課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、従来『 MISSION IS TO MAKE YOU “LAUGH OUT LOUD”~たのしいコミュニケーションを創る。~ 』という経営理念のもとに設立し、人々に寄り添うサービスを創造し続けることを通じて、持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上に努めてまいりました。一方、当社グループをとりまくインターネット業界の経営環境は常に変化を続けており、「デジタルサービス、テクノロジーを通じて、人々の生活、人生をより豊かにできる事業を展開していきたい」という想いから経営理念を改定いたしました。

 

① 経営理念

『 Digital Well-Being 』

 

② Vision

人々の心を豊かにするサービスを創造し続ける。

 

③ Shared Value(価値観)

人々がワクワクするサービスを提供するために、挑戦を続けるために、まずは私たちがワクワクしながら働くことを大切にします。また、革新的な発想を生み出すために、常識や形式にとらわれることなく、個性や自由を尊重して、私たちらしく活動します。

 

当社グループは、経営理念である『Digital Well-Being』を、「デジタルを通して得られる安らぎ」と定義し、人々の寂しさに寄り添うサービスを展開しております。「楽しむ(Enjoy)」「繋げる(Connect)」「体験する(Experience)」という価値観のもと、既存事業の拡大と新規事業開発を取り組んでまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の最大化のための経営指標として、営業利益およびEBITDAを重視して事業運営を行っております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループが事業展開するインターネット広告市場においては、新型コロナウイルスの影響を受けたものの成長を続け、マスコミ四媒体広告費に匹敵する2.2兆円規模の市場となりました。インターネット広告費のうち、インターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告が前年比21.3%増の3,862億円と大きく伸長し、全体で5.6%増の1兆7,567億円となっております(注)。また、当社グループはインターネットを介したサービスの提供が中心であるため、新型コロナウイルス感染拡大の影響は軽微であります。一方で、新型コロナウイルスによる社会の混乱、ライフスタイルの変化等の環境変化にはいち早く対応していく必要があると考えております。

このような経営環境の中、当社グループは、主力事業であるインターネットメディア事業における海外向けのハイパーカジュアルゲームアプリへの取り組みと、株式会社ティファレトが運営する電話占い「カリス」を中心としたプラットフォーム事業を成長ドライバーと位置付けております。

インターネットメディア事業につきましては、短時間の操作で遊ぶことができるカジュアルゲームアプリと、シンプル操作で言語の壁がないハイパーカジュアルゲームアプリをこれまで4,000タイトルに渡りリリースしてまいりました。今後も広告配信方法の改善を継続し、運用本数の増加に努めていくとともに、米国を中心としたグローバル展開を推進してまいります。

プラットフォーム事業につきましては、株式会社ティファレトが運営する電話占い「カリス」による安定した収益を確保しつつ、カリスの運営で培った新規ユーザーの獲得手法、アドバイザーの採用・育成・マネジメント手法を活用して、新規事業の創出を積極的に行ってまいります。またシステム面の技術革新として、オンライン鑑定の開発も進めており、既存の技術のDX化にも取り組んでおります。

このように、当社グループの強みとしているマーケティングノウハウを活用し、「既存事業の強化」と「新たな収益の柱の構築」をすることで、当社グループの持続的成長による企業価値向上を行ってまいります。また、これまでに培った経営・投資におけるナレッジを最大限活用し、戦略投資・M&Aも積極的に行い、事業ポートフォリオを拡充してまいります。

 

出所(注)株式会社電通「2020年 日本の広告費」

株式会社D2C、株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社電通及び株式会社電通デジタル「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

 

(4)会社の対処すべき課題
① 中長期的に成長可能な事業の確立

経営理念を実現し、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を実現するためには、グループ企業各社に対するマネジメントを適切に実行し、グループ企業各社との連携を強化することで各事業の競争力を強化していくことが重要であると考えております。また、グループ経営資源の有効活用とグループシナジーの最大化を図り、中長期的に成長可能な事業の確立に取り組んでまいります。

 

② 海外における事業展開の強化

当社グループが収益規模の拡大を目指すにあたり、国内市場だけではなく、海外市場にも積極的に事業の展開を行っていくことが重要であると考えております。主力事業であるインターネットメディア事業のハイパーカジュアルゲームアプリについては、主要な市場は米国を中心とする海外になります。ハイパーカジュアルゲームアプリは、言語に依存せず直感操作で手軽に遊べることが特徴であり、当社グループは全世界に向けたサービスの開発、提供を推進してまいります。

 

③ 事業ポートフォリオの拡充

当社グループは、特定の事業領域に偏ることのない事業ポートフォリオの形成が重要であると考えております。インターネットメディア事業におきましては、ハイパーカジュアルゲームアプリへの取り組みを積極的に推進し、新規事業ではスキルオン事業においてインフルエンサーが課金ビジネスを展開するためのサービスを開始し、また、2021年4月に株式会社ティファレトを買収したことでプラットフォーム事業を新規セグメントとして追加し、事業領域の拡大に努めてまいりました。このように既存事業の事業領域を拡大していくとともに、新規事業への取り組みを強化することやM&Aを実施することで、さらなる成長を図ってまいります。

 

④ 優秀な人材の確保と育成

他社との競争に負けない独自性のあるサービス提供を行い、新しい収益基盤の構築を通じた事業ポートフォリオの拡充を目指すためには、専門性に優れた優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。人員計画に基づく採用活動に当たっては、当社グループの経営理念に賛同し、ともに成長しようという意欲と行動力のある人材の確保に努めてまいります。また、社内教育制度の充実を図り、社員の成長をサポートする体制を強化してまいります。

 

⑤ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化

中長期的な企業価値の向上と持続的な成長の実現に向けて、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制のさらなる強化が重要であると考えております。経営の健全性、公正性の観点から、コーポレート・ガバナンスの実効性を強化するために、内部管理と、コンプライアンス体制充実・強化を図ってまいります。

 

⑥ 新技術の活用

当社グループが属するスマートフォン向けゲーム業界を含むインターネット業界は、技術革新が絶え間なく行われております。最近ではAIやAR・VRといった仮想現実サービス等が開発されており、このような環境のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、様々な新技術に適切に対応していくことが必要不可欠であると考えております。適切なリソース配分のもと、技術研究活動を行い、新技術を活用できる人材獲得・育成に努めてまいります。

 

⑦ M&Aへの対応

当社グループはデジタル領域における事業ポートフォリオの拡充を行っていく上で、M&Aの機会があった場合には、既存事業とのシナジーを考慮した上で、ターゲット企業に対して事業の評価を行い、企業価値の向上に資するM&A戦略を推進してまいります。また、買収後には、ガバナンス強化を行い早期にグループシナジーが実現できる体制を図ってまいります。

 

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