(1)経営成績等の状況の概要
当社は、2021年4月1日に単独株式移転により株式会社アクトコールの完全親会社として設立されました。従いまして、当社の第1期事業年度は2021年4月1日から2021年9月30日までになりますが、当連結会計年度は株式会社アクトコールの連結財務諸表を引き継いで作成しておりますので2020年10月1日から2021年9月30日までとなります。
そのため、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社アクトコールの第17期連結会計年度末(2020年9月30日)と比較しております。
ただし、株式会社アクトコールの前連結会計年度は、2019年12月から2020年9月までの10カ月の変則決算のため、当連結会計年度(2020年10月1日から2021年9月30日まで)と前連結会計年度との比較は行っておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年10月1日から2021年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況が続いているものの、ワクチン接種による新規感染者数の減少等により9月末に緊急事態宣言が解除されるなど、活動制限の緩和による経済活動の正常化に向けた動きが見られてまいりました。
しかしながら、新たな変異株の発生等による緊急事態宣言の再発出に起因する景気の下振れリスクは依然として無くならない状況にあり、予断を許さない状況は続いております。
このような状況のもと、当社グループは、リモートでの営業や応答率改善に向けたコールセンターの運営強化等により、主力事業である住生活関連総合アウトソーシング事業、決済ソリューション事業に当社グループの経営資源を集中させてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、10,662百万円となり、株式会社アクトコールの前連結会計年度末に比べ1,128百万円増加いたしました。これは主に、立替金が810百万円、未収還付法人税等が553百万円それぞれ増加したものの未収入金が174百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、2,548百万円となり、株式会社アクトコールの前連結会計年度末に比べ2,089百万円減少いたしました。これは主に、前受収益が563百万円、預り金が432百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が576百万円、買掛金が139百万円、その他流動負債が271百万円、それぞれ減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、8,113百万円となり、株式会社アクトコールの前連結会計年度末に比べ3,218百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金が3,178百万円増加したことによるものです。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高5,012百万円、営業利益579百万円、経常利益559百万円、株式交換に伴う関係会社株式交換益2,817百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益3,178百万円となりました。
各セグメントの状況は、次のとおりであります。
(住生活関連総合アウトソーシング事業)
住生活関連総合アウトソーシング事業においては、緊急駆けつけ等会員制サービス、コールセンターサービス
その他住生活に関わるサービスの開発、提供を行っております。
当社グループが市場とする不動産賃貸業界において“働き方改革”にはじまる企業の業務効率化やアウトソーシング需要が高まっていることにより、当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により営業活動が制限される中、不動産業界向けの緊急駆けつけ等会員制サービスにおける新規獲得は堅調に推移いたしました。
一方で、コールセンターサービスの応答率の向上のための施策としてコールセンター外注費等を増加したため、売上原価は増加いたしました。
この結果、当連結会計年度末時点の累計有効会員数は、前連結会計年度末より増加し630千人となり、当連結会計年度における売上高は3,537百万円、営業利益は115百万円となりました。
(決済ソリューション事業)
決済ソリューション事業においては、不動産賃貸管理会社、不動産オーナー向けに、家賃の概算払いと出納業務を組み合わせた家賃収納代行サービス等を提供しております。
前連結会計年度に続き、コロナウイルス感染症の拡大の影響がある中、リモートでの営業の強化や家賃保証会社との連携強化等により、積極的に不動産会社へのアプローチを行いました。
また、住宅購入希望者の年収や勤務形態により住宅ローンの返済能力をスコアリングする新たなDXサービス「インサイトスコア」の提供を開始しました。
この結果、売上高は1,475百万円、営業利益は603百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は2,299百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,382百万円の支出となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益3,372万円、関係会社株式交換益△2,817百万円、その他の資産の増加△852百万円、その他の負債の減少△358百万円、法人税等の支払額△793百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、68百万円の支出となりました。これは、主に固定資産の取得による支出が△77百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、166百万円の支出となりました。これは、主に
自己株式の取得による支出が△99百万円、社債の償還による支出が△60百万円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、該当事項はありません。
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(千円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
前年同期比(%) |
住生活関連総合アウトソーシング事業 |
3,537,017 |
- |
決済ソリューション事業 |
1,475,101 |
- |
合計 |
5,012,119 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の主なサービス区分別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.前連結会計年度は決算期の変更に伴い10ヶ月決算となっておりますので、前年同期比については記載しておりません。
セグメント及びサービス名称 |
当連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
会員制サービス |
2,414,869 |
48.2 |
コールセンターサービス |
863,648 |
17.2 |
|
その他 |
258,500 |
5.2 |
|
住生活関連総合アウトソーシング事業計 |
3,537,017 |
70.6 |
|
決済ソリューション事業 |
家賃等収納代行 |
1,475,101 |
29.4 |
総合計 |
|
5,012,119 |
100.0 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
(ⅰ)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は10,662百万円となり、株式会社アクトコールの第17期連結会計年度末(2020年9月30日)に比べ1,128百万円増加いたしました。これは主に、立替金が810百万円、未収還付法人税等が553百万円それぞれ増加したものの未収入金が174百万円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は2,548百万円となり、株式会社アクトコールの第17期連結会計年度末(2020年9月30日)に比べ2,089百万円減少いたしました。これは主に、2021年9月30日付の株式交換により株式会社アクトコール及び株式会社TSUNAGUが連結の範囲から除かれたことにより、前受収益が563百万円、預り金が432百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が576百万円、買掛金が139百万円、その他流動負債が271百万円、それぞれ減少したことによるものです。
(純資産の部)
純資産につきましては、8,113百万円となり、株式会社アクトコールの第17期連結会計年度末(2020年9月30日)に比べ3,218百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金が3,178百万円増加したことによるものです。
(ⅱ)経営成績の分析
(売上高)
住生活関連総合アウトソーシング事業の緊急駆けつけサービスの会員数、決済ソリューション事業における取扱件数が堅調に推移し、売上高は5,012百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、3,186百万円となり、住生活総合アウトソーシング事業におけるコールセンター人件費及び外注費の増加に伴い、売上原価率は63.6%となりました。
売上総利益は、1,826百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,246百万円となりました。販売費及び一般管理費の主な費目は給料388百万円、支払手数料92百万円となります。その結果、営業利益は579百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は投資株式に係る受取配当金56百万円等があり、59百万円となりました。営業外費用は、支払利息29百万円、支払手数料45百万円等があり、80百万円となりました。その結果、経常利益は559百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別利益は、関係会社株式交換益2,817百万円、投資有価証券売却益14百万円等を計上し2,841百万円となり、特別損失は、減損損失15百万円、固定資産除却損9百万円等があり28百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は3,372百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益の増加等により、親会社株主に帰属する当期純利益は3,178百万円となりました。
(ⅲ)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ.目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり「売上高」と「経常利益」を重視しております。
決算期変更(11月30日から9月30日へ変更)に伴い、株式会社アクトコール第17期連結会計年度は10カ月の変則決算となっているため、成長率につきましては、記載をしておりません。
また、当社グループが設定し、2020年11月11日に業績予想として公表した期初経営成績目標とその達成状況は以下の通りとなります。
当連結会計年度 (2021年9月期) |
売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
1株当たり当期純利益(円) |
経営成績目標 |
4,892 |
787 |
709 |
446 |
39.68 |
実績値 |
5,012 |
579 |
559 |
3,178 |
282.74 |
達成率(%) |
102.4 |
73.6 |
78.8 |
711.9 |
712.5 |
ニ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の需要のうち主なものは、決済ソリューション事業における家賃収納代行サービスにかかる概算払い資金と売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、システム開発等設備投資、投資有価証券等の取得によるものであります。
決済ソリューション事業における概算払い資金は金融機関からの借入を基本としており、決済ソリューション事業を営む株式会社インサイトは株式会社りそな銀行と、債権流動化極度額6,000百万円及び2,500百万円のコミットメントライン契約を締結しております。また、当社グループは金融機関との間で総額5,500百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約(前述の2,500百万円を含む)を締結しております。それ以外の短期運転資金は自己資金を基本としております。
また、設備投資等の調達につきましても、自己資金からの充当を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入れを実施いたします。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は2,299百万円となっております。
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