有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは主たる事業として、外国為替証拠金取引(FX取引)に係るサービスを提供していることから、収益は外国為替市場の影響を大きく受け、取引量は外国為替市場の変動率(ボラティリティ)に大きく左右される傾向があります。
外国為替市場の変動率が高まれば取引は活発に、変動率が低ければ取引は減少傾向となることから、ボラティリティが低い相場が継続する等の市況環境によっては、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、FX取引以外の投資アセットクラスの拡充や、FX取引と異なる収益構造をもつ事業領域への進出等、収益の多様化が重要であるとの認識のもと、より幅広いお客様に利用いただける商品・サービスの開発、提供に努めてまいります。
当社グループが行う金融商品取引業は、証券、銀行、保険という垣根を越えた競争が激化しつつあり、各社はそれぞれの特徴を出した顧客の獲得、サービスの向上、取扱商品の多様化を推し進めております。
このような環境下において、当社グループの差別化戦略が競合他社の戦略と比べて劣る等の場合においては、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクは常態的に発生する可能性があると考えられます。
当該リスクへの対応については、当社グループの強みを最大限に発揮した独自の自動売買ソリューションの提供や、顧客の運用成績向上に資する高付加価値サービスの開発等に注力し、商品・サービスの開発・改善を継続的に行うことにより、競争力の維持に努めてまいります。
当社グループが提供する外国為替証拠金取引及びCFD取引は、顧客から受け入れた証拠金を担保としたレバレッジ取引です。当社グループは、ロスカット制度により、顧客に損失が発生した場合でも受け入れた証拠金の範囲内に損失額が収まるように努めておりますが、為替相場の大きな変動等により、受け入れた証拠金を超える損失が顧客に発生する可能性があります。これにより、当社グループの顧客に対する債権の全部又は一部が回収できなかった場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応については、顧客の取引口座開設時等において、投資の知識・経験等の顧客属性を適正に管理する等の与信リスク管理を行っております。
また、当社の子会社(インヴァストキャピタルマネジメント株式会社)が営む貸金業においては、融資先の倒産や経営悪化等の要因によって、予期できない延滞・貸倒れ等が発生することがあり、これにより、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該融資については、取引先を法人に限定して取引時の審査を厳格に行うとともに、リスクが顕在化した場合の債権保全策を講じたうえで実行しております。融資後も継続的に与信管理を行っており、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。
当社の子会社(インヴァスト証券株式会社)は、取引所FX取引における顧客からの預り資産については取引所に直接差し入れる方法により、また、店頭FX/CFD取引における顧客からの預り資産については株式会社三井住友銀行で、信託保全を行っております。しかしながら、何らかの事由により、金融商品取引法等が要請する管理の方法に抵触する事態が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する、店頭FX/CFD取引は、顧客と当社グループによる相対取引でありますが、顧客に対する当社グループのポジションのリスクをヘッジするため、海外の金融機関(カウンターパーティ)等と契約を締結し、顧客との売買取引により発生した当社グループのポジションについて、カバー取引を行うことで、リスクを回避しております。しかしながら、想定外の事象が発生し、当社グループがカバー取引を行うまでの間に、為替相場やETF価格が大きく変動する等の場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、より安定的な取引環境を提供するカウンターパーティを選択して契約を締結しておりますが、カウンターパーティのシステム障害の発生等の理由により取引不能となった場合は、当社グループが価格変動等のリスクを負うことになります。また、当社グループが契約しているすべてのカウンターパーティが取引停止状態となった場合は、当社グループは顧客との取引を停止する可能性があります。
当社の子会社(インヴァスト証券株式会社)は、金融商品取引業を営むにあたり、金融商品取引法第29条に基づく「金融商品取引業」の登録を受けるとともに、自主規制機関である日本証券業協会、金融先物取引業協会及び日本投資顧問業協会に加入しているほか、東京金融取引所の取引参加者となっております。
子会社はこれらの法令並びに各協会、取引所が定める諸規則に従って事業活動を行い、継続的なコンプライアンス体制の見直しに努めておりますが、何らかの事由によりこれらの法令諸規則等に抵触する事態が発生し、行政処分等を受けた場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2005年4月1日より「個人情報の保護に関する法律」が全面施行されましたが、当社グループは、個人情報の保護は、信用を基礎とする金融商品取引業者に求められる重要な責務と認識し、顧客情報等の書類及び法定帳簿の具体的な管理方法や顧客データへのアクセス制限・使用方法を社内規程として策定し、個人情報管理の周知徹底を図っております。しかしながら、何らかの要因により当社グループ又は外部委託先から顧客情報が漏洩した場合には、信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の子会社(インヴァストキャピタルマネジメント株式会社)が営む貸金業は、「貸金業法」等の適用を受けております。子会社は、「貸金業法」に基づく貸金業登録により、各種の業務規制を受けているほか、金融庁が定める「貸金業者向けの総合的な監督指針」及び日本貸金業協会が定める「貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則」の適用も受けております。
子会社は法令等の遵守を徹底しており、現時点において法令等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により子会社並びに子会社の役員及び従業員が法令等に抵触した場合、業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられ、又は登録が取消され、当社グループの事業活動に支障を来たすとともに、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の法律改正等による業務規制の変更等で業務が制限された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上記の各種法令諸規則のほか、「金融商品の販売等に関する法律」その他の規制を受けております。当社グループはかかる法令諸規則等の遵守に努めておりますが、当社グループ及び当社グループの役職員において、何らかの事由により、これらの法令諸規則等に違反する事実が発生した場合には、当社グループの風評、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つとして、社内規程の整備や役員及び従業員への啓蒙活動を通じて、その強化に取り組んでまいります。
当社グループはこれまで企業規模に応じた内部管理体制の強化に努めてまいりました。今後におきましても、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制システムの整備を含めた内部管理体制の一層の充実に努めてまいりますが、適切かつ充分な内部管理体制が整備できなかった場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが業務を行う上で、ITシステムは必要不可欠なものであり、そのため、システムの改善、サーバーの増強、信頼性の高いデータセンターの利用等システムの安定稼動に努めております。
しかしながら、ハードウェア、ソフトウエアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウィルス、サイバーテロのほか、災害等によってもシステム障害が発生する可能性があります。当社グループではシステム障害の発生に備え、システムのバックアップや回線の二重化等の体制を整えております。
しかし、何らかの障害が発生し、顧客取引の処理を適切に行えない場合等には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各種のオンラインサービスを展開するにあたり、新たなサービス並びに商品の提供、又は顧客利便性の向上による競争力強化のためには、継続的なシステムの開発及び改良等が不可欠であると認識しております。特に、当社が提供するトレーディングAIによるFX取引サービス「マイメイト」は、原則として、その基幹システムを内製開発・自社保有しております。システムのリリース前には入念に品質チェック等を行うことにより、システムの品質管理に努めておりますが、システム開発が計画どおりに進捗しなかった場合、システム投資の額が想定を超えて多額になった場合及び当初予想していたとおりの投資効果が得られない場合、また、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害等が発生した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引にかかわるシステム処理業務の一部を外部委託しております。外部委託先のシステム障害、処理能力の一時的な限界等、何らかの事情により外部委託先のサービス提供が困難になった場合等には、当社グループの業績に影響が及ぶおそれがあります。
当該リスクへの対応として、当社グループは、定期的に外部委託先へのヒアリングや監査を実施するほか、必要に応じて改善指導を行う等、外部委託先との関係強化に努めております。
当社グループは外国為替証拠金取引を中核事業として、顧客数、預り証拠金等の事業基盤の強化を行う一方、収益源の多様化のため、新たなサービス、事業展開を検討、実施してまいります。
しかしながら、顧客のニーズや市場環境に適応できず、方針の転換を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業の特性上、業務の遂行に必要となる資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。
現状、資金需要については、自己資金だけでなく、金融機関からの借入という安定的な資金調達のため、当座貸越契約を締結する等、資金調達の多様化を図っております。
しかしながら、各事業の成長や、子会社の増加等による資金需要が高まった際に、経済情勢その他の要因により、資金調達が困難となる、若しくは資金調達コストが上昇する等により、適時に当社グループの望む条件にて資金調達ができない場合、当社グループの事業成長を阻害することとなり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長 川路猛の資産管理会社である合同会社TKCは、当社の筆頭株主であります。
合同会社TKCは、今後も安定株主として当社株式を長期保有する方針ですが、今後、同社と当社グループの関係に変化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、その所有株式の一部を処分することがあれば、市場における当社株式の供給が増加することが考えられ、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、オーストラリアに子会社を有しており、今後、現地における法的規制を受ける可能性や、市場動向・為替変動等の事由により子会社の事業展開に影響が出た場合、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループのビジョンは「2025年までに全世界で1,000万人の利用者を持つ金融ソリューションを生み出す」ことであり、ビジョン達成に向けた海外における投資や事業展開も積極的に進めていくつもりです。
そのため、今後、海外事業を拡大するにあたり、当社には為替リスク、現地規制リスク、カントリーリスク等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、ストックオプション制度を採用しております。
当連結会計年度末日現在の残存する新株予約権の個数は、6,750個(675,000株)であり、今後、その行使が促進される場合には、当社株式の1株当たり株式価値が希薄化する可能性があります。
当社グループは、顧客本位の姿勢とコンプライアンスを重視し、お客様等との紛争の未然防止に努めておりますが、何らかの理由により発生したトラブルが訴訟等に発展し、万一当社の主張が認められなかった場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、お客様、取引先様、従業員の安全を最優先とし、テレビ会議等オンラインでの対応や、在宅勤務(テレワークの活用)、時差出勤等により感染予防のための最大限の配慮をしつつ、事業を推進しております。それにもかかわらず、当社グループの従業員等に罹患者が発生し、代替要員の確保ができない等の理由により、事業を継続することができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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