文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは新たに中長期経営計画を策定・推進するにあたり、経営理念・行動指針についても時代の流れにあったものに見直しするとともに、新たに合言葉を改定することで浸透を促進させ、全社員が一丸となって計画達成を目指します。
<経営理念体系と内容>
社 是 :よい品をより安くより速く
経営理念:「信頼される企業」、「挑戦し続ける企業」であることで「社会に選ばれる企業」になれ
合言葉 :Trust & Challenge (信頼と挑戦)
行動指針:「Trust」
・相互の関係を理解し相手の身になって考える
・他責ではなく自責で行動する
・感謝の気持ちを常に忘れない
「Challenge」
・失敗を恐れず、困難を厭わず、高い目標に向かって挑戦する勇気を持ち続ける
※信頼関係を構築した上で新しいことに挑戦する(ひとりの力では成し得ない大きな成長のために)
(2)経営戦略等
新しい経営理念のもと、以下のとおり中長期経営計画を策定し達成施策を確実に実行してまいります。
持続的成長に向けた事業の変革
・量から質への転換(収益重視)
「シート・電装事業」顧客との関係強化による事業基盤固め
・新たな事業基盤の創出
「電子事業」持続的成長に向け資本を重点投入
「新事業」第3の柱になる事業創造
・企業文化の進化
「ESG経営の推進」
(3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴う影響に加えてウ
クライナ情勢などの地政学リスクも重なり、不確実性が大きく依然不透明な状況が続くものと予想されま
す。
当社グループが関連する自動車業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加え半導体不
足による自動車の減産、原材料価格の高騰、国際物流の混乱が見込まれるなど、引き続き厳しい経営環境
が予想されます。一方で社会的なカーボンニュートラルへの取り組み、電動化への動きは今後も一層加速
することが見込まれます。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、昨年に続き、「中長期経営計画2029」フェ
ーズ1(2021~2023年)の取り組みを継続してまいります。シート・電装事業は、引き続き、原価低減活
動、テイ・エス テック株式会社とのシナジー創出活動、得意先のオーダー変動に追従し、ロスなく生産
できる体制の構築、先行開発品におけるコンカレントエンジニアリングの展開による低コスト、高品質な
魅力ある製品開発に取り組み、収益体質の改善を図ってまいります。電子事業では、新規取引先の開拓及
び付加価値の高い製品群へ移行することによって、将来の大幅な売り上げ増加を図る基盤作りを行ってお
り、パワーエレクトロニクス領域の開発力を強化して、電気自動車、ハイブリッド車に搭載されるインバ
ータの製品、バックアップ電源及び車載二次電池等の各種電源製品の拡販を推進しております。また、従
来製品では、サイバーセキュリティー規制に対応した情報と業務の管理体制を構築するとともに、製品に
搭載するソフトウエア開発技術力の拡充を図ってまいります。新規事業の創出に向けた取り組みとしては、産
学連携による歩行研究において、無動力歩行支援機aLQを軸とした開発に力を入れており、人の歩行を
簡便に可視化するシステムや福祉事業の義足・電動車いすなどで、人々のQoL (Quality of Life) 向上を通
じて、社会に貢献できる事業の確立を目指してまいります。なお、2020年末のデット・エクイティ・ス
ワップ及び減資により財務改善を図り、収益体質化に向けて再スタートを切った北米地域では、急激な輸
送費高騰が収益を圧迫していることから、現地生産への切り替えを進めてまいります。当期において減損
損失を計上した日本地域では、選択と集中の観点から最適な人員体制の再配置、費用構造の見直しを進め
てまいります。また、経営基盤の強化を目的に、デジタル技術の活用を目指す「IMASEN-DXプロジェク
ト」、及びESG経営の推進や気候変動問題の解決に向けた専門委員会である「ISP(IMASEN
Sustainable Plan) 2030委員会」を2022年4月に発足し、全社一丸となって、持続的成長に向け事業
の変革に取り組んでまいります。
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