティサービス事業は、部品販売や車両卸販売が伸長したことや、クレジット加盟店社数・整備工場ネットワーク社数・会員制サービスの拡大に伴う各サービスの取扱いが増加した結果、営業収益は2,863百万円(前連結会計年度比71.3%増)、セグメント利益は26百万円となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。

 

〔主要事業等における主な指標の状況〕

 

事業サービス名

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比

(%)

ファイナンス事業

オート

クレジット

利用者数(人)(注)1.

92,067

104,948

114.0

加盟店数(社)

23,707

25,371

107.0

新規加盟店数(社)

1,882

1,895

100.7

自動車販売店 有料会員数(社)

370

1,525

412.2

取扱高(百万円)

154,120

187,982

122.0

債権残高(百万円)

332,922

383,895

115.3

 

内_提携ローン債権(注)2.

304,848

351,162

115.2

 

内_自社債権(注)3.

22,054

27,919

126.6

 

内_流動化債権(注)4.

2,748

1,465

53.3

 

内_集金保証債権(注)5.

3,273

3,350

102.4

ショッピング

クレジット

利用者数(人)(注)1.

3,137

3,081

98.2

加盟店数(社)

200

232

116.0

新規加盟店数(社)

29

82

782.8

取扱高(百万円)

7,845

8,823

112.5

債権残高(百万円)(注)6.

21,164

27,675

125.9

 

内_提携ローン債権(注)2.

18,530

24,144

130.3

 

内_自社債権(注)3.

2,634

2,537

96.3

故障保証事業

利用者数(人)(注)1.7.

177,834

193,734

108.9

提携先数(社)

23,724

19,909

83.9

新規提携先数(社)

4,866

3,923

80.6

取扱高(百万円)

4,493

5,154

114.7

オートモビリティ

サービス事業

整備工場 有料会員数(社)

-

399

-

整備工場ネットワーク数(社)

2,523

3,514

139.3

(注)1.利用者数とは、次のとおりです。

オートクレジット利用者数:プレミアがお客様とクレジット契約(立替払契約又は保証委託契約)を締結した数

ショッピングクレジット利用者数:オートクレジットと同様

故障保証利用者数:お客様が故障保証商品の申込みを行った数

2.提携ローン債権とは、プレミアの加盟店を通じてオートクレジット等の申込みがあった際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアの連帯保証によりプレミア提携金融機関が融資を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権には含まれておりません。なお、当該債権のうち、3ヵ月超延滞を経て、提携金融機関に対しプレミアが代位弁済を行った債権は、自社債権となります。

3.自社債権とは、主に、プレミアの加盟店が不特定の消費者に割賦販売を行う際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアがその代金を顧客に代わって加盟店に立替払いをし、顧客からは約定の分割回数により立替代金の回収を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権を構成するものです。

4.流動化債権とは、クレジット債権から生ずるキャッシュ・フローを受益権化し、その受益権の一部を外部の第三者へ売却するスキームにおける原債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権を構成するものです。なお、当該債権のうち、3ヵ月超延滞を経て、プレミアが買戻しを行った債権は、自社債権となります。

5.集金保証債権とは、プレミアの加盟店を通じてオートクレジットの申込みがあった際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアの連帯保証によりプレミア加盟店が融資を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権には含まれておりません。

6.ショッピングクレジットの債権残高は、和解分の債権残高が含まれております。なお、和解分の債権は分別が不可能であるため、内訳には記載しておりません。

7.故障保証事業の取扱高は、2022年3月期第3四半期に一部商品の取扱高の集計基準の見直しを行い、新基準を適用して記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動による収入1,608百万円(前連結会計年度は1,321百万円の支出)、投資活動による支出1,028百万円(前連結会計年度は1,172百万円の支出)及び財務活動による収入2,797百万円(前連結会計年度は1,617百万円の収入)でした。

 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,379百万円増加し、11,433百万円となりました。

 

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

1,321

1,608

287

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△1,172

△1,028

144

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

1,617

2,797

1,181

 

(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,608百万円となりました。収入の主な内訳は、税引前利益4,017百万円、金融保証契約の増加額4,986百万円であり、支出の主な内訳は、金融債権の増加額7,619百万円、その他の資産の増加額1,251百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,028百万円となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出576百万円、差入保証金の差入による支出285百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)

 当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は2,797百万円となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の借入による収入15,100百万円、長期借入金の借入による収入11,048百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出16,000百万円、長期借入金の返済による支出6,063百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

(事業サービス別営業収益)

 当連結会計年度における営業収益実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。

 

事業サービスの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

   至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

ファイナンス事業(百万円)

12,094

13,518

111.8

故障保証事業(百万円)

4,059

4,446

109.5

オートモビリティサービス事業(百万円)

1,671

2,863

171.3

その他(百万円)

-

0.7

-

合計(百万円)

17,825

20,827

116.8

(注)1.セグメント間収益を除く外部収益を表記しております。また、前連結会計年度のセグメント情報は、実務上可能な範囲で当連結会計年度と同様の方法で計算しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(事業サービス別取扱高)

 当連結会計年度における取扱高実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。

 

事業サービスの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

   至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

ファイナンス事業(百万円)

166,386

202,302

121.6

故障保証事業(百万円)

4,493

5,154

114.7

(注)1.ファイナンス事業の取扱高とは、ある一定期間(2022年3月期であれば2021年4月1日から2022年3月31日までの期間)において、新たに締結したクレジット契約金額の総額及びリース保証契約金額の総額をいいます。

2.故障保証事業の取扱高とは、ある一定期間(2022年3月期であれば2021年4月1日から2022年3月31日までの期間)において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

 当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

a. のれん及び耐用年数が確定できない無形資産の評価

b. 償却原価で測定する金融資産の減損

c. 保険資産の計上

d. 持分法投資会社の評価

e. 繰延税金資産の回収可能性

f.収益の認識

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止策やワクチン接種の普及により、経済の持ち直しの動きが見られましたが、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、先行きが不透明な状況が続いております。しかしながら、主力事業における営業活動も継続できていることなどから、当社グループの国内事業における業績影響は僅少であり、a.及びe.について、のれんや無形資産の減損損失や繰延税金資産の取り崩しも限定的と考えております。またb.及びc.についても、ファイナンス事業における債権内容の悪化等の影響も同じく僅少であり、従って、クレジット債権に関する保険契約方針についても変更ございません。d.について、持分法適用関連会社であるECLの業績が堅調に推移し、当連結会計年度において持分法による投資利益は213百万円となっております。

 なお、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについて、翌連結会計年度における資産や負債の帳簿価額に重要な影響を生じさせるようなリスクを伴う会計上の見積り及び仮定につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な見積り及び判断の利用」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a. 財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産、負債、資本の状況は以下のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(2021年3月31日)

当連結会計年度

(2022年3月31日)

増減

資産合計(百万円)

68,156

81,800

13,645

負債合計(百万円)

60,865

71,987

11,122

資本合計(百万円)

7,291

9,814

2,523

親会社の所有者に帰属する持分合計(百万円)

7,211

9,710

2,499

 

(資産の部)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,645百万円増加し、81,800百万円となりました。これは主に、金融債権が7,619百万円、現金及び現金同等物が3,379百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,122百万円増加し、71,987百万円となりました。これは主に、金融保証契約が4,986百万円、借入金が4,118百万円増加したこと等によるものです。

 

(資本の部)

 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,523百万円増加し、9,814百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,320百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ2,499百万円増加し、9,710百万円となりました。

 

b.経営成績の分析

 当連結会計年度末における営業収益、費用合計、親会社の所有者に帰属する当期利益の状況は以下のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減

営業収益(百万円)

17,825

20,827

3,003

費用合計(百万円)

15,123

17,087

1,964

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

2,383

2,941

558

 

(営業収益)

 当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度に比べ3,003百万円増加し、20,827百万円となりました。なお、事業サービス別の営業収益につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(費用合計)

 当連結会計年度における費用合計は、前連結会計年度に比べ1,964百万円増加し、17,087百万円となりました。主な増加要因は、人員増加やファイナンス事業、故障保証事業及びオートモビリティサービス事業の拡大によるものです。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

 当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ558百万円増加し、2,941百万円となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴う営業収益の増加に加え、故障保証事業における原価低減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策によるものです。

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループにおける資金需要は、大きく分けて運転資金需要とクレジット事業の立替資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは営業費用等の支払いであります。また、立替資金需要につきましては、クレジット事業におけるお客様が商品等を購入された際の代金を加盟店に立て替えることにより発生するものであります。

 当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、立替資金につきましては、内部資金より充当し、一定程度の債権が積み上がった時点で流動化を実施しております。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

e.経営者の問題認識と今後の方針について

 今後、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱など不透明な状況が続くことが予想されますが、このような経済環境の中で当社グループが業容を拡大しつつ、より良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。課題への対応にあたって、経営者として常に外部環境の変化に関する情報を入手及び分析を実施し、現在及び将来における事業環境を把握しながら、それに対する課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

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