研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは、研究開発を企業の競争力維持のための最重要経営課題であると認識し、これに取り組んでおります。「よい品を より安く より速く」顧客に提供するために、常に「世界的な視野に立ったハイエスト・クオリティー、ローエスト・コスト」を理念として、独創技術の開発に努め、新技術及び新製品を提案できる開発型の企業として、先端技術、現行技術の革新・改良と、それらを量産に結びつけるための研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る費用の総額は2,137百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は195百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

なお、研究開発活動は、主に自動車部品関連事業及び福祉機器関連事業の分野において日本で行っており、北米、アジアにおいては行っておりません。日本における研究開発活動に係る費用は、2,137百万円であります。

日本

(自動車部品関連事業)

(1) シート機構・電装製品

 主力製品であるシートアジャスタについては、「安全」「環境」「快適・利便」をキーワードとした製品開発を最重要テーマとして、『お客様のニーズにあった製品』の研究開発に取り組んでおります。

 「安全」については、衝突時の乗員保護をより高い次元で達成する製品や適正な姿勢を確保する製品の開発に取り組んでおります。

 「環境」については、低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による軽量化製品の開発に取り組んでおります。

 「快適・利便」については、お客様の感性領域まで考慮し、心地よい操作・作動を提供できるシートアジャスタの開発に取り組んでおります。

 また、CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮とスライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発活動を行っております。パワー作動時の挟み込み防止やカメラ画像信号から適正な姿勢に調整する技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の開発活動を行っております。

 ランプについては、市場ニーズに対応した機能性、意匠性、先進性、低価格化を重視した研究開発活動を実施し、LED光源の採用や導光レンズを活用したリアコンビネーションランプ、シーケンシャルタイプ方向指示器、レンズ技術と光源を組合せ効率よく発光させるランプなどの多種の新規ランプを開発しております。

(2) 電子製品

 電子製品領域については、以下を研究開発の重点テーマに位置付けております。

①高効率パワーエレクトロニクス技術開発

 DC-DCコンバータ、インバータ等の電力変換装置において、電力損失を最低限に抑えることで製品コスト低減とエネルギー損失の抑制を図る新技術開発を行っております。

②モデルベース開発

 複雑で大規模・高度なソフトウエア開発を短納期で行うべく、最先端の開発プロセスを導入しております。

③EMC開発

 車載電子機器が発生する電磁ノイズを抑制する為の製品コスト上昇と開発期間増加が問題になっています。これに対して社内での測定環境を整備して、技術ノウハウの蓄積と効率的な開発を行っております。

④電源システム開発

 車載電源は従来の鉛バッテリーのシステムから、リチウムイオン電源、キャパシター電源等の多彩なパワーソースの組み合わせへ変遷しています。これらは電動化の一環であることから重要なビジネスアイテムであると位置づけ独自の先行技術開発を行っております。

(3) その他の製品

 その他の製品としましては、機構・電装技術に加え、IoT・画像技術を融合し人々の豊かな暮らしに貢献する製品の研究開発を行っております。

 また、今仙グループの次世代の核となる製品、既存事業にとらわれない製品等を専門に研究・開発を行う部門にて、産学、産産連携した研究開発に取り組んでおります。

(福祉機器関連事業)

 福祉機器の電動車いすについては、暮らしを支えるかけがえのないパートナーとして、安全性・快適性を徹底的に追求し、使われる方の快適さはもとより、介助する方や環境にも優しく、またデザインにまで心を配って開発しております。

 重度障がい者を対象とした製品に加え、今後の高齢化に向け、既存の移動機器のコア技術など、高齢者向けへの研究開発も行っております。そして障がい者、高齢者の方にとって唯一の自力移動手段であることを踏まえ、使いやすさと安全性を重点に、一層の軽量化、小型化、高機能化を目指しております。

 義足については、「使う人の要求を、作る人の立場で考える」というコンセプトのもと、様々な日本の生活環境、体型、年齢などに合わせた最適な義足を提供するため、パーツ選択や交換、調整を容易に行えるモジュール化した義足部品の研究開発を行っております。膝継手では、国内のみではなく海外に向けた、安全性、快適性を追求した機能とともに、デザイン性を重視した製品を開発しており、国内外から高い評価をいただいております。更に、スポーツ用義足は、東京パラリンピックでは、2名のパラアスリートに使用していただきました。この技術をもとに、2021年にはエントリー向けを発売開始し、アスリート向けの開発のみではなく、障がい者スポーツの普及にも取り組んでいきます。

 歩行支援機「ACSIVE」は、名古屋工業大学の受動歩行ロボット研究から共同開発した、モーターも電源もいらない『無動力の歩行支援機』です。シンプルな軽量設計で、簡単・スタイリッシュに脚に装着でき、装着すると楽に歩くことができます。軽度の歩行障がいをお持ちの方向けの「ACSIVE」、歩行不安のある健康な高齢者向けの歩行支援機「aLQ」についても、更なる製品開発に加え新たに開発した歩行を簡便に可視化できる歩行測定システムなど、歩行研究と産学共同研究で獲得したノウハウにより、新たな介護・リハビリテーション医療分野への製品開発に取組んでおります。

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