当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 事業の経過および成果
当連結会計年度における我が国経済は、東南アジアでの新型コロナウィルスの感染拡大に伴う部品の供給制約などから、景気回復に一服感がみられる状況となりました。世界経済においては、米国は新型コロナウィルスの感染再拡大はあったものの経済正常化の進展から景気は回復し、中国でも前年の落ち込みの反動から経済活動は回復しました。一方で、アセアンでは、マレーシア、インドネシア、タイのいずれも、夏場にデルタ型変異株を中心とする感染が急拡大したことにより、ロックダウンや出社制限を含む厳しい活動規制が実施され、景気回復の勢いが削がれる状況となりました。
当社グループが属する自動車業界におきましては、世界的な半導体部品の供給不足などの制約はありましたが、前年の新型コロナウィルスの影響による落ち込みに対する反動から、日本国内の自動車生産台数は前年比では増加となりました。アセアンの自動車生産台数についても、マレーシアは前年比マイナスとなりましたが、タイとインドネシアの2ヶ国で前年比プラスとなり、3ヶ国の合計では前年比プラスとなりました。
このような環境の下、当連結会計年度においては、主力の日本国内、アセアン、中国の3つの地域において、好調な販売状況から売上高は増収を確保し、3つの地域における自動車生産台数の増加率を売上増収率が上回りました。但し、売上高は、年度上期においては前年の落ち込みから反動増となった一方、年度下期においては、半導体の供給不足の深刻化やアセアンにおける新型コロナウィルスの感染拡大再燃等により、売上高は前年比で減少しており、売上の回復基調は減速することとなりました。
これらの結果、当連結会計年度では、売上高は 125,510百万円 ( 前年同期比10.2%増 )、営業利益は樹脂等、原材料費高騰の影響はあったものの、近年継続してきた構造改革に伴う固定費削減効果や設備投資による生産性の向上などから 5,562百万円 ( 前年同期比125.3%増 )となり、経常利益は持分法による投資利益1,333百万円の計上などもあり 6,506百万円 ( 前年同期比28.9%増 )となりました。また、特別損失として減損損失190百万円を計上したことや繰延税金負債の認識などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は 3,983百万円 ( 前年同期比39.4%増 )となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
自動車部品事業におきましては、主力の日本国内、アセアン、中国の3つの地域において、売上高は自動車生産マーケットを上回る増収を確保し、売上高は117,819百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は5,079百万円(前年同期比122.5%増)となりました。
用品事業におきましては、量販店向け売上は減少したものの、輸入車も含めたディーラー向けのワイパーの販売が好調であったことなどから、売上高は8,521百万円(前年同期比5.8%増)と増収を確保し、間接費用の削減効果もあり営業利益は435百万円(前年同期比88.8%増)となり、増収増益を確保しました。
当連結会計年度末における総資産は112,521百万円となり、前連結会計年度末比で2,886百万円の増加となりました。流動資産が1,226百万円、固定資産が全体で1,659百万円それぞれ増加したことによるものであります。
流動資産の増加は、受取手形及び売掛金が1,959百万円、電子記録債権が1,465百万円それぞれ減少したものの、たな卸資産が全体で2,643百万円、短期貸付金が1,041百万円、その他流動資産が646百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定資産の増加は、有形固定資産が全体で631百万円減少したものの、持分法適用会社に対する投資簿価の増加を主因として、投資その他の資産が全体で2,377百万円増加したことなどによるものであります。
負債は63,118百万円となり、前連結会計年度末比で1,971百万円の減少となりました。流動負債が511百万円増加した一方で、固定負債が2,482百万円減少したことによるものであります。
流動負債の増加は、主として固定負債からの振替により、1年内返済予定の長期借入金が2,241百万円増加したものの、未払法人税等が1,287百万円、支払手形及び買掛金が629百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定負債の減少は、リース債務が1,452百万円増加した一方で、流動負債への振替により長期借入金が3,986百万円減少したことなどによるものであります。
純資産は49,402百万円となり、前連結会計年度末比で4,858百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上が3,983百万円あることや、為替の変動を主因として、その他の包括利益累計額が全体で1,988百万円増加した一方で配当金の支払が576百万円あることなどによるものであります。
営業活動の結果獲得した資金は9,209百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益6,028百万円、減価償却費8,345百万円、売上債権の減少3,388百万円等であり、主な減少要因は、たな卸資産の増加額2,906百万円、仕入債務の減少額764百万円、持分法による投資利益1,333百万円等であります。
投資活動の結果支出した資金は 6,684 百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出 6,055 百万円があること等によるものであります。
財務活動の結果減少した資金は2,350百万円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出2,045百万円、配当金の支払額576百万円があること等によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすものと判断しております。
当社グループは、製品保証に関する費用の支出に備えるため、過去の実績率に基づいて発生見込額を見積り計上すると共に、特定の製品に関しては、個別に算出した発生見込額を見積り計上しております。従いまして、実際の製品保証費用は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率をはじめとした数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、その影響は累積され、将来の会計期間において償却されるため、将来期間における退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要に記載の通りであります。
当連結会計年度の売上高は125,510百万円(前年同期比10.2%増)、となりました。売上原価は100,740百万円となり、売上原価率は0.2%減少しました。販売費及び一般管理費は19,207百万円となり、売上高比率では2.1%減少しました。
以上の結果、営業利益は5,562百万円(前年同期比125.3%増)となりました。
営業外収益は、1,525百万円となりました。また、営業外費用は、581百万円となりました。
上記により、経常利益は6,506百万円(前年同期比28.9%増)となりました。
特別利益は、11百万円となりました。また、特別損失は、489百万円となりました。
法人税等調整額を含む、税金費用の合計額は1,978百万円となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は66百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は3,983百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の営業利益率は4.4%であり、半導体の供給不足などの影響で一時的に利益率が下がったものの、来期は回復を見込んでおり営業利益率5.2%を上回る水準とすることを目指しております。
企業価値の継続的な向上を図り、中期目標を達成するための成長戦略として、①品質改善・コスト低減、②研究開発・イノベーション、③マザー・ドーター(アセアンの成長支援)、並びに④グローバルモデル受注の4点を掲げており、これらに重点を置いて取り組んでまいります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、48,160百万円(前連結会計年度末は46,934百万円)となり、1,226百万円の増加となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が1,959百万円、電子記録債権が1,465百万円それぞれ減少したものの、たな卸資産が全体で2,643百万円、短期貸付金が1,041百万円、その他流動資産が646百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、64,360百万円(前連結会計年度末は62,700百万円)となり、1,659百万円の増加となりました。主な要因は、投資その他の資産が全体で2,377百万円増加したことなどによるものであります。
負債は63,118百万円となり、前連結会計年度末比で1,971百万円の減少となりました。流動負債が511百万円増加した一方で、固定負債が2,482百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、49,290百万円(前連結会計年度末は48,779百万円)となり、511百万円の増加となりました。主な要因は、主として固定負債からの振替により、1年内返済予定の長期借入金が2,241百万円増加したものの、未払法人税等が1,287百万円、支払手形及び買掛金が629百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、13,827百万円(前連結会計年度末は16,310百万円)となり、2,482百万円の減少となりました。主な要因は、リース債務が1,452百万円増加した一方で、流動負債への振替により長期借入金が3,986百万円減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は、49,402百万円(前連結会計年度末は44,544百万円)となり、4,858百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上が3,983百万円あることや、為替の変動を主因として、その他の包括利益累計額が全体で1,988百万円増加した一方で配当金の支払が576百万円あることなどによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,720百万円となり、前連結会計年度末比293百万円の増加となりました。
営業活動の結果獲得した資金は9,209百万円(前連結会計年度は11,219百万円の獲得)となりました。当期における主な増加要因は、税金等調整前当期純利益6,028百万円、減価償却費8,345百万円、売上債権の減少3,388百万円等であり、主な減少要因は、たな卸資産の増加額2,906百万円百万円、仕入債務の減少額764百万円、持分法による投資利益1,333百万円等であります。
投資活動の結果使用した資金は6,684百万円(前連結会計年度は10,955百万円の支出)となりました。当期における主な要因は、有形固定資産の取得による支出6,055百万円があること等によるものであります。
財務活動の結果返済した資金は2,350百万円(前連結会計年度は2,917百万円の返済)となりました。当期における主な要因は、長期借入金の返済による支出2,045百万円、配当金の支払額576百万円があること等によるものであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループ製品の材料費、労務費、経費等であります。また投資資金需要は、新製品の生産、生産効率の向上や設備更新等の設備投資等であります。
当社グループは、運転資金については内部資金を基本としつつ、必要に応じて親会社からの借入をしております。投資資金については、内部資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入及びリースによる調達をしています。
なお、翌年度の主たる設備投資の予定及びその資金調達方法については、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載の通りであります。
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