業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大が長期化したことにより、経済活動の停滞や企業収益の鈍化が継続しました。

外国為替市場のドル円相場は、期初110円台後半で取引が始まり、4月後半に107円台中盤の安値を示現した後はドルが堅調に推移しました。2022年3月には、日米の金利差を意識したドル買い円売りが活発となり、急激な円安となりました。

株式市場は、緊急事態宣言の再発令や米国でのインフレ懸念等から様子見姿勢の強い展開となりましたが、先進国内での米国の優位性や財政拡張への期待から米国主要指数が上昇し、ナスダックは11月に、ダウとS&P500種指数は年初の1月に史上最高値を更新しました。しかしながら、年度末にかけては米国の金融政策に対する不透明感やウクライナ情勢の緊迫化等から、軟調推移に転じました。

このような事業環境のもと、当社グループにおける各事業の取り組みと業績内容は以下のとおりであります。

子会社インヴァスト証券株式会社を中心とする国内金融事業では、米国株式市場の上昇を受けて「トライオートETF」の取引が活況となったこと等から、純営業収益は31億18百万円(前期比104.9%)の増収となり、セグメント利益は4億54百万円(同649.0%)の増益となりました。

また、海外金融事業であるオーストラリアの子会社Invast Financial Services Pty Ltd.は、法人向けブローカレッジ事業やリテールサービスの拡大により、業績が堅調に推移したことから、純営業収益は19億28百万円(前期比149.4%)、セグメント利益は3億51百万円(同318.4%)と、こちらも増収増益となりました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の営業収益は51億58百万円(前期比117.8%)、純営業収益は49億81百万円(同117.8%)となりました。

販売費・一般管理費は41億97百万円(同103.7%)となり、純営業収益から販売費・一般管理費を差し引いた営業利益は7億83百万円(同434.4%)、経常利益は10億47百万円(同706.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億8百万円(同1,337.1%)となりました。

 

当連結会計年度の主要な収益・費用等の状況は次のとおりであります。

 

(受入手数料)

 当連結会計年度の受入手数料の合計は9億13百万円(前年同期比113.2%)となりました。

 内訳は以下のとおりであります。
 ・取引所為替証拠金取引に係る受取手数料   2億39百万円(前年同期比96.4%)
 ・投資顧問料                  0百万円(同5.3%)
 ・その他の受入手数料            6億72百万円(同124.2%)

 

(トレーディング損益)

 当連結会計年度におけるトレーディング損益は、35億63百万円(前年同期比120.5%)となりました。

 これは店頭FX/CFD取引によるものであります。

 

(金融収支)

 当連結会計年度における金融収益は、2億8百万円(前年同期比116.1%)となりました。

一方、金融費用は1億77百万円(前年同期比117.2%)となり、これを差し引いた金融収支は30百万円(同109.8%)となりました。

 

 

(販売費・一般管理費)

当連結会計年度における販売費・一般管理費は、41億97百万円(前年同期比103.7%)となりました。

主な内訳は以下のとおりであります。

・取引関係費               9億83百万円(前年同期比96.0%)

・人件費                 16億65百万円(同123.8%)

・不動産関係費              10億21百万円(同85.5%)

・事務費                   94百万円(同210.5%)

・減価償却費               1億68百万円(同83.0%)

・租税公課                1億33百万円(同82.8%)

・その他                 1億30百万円(同179.0%)

 

(営業外収益)

当連結会計年度においては2億85百万円の営業外収益を計上しており、その内訳は以下のとおりであります。

・組合投資利益              2億84百万円

・その他                   1百万円

 

(営業外費用)

当連結会計年度においては21百万円の営業外費用を計上しており、その内訳は以下のとおりであります。

・為替差損                  18百万円

・その他                   2百万円

 

(特別利益)

当連結会計年度においては0百万円の特別利益を計上しており、その内訳は以下のとおりであります。

・金融商品取引責任準備金戻入         0百万円

・新株予約権戻入益              0百万円

 

(特別損失)

当連結会計年度においては13百万円の特別損失を計上しており、その内訳は以下のとおりであります。

・投資有価証券評価損             8百万円

・投資有価証券売却損             4百万円

 

財政状態の概況は次のとおりであります。

 

 (資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して132億76百万円増加し1,254億9百万円となりました。流動資産は、127億4百万円増加し1,233億61百万円となりました。

 流動資産の主な増加項目は、預託金の増加85億27百万円、現金・預金の増加50億99百万円、外為取引未収入金の増加18億3百万円、短期貸付金の増加6億79百万円であり、一方、主な減少項目は、短期差入保証金の減少34億1百万円であります。

 また、固定資産は、前連結会計年度末と比較して5億71百万円増加し20億47百万円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は1,137億42百万円となり、前連結会計年度末と比較して123億35百万円増加しました。流動負債は、121億53百万円増加し1,134億51百万円となりました。
 流動負債の主な増加項目は、受入保証金の増加125億98百万円、短期借入金の増加40億89百万円、未払法人税等の増加2億12百万円であり、一方、主な減少項目は外為取引未払金の減少46億22百万円、前受金の減少2億59百万円であります。
 また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億82百万円増加し2億83百万円となりました。
特別法上の準備金は、7百万円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は116億66百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億40百万円増加しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益8億8百万円の計上であり、主な減少要因は配当金の支払いによる2億17百万円であります。

 この結果、自己資本比率は9.3%(前連結会計年度末は9.6%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べて55億40百万円増加し、当連結会計年度末の残高は113億75百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは24億4百万円の資金増加(前期は6億21百万円の資金増加)となりました。主な増加要因は、受入保証金の増加117億65百万円、短期差入保証金の減少による40億19百万円です。

主な減少要因は、顧客分分別金信託の増加による74億51百万円、外為取引未払金の減少による47億13百万円、外為取引未収入金の増加による17億81百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、8億15百万円の資金減少(前期は1億23百万円の資金減少)となりました。資金の主な減少要因は、定期預金の預入による支出6億円、有形及び無形固定資産の取得による支出2億66百万円です。

主な増加要因は、出資金の分配よる収入1億28百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、38億41百万円の資金増加(前期は26億12百万円の資金減少)となりました。資金の主な増加要因は、短期借入れによる純増減額40億89百万円であります。
 主な減少要因は、配当金の支払い2億17百万円によるものであります。

 

③ 業務の状況
a.受入手数料の内訳

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比
(%)

取引所FX取引に係る受取手数料

249

239

96.4

委託手数料

12

投資顧問料

3

0

5.3

その他の受入手数料

541

672

124.2

合計

806

913

113.2

 

(注) 委託手数料は、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」によるものであります。

 

b.トレーディング損益の内訳

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 前年同期比
(%)

店頭FX/CFD取引によるもの

2,956

3,563

120.5

合計

2,956

3,563

120.5

 

 

c.受入保証金残高

 

 

前連結会計年度
(2021年3月31日)

当連結会計年度
(2022年3月31日)

残高(百万円)

前期末比(%)

残高(百万円)

前期末比(%)

受入保証金

83,496

117.1

96,094

115.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益51億58百万円、営業利益7億83百万円、経常利益10億47百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8億8百万円となりました。

 当社グループの主力サービスである外国為替証拠金取引は、外国為替市場や株式市場等の市況、その他国内外の経済環境等に大きく左右される傾向にあることから、相場に左右されない収益源の多様化、拡大が重要であるとの認識のもと、顧客ニーズの変化に対応しつつ、安定的な収益の確保を目指してまいります。

 なお、当社グループは、株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。

 当連結会計年度における株主資本利益率(ROE)は7.2%となりました。

 また、収益の源泉であり、かつ「お客様の信頼の証」である顧客口座数・預り証拠金に加え、グループ全体の事業活動の成果を示す連結経常利益を重要な経営指標と認識しております。

 当連結会計年度末における受入保証金残高は、960億94百万円、連結経常利益は、10億47百万円となりました。

 

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(国内金融事業)

子会社インヴァスト証券株式会社を中心とする国内金融事業では、米国株式市場の上昇を受けて「トライオートETF」の取引が活況となったこと等から、純営業収益は31億18百万円(前年同期比104.9%)の増収となり、セグメント利益は4億54百万円(同649.0%)の増益となりました。
 

(海外金融事業)

海外金融事業であるオーストラリアの子会社Invast Financial Services Pty Ltd.は、法人向けブローカレッジ事業やリテールサービスの拡大により、業績が堅調に推移したことから、純営業収益は19億28百万円(前年同期比149.4%)、セグメント利益は3億51百万円(同318.4%)の増収増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、店頭FX/CFD取引におけるカウンターパーティーとのカバー取引に係る差入保証金、顧客からの預り金、FX/CFD取引等に係る保証金及び証拠金の入出金と顧客分別金信託及び顧客区分管理信託への入出金との差によるもの等であり、自己資金に加え、金融機関からの借入等により対応しております。また、これらの資金需要に備え、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関4社と当座貸越契約等(極度融資枠6,800百万円)を結んでおり、当連結会計年度における借入金の残高は5,889百万円となっております。

当社グループは現状において十分な資金の流動性を有しており、当座貸越枠等により十分な借入枠を確保しており、資金需要への対応には問題がないものと判断しております。

ただし、経済情勢の先行きは不透明であり、新型コロナウイルスの感染拡大により、現時点における想定を超えて業績への悪影響が生じることが見込まれる場合には、必要に応じて、コミットメントライン等により、追加的に資金調達枠を確保することも検討してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、有価証券の評価、減価償却資産の償却、繰延税金資産の回収可能性、貸付金等の貸倒れ及び当該引当金、賞与等の会計処理については会計関連諸法規に則り、過去の実績や状況に応じ合理的な基準により見積り、判断しておりますが、不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果は異なる場合があります。

当社グループの繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りにおいては、新型コロナウイルス感染症による重要な影響はないと仮定し、見積りを行っております。

 

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