当社グループは、エンジン技術をベースとして、多様化、高度化する顧客ニーズに応えうる製品を提供していくことを基本方針にして研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、当連結会計年度における主な成果としては、以下のようなものがあります。
新規事業に向けた取り組みでは、神奈川工科大学と「未来に向けた楽しむためのクルマ創り」に対する共創活動の合意書を締結しました。同共創活動では、CASE、MaaS、サブスクリプションなど、急速に変化し続ける自動車業界の動向に向き合いながら、クルマを移動するための用途だけではなく、未来に向けた運転を楽しむためのクルマ創りの実現を持続的・長期的な開発目標に設定し、産学連携で技術研究を進めていきます。共創活動の内容は、①車両運動性能技術(サスペンション研究)、②電動化技術、③自動運転技術の3項目であり、車両運動性能技術の向上については、車両特性の変化を定量的に評価する手法を応用したサスペンションに関する共同研究をすでに開始しております。
電気自動車(EV)分野においては、環境省より公募された「令和3年度バッテリー交換式EV開発および再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」に、伊藤忠商事株式会社を代表企業として応募し、当社はその共同実施者として採択されました。本実証事業では、複数のパートナー企業とバッテリー交換式のEVトラック、それらに搭載するバッテリーパック、およびバッテリーパック交換ステーションを開発する事により、商用車のEV化を促進し、物流網の脱炭素化を目指しており、当社は共同実施者として、EVトラックに搭載するバッテリーパックの開発を担います。
IoT事業の分野においては、アフターマーケット製品とIoT技術との融合をテーマに、これまで培ってきたIoT技術を活かした新しい製品の発売への準備と、サスペンション電制制御の技術構築に取り組んでおります。
アフターマーケット事業における成果としては、当社における重点車種であるトヨタGR86、GRヤリス、GRスープラ、スバルBRZ、WRX等の製品開発に注力するとともに、欧州車それぞれのテイストを活かしつつ、クルマトータルでの「走り心地」を追求した欧州車向けの新シリーズ「VIITS」を立ち上げ、その第一弾として、FIAT ABARTH595 COMPETIZIONE向けに、マフラー、サスペンションおよびブーストコントローラーをラインアップしました。
また、サスペンション商材では、意のままに操る楽しさと、サーキットからワインディングまで適応する懐の深さを持つ「究極のマルチパフォーマー」、HIPERMAX Rシリーズを新たに立ち上げ、日常のドライブシーンでの軽快なハンドリングと乗り心地を追求したHIPERMAX Sシリーズとともに、重点車種を軸とした積極的な車種展開を行っております。ターボ商材では、新設計のコンプレッサーホイールにより高風量と高ブースト域での高効率化を実現した、500馬力~1000馬力+クラスを狙った汎用ターボとしてHKS GTタービンを上市し、タービンラインナップを充実するとともに、同タービンを組み込んだ新規ターボキットの開発を進めております。
その他の製品分野におきましても、既存ラインアップの新車種・新グレードへの展開を行うとともに、企画段階にある新製品の上市に向け、準備を進めております。
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