(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社の事業環境は、依然新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響を受けており、先行きが不透明な状態にあります。2021年の年末にかけては一時的に外部環境が回復したものの、年明け2022年1月に再びまん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用されたことにより再び飲食店の販促意欲が低下致しました。続く3月下旬にまん防が全国的に解除されてから現在に至るまでは徐々に外部環境は回復しつつあるものの、依然COVID-19による影響が続いております。当社主要事業であるFRM(Fan Relationship Managementの略称)については、当該COVID-19の影響により、当事業年度である2021年10月から2022年9月においてお店会員(固定)プランの月平均新規参画店舗数は332件となり、COVID-19影響前の500件水準と比較すると未だ低い水準となっております。解約については、お店会員(固定)プランの内、安価であるものの、送客効果が発揮されづらい一部プランにおいて継続率が低いことが全体における解約件数へも影響した結果、COVID-19影響前よりも解約件数が増加しております。結果としてお店会員(固定)プランの有料保有店舗数は前事業年度末から当事業年度末において1,429件減少したことで6,921件となりました。
広告コンテンツについては、広告単価の下落による影響が引き続き生じております。月間利用者数についても上述感染者数の高止まりにより、COVID-19影響前との比較では未だ完全に回復したとは言えない状況となっております。
これらの結果として当事業年度における売上高は1,715百万円(前事業年度比11.5%減)となりました。
費用面では、2021年9月期通期決算説明資料にて開示している開発体制及び飲食店販売チャネルの強化を目的として開発人員及び営業人員の採用を進めた結果、売上原価は809百万円(前事業年度比19.4%増)、販売費及び一般管理費は1,657百万円(前事業年度比7.4%増)となりました。
また、新型コロナウイルス特別貸付に係る利子補給金等により営業外収益6百万円(前事業年度比208.5%増)、支払利息等により営業外費用10百万円(前事業年度比86.7%減)を計上しております。
また固定資産の減損により特別損失102百万円(前事業年度は特別損失は発生しておりません)を計上しております。
以上より、当事業年度における営業損失は751百万円(前事業年度は283百万円の営業損失)、経常損失は755百万円(前事業年度は356百万円の経常損失)、当期純損失は859百万円(前事業年度は358百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,465百万円となり、前事業年度末に比べ42百万円増加いたしました。これは主に、銀行借入の実施によって現金及び預金が265百万円増加したことやGoToEatキャンペーンに係る事業費を一部農林水産省宛てに立て替えていたものが精算され、立替金が124百万円減少したことによるものです。また、当事業年度末における固定資産は207百万円となり、前事業年度末に比べ97百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産の減損により同資産が102百万円減少したことによるものです。
上記の結果として、総資産は1,673百万円となり、前事業年度末に比べ54百万円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は858百万円となり、前事業年度末に比べ523百万円増加いたしました。これは主に、銀行借入の実施によって短期借入金が572百万円増加したことによるものです。また、当事業年度末における固定負債は510百万円となり、前事業年度末に比べ230百万円増加いたしました。これは、銀行借入の実施によって長期借入金が230百万円増加したことによるものです。
上記の結果として、総負債は1,368百万円となり、前事業年度末に比べ754百万円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は304百万円となり、前事業年度末に比べ809百万円減少いたしました。これは主に、2022年8月に開催された臨時株主総会によって減資が決議されたことにより資本金が575百万円減少したこと、また当事業年度における当期純損失の計上及び欠損補填により利益剰余金が177百万円減少したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は894百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、558百万円(前事業年度は439百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失857百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、8百万円(前事業年度は61百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、832百万円(前事業年度は671百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加572百万円及び長期借入による収入300百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前事業年度比(%) |
FRM(千円) |
1,246,062 |
89.1 |
広告コンテンツ(千円) |
469,358 |
86.9 |
合計(千円) |
1,715,420 |
88.5 |
(注)1.当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社EPARKグルメ |
446,132 |
23.0 |
375,136 |
21.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「⑦経営成績の分析」、「(1)②財政状態の状況」、「(1)③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における資金需要は、主として運転資金であります。運転資金の需要のうち主なものは、業容拡大のための営業人員の人件費、サービス品質のさらなる向上のための開発人員の人件費及び有料店舗数増加のための販売代理店に対する販売手数料であります。この財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう、適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先としております。具体的には、何らかの理由により売上債権の入金が滞った場合でも取引先に対する支払に遅れが発生せず、かつ、必要に応じて金融機関からの資金調達を実行するまでの間、事業運営に支障が出ない水準の預金残高を維持しております。
④継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (5)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、当該事象を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。
⑤目標とする経営指標
当社の目標とする経営指標は、FRMにおける有料店舗数であります。
(FRMにおけるお店会員(固定)プランの有料店舗数)
お店会員(固定)プランの有料店舗数は、当事業年度末時点において前事業年度末から1,429件減少し、6,921店舗(前事業年度末比82.9%)となりました。一方で今後については従前相対的に解約率の高かったプランの販売比率を落としながら代理店チャネルを中心とした営業人員数を拡大させていくことでCOVID-19の影響によって減少した有料店舗数の回復を目指してまいります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑧経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は1,715百万円(前事業年度比11.5%減)となりました。FRMについては緊急事態宣言及びまん防の発令によって飲食店の販促意欲が低下したことでお店会員(固定)プランの有料店舗数が減少したこと等により、同サービスにかかる売上高が前事業年度と比較して減少しております。また、広告コンテンツについては2020年4月に発令された第1回目の緊急事態宣言以降、広告単価の下落による影響が引き続き生じております。また、月間利用者数についても緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の影響により減少傾向となっている為、結果として売上高が前事業年度比で減少しております。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度における売上原価は809百万円(前事業年度比19.4%増)となりました。これは主に、開発体制の拡充を目的としたエンジニアの採用による人件費増加によるものです。
上記の結果として、当事業年度における売上総利益は905百万円(前事業年度比28.1%減)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損失)
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,657百万円(前事業年度比7.4%増)となりました。これは主に、営業体制の拡充を目的とした当社営業人員採用による人件費の増加によるものです。
上記の結果として、当事業年度における営業損失は751百万円(前事業年度は283百万円の営業損失)となり、赤字となりました。
(営業外収益・営業外費用・経常損失)
当事業年度における営業外収益は営業外収益6百万円(前事業年度比208.5%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス特別貸付に係る利子補給金によるものです。
当事業年度における営業外費用は10百万円(前事業年度比86.7%減)となりました。これは主に、前事業年度計上した株式会社ジンユウへの貸付金に対する貸倒引当金繰入額の反動によるものです。
上記の結果として、当事業年度における経常損失は755百万円(前事業年度は356百万円の経常損失)となりました。
(当期純損失)
上記のとおり、経常損失755百万円及び固定資産の減損損失102百万円の計上により、当事業年度における当期純損失は859百万円(前事業年度は358百万円の当期純損失)となりました。
お知らせ