課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

 当社グループは、信頼される企業として、グローバルな環境の変化に対応し、お客様に魅力ある質の高いクルマとサービスをタイムリーに提供し、企業の存在意義を明確にするコーポレートパーパス「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」を実現することを経営の基本としております。

 また、当社は環境保全に対する重要性を認識し、人・社会・自然にやさしいクルマづくりに努め、地域環境の保全と豊かな社会の発展に貢献します。更に、社会で共生できる企業を目指して、地域社会との交流を積極的に行うと同時に、地域の医療・福祉活動や災害の復興などに向けて支援活動を実施しています。これらの方針に基づき、安定的かつ持続的な企業基盤の強化に努めてまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(2)経営環境

 2021年度の当社生産車の主要市場の環境は、新型コロナウイルス感染症による需要の減退から回復する中で、半導体を始めとする各種部品の供給不足が発生するなど、依然として不確実な要素が存在します。また、感染症の拡大影響や継続するロシア・ウクライナ情勢等、世界情勢は厳しさを増しており、サプライチェーンの分断や資源価格の上昇など経済への影響も出つつあります。当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しく、予断を許さない状況です。

 

(3)中期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき課題

 当社は、2017年度からスタートした2017-2022中期経営計画では、「LCV・Frame車を技術力の核とし、高品質で魅力ある商品をお客様にお届けすることで、将来にわたる強靭な企業基盤を確立する」ことを基本方針として、「魅力ある商品による生産台数と売上の拡大」、「品質No.1 お客様から信頼される工場」、「LCV・Frame車のモノづくりグローバル技術拠点」の3つを重点課題に取り組んでおります。

 2017年に発覚した完成検査の不適切な取扱い問題については、全ての再発防止項目が実行フェーズに移行しており、今後も風化防止の取り組みを継続してまいります。

 主要市場環境については、前述のとおり予断を許さない状況ですが、部品供給等のリスクの低減と新型コロナウイルス感染防止による稼働の正常化に努め、市場のニーズにお応えできるよう生産運営を継続してまいります。

 

<魅力ある商品による生産台数と売上の拡大>

 2021年度は、燃費、排ガス性能を高めWLTCモードに対応し、同時に商品力を向上させたAD、NV200バネット、キャラバンや、輸出向けパトロールNISMO等のマイナーチェンジの生産を開始いたしました。今後も、規制への対応、衝突安全性能の向上、先進安全装備の採用など、法規や社会要件への対応に取り組むとともに、商品力の更なる強化に継続的に取り組んでまいります。

 

<品質No.1 お客様から信頼される工場>

 近年の国内市場における、購入後3カ月以内の初期品質において、当社製品であるAD、NV200バネット、キャラバンがトップレベルを維持しております。

 今後も、当社の強みである開発から生産まで一貫したモノづくり体制を活かし、造りやすい設計・工程・手順を追求することにより、日産グループ内国内初期品質トップレベルの維持や、海外における市場満足度の向上に取り組んでまいります。

 

<LCV・Frame車のモノづくりグローバル技術拠点>

 すでに市場投入したLCV衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備に続き、LCV・フレーム車の将来を見据えて、必要な社会要件や商品競争力向上アイテム、先進ITS技術等の適用に向けた技術課題に取り組んでまいります。

 

 今後も、当社の強みである開発から生産まで一貫したモノづくり体制を活かし、市場の動向に柔軟に対応できる生産運営の構築と、ダイバーシティを中心とした、すべての活動を支える企業基盤の強化、並びに法令遵守の強化、またESGやSDGsといった社会的要請に応えるべく、お客様、株主様、取引先様、地域社会の皆様、そして従業員を含むすべてのステークホルダーの皆様からの信頼を高められるよう、全社一丸となって努めてまいります。

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