業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の世界経済は、前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により依然として厳しい状況が続きました。

 当連結会計年度の自動車業界におきましても、サプライチェーンの停滞、半導体供給不足及び原材料価格の高騰などの影響で、2021年の世界生産台数は8,014万台(対前年比3%増)となりました。

 このような状況の中、当社グループでは、「次期商品事業確立の年」を目標に掲げ、トランスミッション部品や電動部品の増産体制の整備を進めてまいりました。主力商品であるプーリにおいても高収益を目指した改善活動を展開してまいりました。一方、自動車の電動化加速に呼応するためモーターコアの開発にも着手し、自動車業界の100年に一度と言われる変革期に挑む取組みを進めてまいりました。その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は14,371百万円となり、前連結会計年度末に比べ224百万円の増加となりました。流動資産は525百万円増加しましたが、その主な内訳は現金及び預金の増加269百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少154百万円、電子記録債権の増加264百万円、原材料及び貯蔵品の増加27百万円、その他の増加81百万円等によるものであります。固定資産の残高は7,728百万円となり、301百万円減少しました。その主な内訳は建物及び構築物の減少94百万円、機械装置及び運搬具の増加93百万円、工具、器具及び備品の増加20百万円、建設仮勘定の減少182百万円、投資有価証券の減少53百万円、関係会社株式の減少85百万円等によるものであります。

 当連結会計年度末における負債は5,104百万円となり、前連結会計年度末に比べ105百万円増加しました。流動負債は350百万円増加しましたが、その主な内訳は支払手形及び買掛金の増加124百万円、電子記録債務の増加29百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加97百万円、リース債務の増加12百万円、未払法人税等の増加68百万円等によるものであります。固定負債は245百万円減少しましたが、その主な内訳は長期借入金の減少146百万円、リース債務の減少89百万円、繰延税金負債の減少17百万円等によるものであります。

 当連結会計年度末における純資産の残高は9,267百万円となり119百万円増加しました。その主な内訳は利益剰余金の増加25百万円、その他有価証券評価差額金の減少49百万円、為替換算調整勘定の増加147百万円等によるものであります。

 この結果、自己資本比率は63.3%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、総売上高は8,762百万円(対前期1,728百万円増加[24.6%])となりました。利益面では、営業利益200百万円(前期は営業損失398百万円)、経常利益239百万円(前期は経常損失398百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益163百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失109百万円)となりました。

 セグメント別では、日本は、売上高は6,206百万円(対前期1,296百万円増加[26.4%])、営業損失は44百万円(前期は営業損失480百万円)となりました。東南アジアは、売上高は1,962百万円(対前期487百万円増加[33.1%])、営業利益は171百万円(前期は営業損失41百万円)となりました。中国は、売上高は849百万円(対前期38百万円増加[4.7%])となり、営業利益は56百万円(対前期35百万円減少[△38.9%])となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,943百万円と前連結会計年度末と比べ、266百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は1,090百万円(対前期526百万円増加[93.4%])となりました。これは主に税金等調整前当期純利益280百万円(前期は税金等調整前当期純損失138百万円)、減価償却費758百万円(対前期とほぼ同額)、補助金収入32百万円(対前期80百万円減少[△71.6%])となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は522百万円(対前期88百万円増加[20.4%])となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出489百万円(対前期245百万円減少[△33.4%])、無形固定資産の取得による支出17百万円(対前期とほぼ同額)、投資有価証券の取得による支出19百万円(対前期3百万円増加[19.9%])、となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は328百万円(対前期は得られた資金885百万円)となりました。これは主に長期借入れによる収入480百万円(対前期880百万円減少[△64.7%])、長期借入金の返済による支出530百万円(対前期208百万円増加[64.5%])、リース債務の返済による支出110百万円(対前期70百万円増加[177.3%])、配当金の支払額138百万円(対前期5百万円増加[4.3%])となったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

日本

5,991,409

129.9

東南アジア

2,079,751

137.9

中国

831,600

106.3

合計

8,902,761

129.0

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

6,340,548

129.3

559,000

142.7

東南アジア

1,831,377

131.6

185,641

103.6

中国

762,696

93.9

94,913

98.4

合計

8,934,622

125.7

839,555

125.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

日本

6,173,146

126.7

東南アジア

1,825,005

131.9

中国

764,216

98.3

合計

8,762,368

124.6

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は対前期比増収、各段階利益に関しましても増益となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因は、自動車の電動化による自動車用プーリの需要減少、新型コロナウイルス感染症の長期化、半導体不足による一時的な生産数減少および資源大国であるロシア・ウクライナ問題などによる原材料費の高騰であります。プーリに代わる事業の柱を構築するための次期商品・次代商品の開発と拡販、新型コロナウイルス感染症への臨機応変な対応を経営の最重要課題と捉えて取り組んでまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、営業活動の結果、得られた資金は1,090百万円、投資活動の結果、使用した資金は522百万円、財務活動の結果、使用した資金は328百万円となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,943百万円と前連結会計年度末と比べ266百万円の増加となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 財務政策について、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達することを基本方針としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,432百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社の経営陣はこの連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務の開示に関連して、種々の見積りと仮定を行っております。見積りと仮定を前提とする重要な項目は棚卸資産、固定資産の減損、投資有価証券、繰延税金資産、貸倒引当金及び従業員の退職給付に関連した資産及び債務であります。実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

a.棚卸資産

 当社グループは主として棚卸資産の評価を製品・原材料・仕掛品とも総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっております。実際の将来需要又は市場状況が当社グループの経営陣の見積りより悪化した場合、棚卸資産の評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

b.固定資産の減損

 当社グループでは各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。

 

c.投資有価証券

 当社グループは取引関係の長期化及び円滑化を目的として有価証券を保有しております。現在、当社グループの保有する有価証券は主に価格変動性が高い上場会社の売却可能な株式であるため、公正価値にて評価され、それに伴い認識される税効果考慮後の評価差額は全部純資産直入法により処理しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、有価証券の時価又は実質価額が著しく下落した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

d.繰延税金資産

 当社グループは将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。タックス・プランニング期間の課税所得の見積りの変更及びタックス・プランニングの変更等により、将来において繰延税金資産の減額が必要となる可能性があります。

 

 

e.貸倒引当金

 当社グループは過去数年間に貸倒実績がないため、貸倒引当金を計上しておりません。得意先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当てが必要となる可能性があります。

 

f.退職給付に係る負債

 当社グループは退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用しております。退職給付債務算定に使用する確定給付企業年金制度の数理債務の計算に使用される前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率などの重要な見積りが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または、前提条件が変更された場合、将来の会計期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

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