研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは「人と自然と道具の美しい調和」を目指し、基礎的な研究開発から製品化及び生産技術分野まで幅広く研究開発活動を行っております。また、海外におきましても、Shimano(Singapore)Pte. Ltd.を核として、製品化及び生産技術分野の研究開発活動を積極的に行っております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は14,121百万円であり、各セグメント別の主要な成果は以下のとおりであります。

 

(1) 自転車部品

当セグメントにおける研究開発の目的は、より多くの人に、自然や日常の中で自転車に乗ることで健康的な生活を提案することです。それにより、環境にも人にもやさしい世界になっていくことを目指しております。

そのために、当社が開発のテーマとしてあげているのが、自転車を操作するときのストレスの軽減と自転車に乗る楽しさの追求です。

これまで電気制御の部品を多く展開しておりますが、単純にハードウエアを進化させるだけでなく、そのハードウエアをどのように動かしたら快適かを考えて、ソフトウエアのあり方も日々進化させております。また、人々の生活がデジタル化している中で、より楽しく快適に自転車に乗っていただけるようなアプリケーションも開発・提供しております。

2021年は前年に引き続き、自転車を取り巻く環境が大きく変化した年でもあります。ソーシャルディスタンスを保つ移動手段としての自転車への関心は強く、自転車を生活習慣や余暇時間の楽しみとして取り入れ始めている人たちも増えております。こうした外的要因による社会的なニーズの高まりに対応するために、新しい製品やサービスの開発を続けていきます。

なお、当セグメントにおける研究開発費は10,838百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。

 

① ロードバイク市場におきましては、当社フラッグシップ製品であるDURA-ACEシリーズと、その機能を引き継ぎながらより幅広いユーザーに対応したULTEGRAシリーズの新世代モデルを、2021年9月1日に世界同時発表しました。これらの新世代モデルを電動変速システムに特化し、ドライブトレイン全体の基本システムを一新したことによって、従来製品から飛躍的に機能向上を図っております。

② ロードバイクユーザーへのサービス向上のため、オンラインサービス SHIMANO CONNECT Lab の提供を2021年6月に開始しました。自転車に取り付けた各種デバイスとの連携により、ライダーの走行結果を総合的に可視化できる当サービスと新世代のロードコンポーネントとを結びつけることで、ユーザーそれぞれの乗り方に合わせたスキル向上のサポートツールとして発展させていきます。

 

(2) 釣具

当セグメントにおける研究開発は、基本性能の向上と新機能の実現を目指すと共に、感性を具現化するテクノロジーを追求しております。
 なお、当セグメントにおける研究開発費は3,282百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。

 

リール

① 「STELLA」(ステラ)

2022年、当社は中小型スピニングリールのフラッグシップモデルとなる「STELLA」をリリースします。「STELLA」には新しく開発された機構が多数搭載されます。例えば高耐久ギア設計「インフィニティクロス」、ラインの放出抵抗を軽減する巻取り機構「インフィニティループ」、高負荷時でも安定して軽く巻き取れる動力伝達機構「インフィニティドライブ」、スプール周りのライントラブルを抑える「アンチツイストフィン」、優れた耐摩耗性能と滑らかな滑り出しを両立したドラグ「DURAクロス」などがあげられます。これらの機構の搭載により、新しい「STELLA」は耐久性、飛び、巻上げ、快適な操作、ドラグ性能などのリールに求められる性能が従来の物と比べて全面的に向上し、アングラーに新しい価値を提供します。

② 「NEW FTB」(FTB:フィネスチューンブレーキシステム)

新製品「ALDEBARAN BFS」に搭載する新しいブレーキシステムです。FTBとはベイトフィネスという釣り方に対応した当社のベイトキャスティングリール用ブレーキシステムであり、通常のベイトキャスティングリールでは難しい「軽いルアーを低い弾道でキャストする」ことを可能にします。「NEW FTB」では、ダイヤルケースの内側に磁性リングを配置することで、最小ブレーキ時における磁力のスプールへの影響を低減し、今まで扱いが難しかった超軽量のルアーをより低い弾道でキャストできるようになります。ブラックバス釣りでは釣り方が多様化しており、時にはベイトキャスティングリールにも軽いルアーの扱いが求められ、「NEW FTB」は、これらのニーズに応えアングラーによりたくさんの魚との出会いをもたらします。

 

 

ロッド

① 「OCEA JIGGER LIMITED (BAIT model)」(オシアジガー リミテッド)

当社ジギングロッドの最高峰「OCEA JIGGER LIMITED」は、全身が弓のごとく曲がり、ジグを動かすための反発力を生み出すブランクス設計を徹底追及しております。高弾性化と細径化により「超高出力&ストレスフリー」なロッドアクションを実現しました。また、カーボンシェルグリップを採用することで水中の変化を余すことなくアングラーに伝達し、よりダイレクトなジギングゲームをサポートします。

② 「真の軽さ」コンセプトの展開

ロッド自重に現れない「真の軽さ」コンセプトの中核は、ロッド操作やロッドの構え方(立てて使う又は寝かせて使う)といった実践的な状況でアングラーが感じ取る「軽さ」の追求です。これはロッドを持った時の持ち軽さや、振った時の振り軽さをブランクス構成及びロッド構造で決定する設計手法により実現しています。当初、ソルトルアーロッドでスタートした「真の軽さ」コンセプトを2021年にはバス及び船ロッドへ展開し、ロッド特性に合わせた実践的な軽さを実現した製品をリリースしました。

 

フィッシングギア

① ルアー

当社ルアーで累積販売数が最も多いロングセラーのEXSENCEサイレントアサシン99シリーズに、満を持してFLASH BOOST搭載モデル「EXSENCEサイレントアサシン99フラッシュブースト」を上市します。JETBOOST機構の圧倒的な飛距離とスムーズな泳ぎの立ち上がりを継承しつつ、FLASH BOOST機構がアピール力を高め、シビアな条件でも魚を誘います。使用する水深での使い分けができるようフローティング、シンキング、サスペンドモデルを同時展開します。

② ウェア

当社初の透湿防水ストレッチ素材を採用したウェーダー「ドライシールド+4ストレッチウェーダー」を発売します。ストレッチ生地を採用することで、より体にフィットした形状でも、開脚やしゃがみ込み時の突っ張りを軽減しました。これにより、動きの快適性を維持しつつ、水中での抵抗軽減とシルエットの美しさを両立させることが可能となりました。

 

(3) その他

当セグメントでは主にロウイング関連用品等の開発を行っております。

なお、当セグメントにおける研究開発費は0百万円であります。

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