課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針 

当社グループは、「『照らす』・『映す』で、安全・安心・快適なドライビング環境を創造する」ことをミッションとしており、「ものづくりの会社として環境に配慮し、常に先進技術に挑戦し、最適のソリューションを提供することで、お客様と社会に喜ばれる企業を目指す」ことを目標として掲げております。

 

(2)目標とする経営指標 

当社グループは、設備投資による生産性向上や固定費削減によるコスト構造の改革に加え、親会社ヴァレオとのシナジーを追及・具現化することなどにより収益性を向上させることで、当連結会計年度から1年後の連結会計年度における営業利益率について5%を上回る水準とすることを目指しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループのマーケットである自動車生産台数の中長期の見通しを鑑みますと、日本国内は少子高齢化の影響から頭打ちの傾向にあり、生産台数の増加による需要増は中国やアセアンに求められます。また、環境規制やIT技術の進展などから電気自動車や自動運転などへのニーズが高まってきており、自動車産業は大きな転換点にあります。このような市場動向を踏まえ、日本国内では、LEDヘッドランプモジュール、HD(高解像度)ライティング、従来のラジエーターグリルに代わる新しいライティング商品”e-Grille”など、電動化や自動運転に対応した新製品開発を通じ、付加価値の増加による成長を図ってまいります。一方、アセアン、中国といった海外では、日本国内で培った高い技術力を活かしつつ、生産台数の増加を含めた需要を獲得していくことが、当社グループの成長戦略であります。

 

(4)会社の対処すべき課題

  最近では、自動運転技術の進展など、自動車部品に求められる機能が多様化してきており、これまで以上に早いスピードで大きな変化が生じていくものと考えられます。その中で、部品の高付加価値化と低コスト化の二極化はさらに進んでいくものと見込まれ、製品の研究開発のみならず、コスト競争力強化のための製造技術の開発もさらにスピードを上げていく必要があります。一方で、新型コロナウイルス感染対策ではオミクロン型の感染拡大などによる部品供給や景気への影響、地政学的リスクの増大、環境負荷軽減のための取り組みコストの増大など経営環境の不確実性が増してきていることから、自助努力による財務基盤の拡充も重要な課題であります。
 これらの当社の成長戦略や課題に対処するため、ヴァレオ社とのシナジー強化を最大限、図ってまいります。具体的には、コスト競争力のある地域の開発拠点の活用、スケールメリットを活かした共同調達や共同研究開発による費用低減、自動化やデジタル化など先進技術の工場への導入による生産性の向上、顧客基盤の拡大や地理的な相互補完関係を活かしたグローバル市場での追加のシェア獲得、親会社との資金貸借による金利メリットの享受など、広範囲におよびます。
 当社は、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに伴う市場選択につきまして、2021年12月に「プライム市場」を選択すると共に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を同取引所に提出いたしました。この計画書では、①流通株式比率の向上、②ガバナンス体制の整備、③サステナビリティなどへの取り組み、の3分野について2024年までの3年間で改善する計画となっております。
 ガバナンス体制の整備については、内部統制システムの強化のため、取締役会、報酬委員会や利益相反監視委員会における独立取締役の構成比率の見直しを図る計画です。また、サステナビリティ分野については、親会社の方針に沿って、2050年のカーボンニュートラルを目指すこととし、2021年8月にその推進組織であるサステナビリティコミッティーを発足いたしました。今後、目標達成のためのロードマップ作成などを進めてまいります。その他、内部統制システムの強化により、財務報告の信頼性の確保、リスク管理の徹底などを図ることにより、当社グループの業務に携わる全ての関係者のコンプライアンス意識を向上させることに努め、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

 

 

(5)会社の支配に関する認識

当社には議決権を61.19%保有する親会社が存在しますが、以下の通り一定の独立性が確保されていると認識しております。

 

①親会社の企業グループに属することによる事業上の制約、リスクおよびメリット、親会社やそのグループ企業との取引関係や人的・資本的関係などの面から受ける経営・事業活動への影響など

ヴァレオ・バイエンが実施した当社株式に対する公開買付により2017年1月20日付で、同社、及び同社の親会社であるソシエテ ドゥ パーティシパシオン ヴァレオ(Société de Participations Valeo)、並びにソシエテ ドゥ パーティシパシオン ヴァレオの親会社であるヴァレオ(Valeo S.E.)は、当社の親会社に該当することとなりました。当社は、効率的な事業運営を目的として、親会社企業グループと一定の協力関係を構築しております。このような中、当社の取締役10名のうち2名は親会社の子会社の取締役などを兼任していることから、親会社等の方針などが当社の経営方針の決定などに影響を及ぼし得る状況にあります。

当社は、ヴァレオとの事業運営における相乗効果を最大限に高めるため、中期計画及び年度毎の予算等はヴァレオとの協議を行っているほか、研究開発分野の分担、共同購買、経理部門のシェアードサービス化などを行っております。加えて、ITシステムの合理化のため、ヴァレオの承認・決裁システムを採用しており、一定の重要な案件についてはヴァレオの意見を参考として徴したうえで承認・決裁を行っています。
当社は、親会社との経営情報および技術ノウハウの交換などを目的として、親会社の企業グループから、上記の兼任取締役を含め相当数の出向者を受け入れておりますが、執行役員や本部長の任命については独立社外取締役も参加する取締役会において承認を得ております。
 

 

②親会社の企業グループに属することによる事業上の制約、親会社やそのグループ企業との取引関係や人的関係、資本関係などの面から受ける経営・事業活動への影響などがある中における、親会社からの一定の独立性の確保に関する考え方およびそのための施策

当社は、親会社による公開買付以降、親会社との事業運営での相互協力により相乗効果を最大限にあげて行くことが、業績向上のための最重要の課題と考えております。事業運営にあたっては、親会社の企業グループと深く連携し、経営資源を相互に有効活用していくことにより、高い効果を得るべく注力しております。

但し、親会社の企業グループとの取引については、当社取締役会において、当社の企業価値向上、当社株主全体の利益最大化を図るべく決定することとしております。これに関して、親会社の企業グループとの取引及びそれに関係した取引を公正ならしめ、当社及び当社の株主の利益を損なわないようにすることを目的として「利益相反監視委員会」を設け、内容によっては取締役会の承認を得ることで、一定レベルで独自の経営判断が行える状況にあることを確認・監視しております。

 

③親会社からの一定の独立性の確保の状況

当社は親会社の企業グループと緊密な協力関係を保ちながら事業展開する方針でありますが、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役2名が就任しており、取締役会における審議に当たり、より多様な意見が反映され得る状況にあります。

上記の通り、事業活動を行う上での親会社の意見を聞く事項はありますが、親会社とのより効果的な連携を図るためのものであります。この点については、独立社外監査役2名と独立社外取締役2名の4名で構成する独立役員会議において議論がなされており、この意見を尊重することなどにより、一定の独立性が確保されていると認識しております。
 

 

 

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