当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて238,671千円増加し、5,540,518千円となりました。これは主として売掛金が647,948千円減少したことに対して、現金及び預金が169,784千円、商品及び製品が303,839千円、仕掛品が121,784千円、原材料及び貯蔵品が278,349千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて445,959千円増加し、1,348,665千円となりました。これは主として使用権資産が52,154千円減少したことに対して、連結子会社 Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.の新工場建設に係る建設仮勘定の計上等により401,774千円増加したことや、リース資産が52,542千円、その他投資資産が39,686千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて684,631千円増加し、6,889,184千円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて274,760千円増加し、3,188,936千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が392,077千円、未払法人税等が191,010千円それぞれ減少したことに対して、短期借入金が600,000千円、未払金が218,597千円、リース債務が39,689千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて27,561千円減少し、462,539千円となりました。これは主とし繰延税金負債が28,013千円、その他固定負債が21,779千円それぞれ増加したことに対して、長期借入金が37,032千円、リース債務が35,355千円がそれぞれ減少したことなどによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて247,198千円増加し、3,651,476千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ437,432千円増加し、3,237,707千円となりました。これは主に利益剰余金の配当により51,968千円減少したものの、譲渡制限付株式報酬による新株発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ34,737千円増加、為替換算調整勘定が254,627千円増加、並びに親会社株主に帰属する当期純利益利を165,297千円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の45.1%から47.0%となりました。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染収束が見通せない中、原材料価格の高騰による企業収益や個人消費への影響が顕在化しつつあるなど、先行きは不透明な状況で推移しました。
このような状況の中、縫製自動機事業においては、欧州など海外からの自動化に関する問い合わせが徐々に増えており、新型コロナウイルス感染症に対する規制がある中でも営業活動を進めてまいりました。また、自社においてエアバッグ用の縫製自動機の開発、トレーサビリティに優れた生産管理システムなど新しい商品開発のほか、オムロン株式会社との3D縫製ロボットの共同開発を開始するなど開発活動に力を入れてまいりました。
また、縫製品事業においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、主要生産拠点であるベトナム子会社において、現地での感染対策規制による外出制限などにより工場の稼働率が大きく制限されるなど大きな影響を受けました。規制解除後は工場の稼働率が通常に戻り順調に業績が推移しました。
特に血圧計腕帯については、健康志向を背景に受注が好調に推移しました。カーシート及びエアバッグについては、ベトナムにおける感染対策規制の影響を受けたほか、主要取引先の工場稼働停止などの影響も受けたものの、概ね前年並みの受注を確保することができました。そのほか、アイソレーションガウンに関しては、前年度のような特需として厚生労働省からの大口の公募案件がなくなったため、当年度において受注が減少しました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高5,640,337千円(前年同期比22.4%減)、営業利益355,174千円(前年同期比57.6%減)、経常利益408,678千円(前年同期比50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益165,297千円(前年同期比70.9%減)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
縫製自動機事業につきましては、医療機器関連の大型自動機のほか、海外のエアバッグ工場向けの製品販売のほか、部品の販売が中心となりました。なお、Matsuya R&D (Vietnam)Co.,Ltd.のイノベーションセンターにおいては、次世代エアバッグ製造用システム製作を目的として部材購入や新たな技術者の採用による人件費が増加しました。
以上の結果、売上高は315,082千円(前年同期比42.0%減)となり、セグメント損失は113,499千円(前年同期は59,306千円のセグメント損失)となりました。
縫製品事業のうち、血圧計腕帯につきましては、健康志向を背景に継続して受注が増加しました。また、カーシート及びエアバッグにつきましては、ベトナムにおけるコロナ対策規制の影響を受けたものの、10月中旬以降、受注は回復傾向となりました。そのほか、アイソレーションガウンについて、前年度のような厚生労働省からの大口の公募案件がなかったことにより、受注が減少しました。
以上の結果、売上高は5,325,254千円(前年同期比20.8%減)、セグメント利益は815,519千円(前年同期比28.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,467,441千円と、前連結会計年度に比べ170,683千円の増加となりました。
営業活動の結果、獲得した資金は140,450千円(前連結会計年度は655,987千円の獲得)となりました。
これは主として、売上債権の減少額773,830千円、税金等調整前当期純利益が291,887千円、減価償却費229,399千円、未払金の増加額205,117千円があったことに対して、棚卸資産の増加額586,747千円、法人税等の支払額275,647千円、仕入債務の減少額486,198千円があったことなどによるものであります。
投資活動の結果、支出した資金は484,700千円(前連結会計年度は61,553千円の支出)となりました。
これは主として有形固定資産の取得による支出464,352千円によるものであります。
財務活動の結果、獲得した資金は504,066千円(前連結会計年度は43,388千円の支出)となりました。
これは主としてリース債務の返済による支出116,938千円、長期借入金の返済による支出56,008千円、配当金の支払いによる支出51,915千円があったことに対して、短期借入金の増加600,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入64,940千円、セール・アンド・リースバックによる収入63,988千円があったことなどによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は5,640,337千円(前年同期比22.4%減)となり、前連結会計年度に比べて1,629,518千円減少いたしました。これは縫製品事業における血圧計腕帯売上が前連結会計年度に比べ532,499千円増加したことに対して、アイソレーションガウンについて、前連結会計年度のような厚生労働省から大口の公募案件がなかったことにより2,063,410千円減少したことや、縫製自動機事業が前連結会計年度に比べ228,581千円減少したことによるものです。
当連結会計年度における売上原価は4,452,931千円(前年同期比20.8%減)となり、前連結会計年度に比べて1,170,976千円減少いたしました。これは主に縫製品事業におけるアイソレーションガウンの売上が前期比で減少したことに伴う売上原価の減少によるものであります。以上の結果、売上総利益は1,187,405千円(前年同期比27.9%減)となり、前連結会計年度に比べて458,542千円減少いたしました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、832,231千円(前年同期比3.0%増)となり、前連結会計年度に比べて24,586千円増加いたしました。これは主に東ヨーロッパ進出やリハビリロボット販売に向けた人材採用、3D縫製ロボットの研究開発費用、連結子会社であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.のMICでの研究開発費用、ドローン用エアバッグの研究開発費用の増加があったことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は355,174千円(前年同期比57.6%減)となり、前連結会計年度に比べて483,128千円減少いたしました。
当連結会計年度における営業外収益は96,619千円(前年同期比112.3%増)となり、前連結会計年度に比べ51,097千円増加いたしました。これは主に為替差益の増加によるものであります。また、営業外費用は43,115千円(前年同期比18.5%減)となり、前連結会計年度に比べ9,801千円減少いたしました。これは、主に支払利息の減少によるものであります。
以上の結果、経常利益は408,678千円(前年同期比50.8%減)となり、前連結会計年度に比べ422,229千円減少いたしました。
当連結会計年度における特別損失は、連結子会社であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.においてベトナム国の新型コロナウイルス感染症対応による損失85,521千円や縫製自動機事業における減損損失計上31,269千円によるものです。
また、法人税等合計は126,590千円(前年同期比51.8%減)となり、前連結会計年度より136,030千円減少いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は165,297千円(前年同期比70.9%減)となり、前連結会計年度に比べ403,283千円減少いたしました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
当社グループの通常の運転資金については、主に自己資金及び借入金により賄うことを基本方針としております。なお、銀行との当座貸越契約を締結しており、大型の縫製自動機の受注や国内・海外の工場における生産量の増加による資金需要への対応を図っております。これにより一定の資金水準を保つことができ、十分な資金の流動性を保持しているものと考えております。
設備投資の詳細については、「第3 設備状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主配当については経営における重要課題の一つと考えており、株主総会を決定機関として年1回の期末配当を基本方針としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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