課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 「道を表し示す灯になりたい」

 

 当社の歴史は、地図・案内サインにその源流があります。

 駅の利用者・街の生活者の利便性・快適さそして豊かさを追求するため、地域の企業・事業主等のクライアント

の皆様とともに考え、歩んできました。

 当社は、総合広告代理業として、広告を単なる商業広告として捉えず、地域社会のインフォメーション発信・コミュニケーション媒体として考えています。そして企業・事業主等クライアントの皆様のビジネスパートナーとして、地域社会に役立つ・生活者を豊かにする、情報・メッセージをクリエイトし発信します。

 一方、これまでの経験や実績を生かし、地図上の図形に模様を入れることにより色弱者の方が地図を認識できるようにした、色弱者の方への色覚バリアフリーマップを開発しました。このマップは、国土交通省による平成19年度[バリアフリー整備ガイドライン]に、色覚障がい者に配慮した地図の手本として掲載され、現在も継承されています。また、災害時の避難誘導マップ、地域の特性が分かりやすいイラストマップや鳥瞰図(パノラマ図)を採用した観光マップを作成する等、社会のインフラ整備にもお役に立ちたいと考えています。更にはインターネットを最大限活用すべく開発部署を立ち上げ、この理念を将来に亘って追求してゆくことといたしました。

 それが皆様に喜んでいただく、社会に貢献するための当社の使命だと信じています。

 ナビタとメディアとサイン、私たちの全ての事業を通して誓います。

 いつの時代にも「道を表し示す灯になりたい」

 灯を目指し続ける企業。私たちは表示灯です。

 

(2)経営戦略等

①新規媒体の開発

 Web広告の強化を含め開発部門は2本部制にしております。インフラ開発本部は、「鉄道・神社・空港等を担当するステーションインフラ開発部」、「自治体・市民センター・医療施設等を担当するシティイノベーション事業部」、「Web関連事業を担当するスマートビジネス推進事業部」、「まちづくり推進事業部」、「安全対策室」の5部室、公共ナビタ事業本部は、「交番・運転免許センター等」の新規媒体開発を担当し、それぞれの担当組織が専門業種に特化した開発営業活動を行うことで早期の媒体開発を図ります。当社の成長は駅・自治体庁舎に比する新たなプラットフォームに対する広告媒体設置拡大によるところが大きくなります。特に、以下のプラットフォームへの拡大に注力します。

・メディカルナビタの拡大

 大学病院等の特定機能病院や公立病院等の地域医療支援病院、200床以上の病床数を持つ病院の内、当該病院のHPあるいは当該病院の館内の登録医一覧等で確認した、おおむね100以上の登録医・提携医療機関を持つ754病院をターゲットとして2017年より本格的に設置を進めています。既に198病院(2022年3月31日現在)に設置済みです。

・神社ナビタの拡大

 参拝者数が多くその一部は観光名所にもなっている183神社・仏閣を開発ターゲットとして、2018年より本格的にデジタルサイネージ設置を進めています。既に89神社・仏閣(2022年3月31日現在)に設置済みです。

 

②ナビタのデジタルサイネージ(電子看板)化・既存ナビタの更新

 今後のインバウンド旅行者数の回復も見据え、ナビタ利用者の利便性を図るために、ナビタのデジタルサイネージ化の推進を行います。また、既存のナビタのデジタルサイネージ化をはじめとした、設置場所の移設や筐体の更新などにより、媒体価値を向上させ売上拡大にも結び付けます。

 

③制作関連のコストダウン

 最近の筐体は広告掲出面にモニターを使用するデジタルサイネージが多く、1機当たりの製造コストも従来に対して高額となるため、生産本部は、営業部門、開発部門と連携し、コストパフォーマンスを高める研究を行います。また新筐体の開発も含め、ナビタ関連製品の生産性向上に重点的に取組みます。

 

④DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化・生産性の向上

 既存業務の自動化、デジタル管理の活用等により営業社員の非生産的業務をDX化し、生産的業務時間の拡充をはかります。また、DXを積極的に取り込むことにより、業務効率が向上し事業拡大における収益につなげたいと考えております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では売上収益、営業利益を重要な指標と考え、目標管理しております。当社の主力事業であるナビタ事業とアド・プロモーション事業は、契約期間が複数月に亘ることから、社内での目標管理の徹底を図るため、財務会計ベースの月次計画と併せて管理会計ベースの目標設定も行い、全社、全部門への周知を行っています。毎月開催する経営会議、取締役会においても財務会計ベースの月次利益計画と併せて管理会計ベースの目標の単月、累計の利益計画の進捗度合いの報告、分析を行います。管理会計ベースの利益計画においては、売上内容をナビタの種類別、事業所別に分析することにより実態の把握をし易くしており、各事業所への指導にも使用されております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社は、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主やその他ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底しております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もある中、当社が当面対処すべき課題としては下記の7点があります。

①Web商品の強化、開発

 ナビタ事業においても、デジタルサイネージ導入による多言語化(英語、中国語、韓国語等)、サービスの高機能化(動画による伝達情報量の拡大)、競争力の強化が必要と考え対応しております。特に多言語化については、インバウンド回復のタイミングを見据え対応を進めたいと考えております。また、デジタルサイネージ化の流れの延長線上にあるWeb商品への対応も必要不可欠です。当社においてもナビタと連動したe-ナビタから業態に特化した

TAXFREESHOPS.JP、 e-グルメ、目的地までの道案内機能を持つ(ここからGO!)等のサービスを提供しておりますが、Web商品の強化は喫緊の課題と考えております。今年度上期には医療分野におけるWeb商品を開発し、リリースする予定です。今後もWeb関連ビジネスの推進を目的に経験ある人材の登用により体制強化を進めてまいります。

 

②人材の育成

 今後業績を維持、成長させていくためにも人材の採用・育成は不可欠です。営業担当社員への実績管理により教育のみならず、ロールプレイング研修、タブレットを利用した営業ツールの共有、同行営業等を行い、営業力のボトムアップを行います。また、業務管理担当社員に対しては、外部コンサルタントによる研修を含め、各自の業務処理能力に合わせてのスキルアップを行います。

 

③システム強化による効率化の推進

 売上規模拡大、提供サービス増加に伴い管理部門の強化が必要となりますが、システム化等の業務効率化の整備を進めることで、必要人員を検証し適正な人員数を目指しております。そのための基幹システムの改修も計画しております。

 

④ナビタ事業におけるスポンサーへのアド・プロモーション商材の提案営業

 アド・プロモーション事業は、現在も駅構内の看板や車両広告を中心に、全国規模のネットワークや、ナビタ事業におけるスポンサー・自治体とのつながり等、当社独自の強みを生かし事業を進めておりますが、ナビタ事業におけるスポンサーへのアド・プロモーション商材の提案営業に一層注力していきます。今後、複数設置しているナビタ媒体へ一括して広告掲出を行うニーズ等も想定されることから従来の個々の店舗への営業にとどまらず本社向け営業を強化しナショナルクライアント(全国的な知名度、ブランドを持つ企業)の獲得を目指します。

 

⑤ナビタ事業におけるロケーションオーナーへのサイン営業

 サイン事業は、鉄道会社を中心とした受注活動を行っております。ナビタ事業におけるロケーションオーナーである自治体や地域の中核病院向けに施設利用者の利便性向上のみならず、地域の安心安全に資する防災関連等のサイン商材の提案営業に注力していきます。

 

⑥テレワークの推進

 新型コロナウイルスのような感染症の流行・自然災害時においても、事業活動を存続させるためテレワークに対応できる管理体制構築を進めております。VPN環境を設定したノートPCを標準化する等の対応を行い、また、営業活動においてもWeb営業への取り組みを継続し、更なるテレワークの推進を行います。

 

⑦プラットフォームを活かした新規ビジネス

 様々な業種に広がるナビタ事業におけるスポンサーとのネットワークや自治体・病院・鉄道会社等のロケーションオーナーとのネットワークを活かした新しいサービス提供を行うため自社開発にこだわらず様々な企業との業務提携やM&Aも検討して参ります。プラットフォーム内に蓄積された情報をもとに新規ビジネスを創出することで、ライフスタイルナビゲーターとしての役割を担える存在を目指します。

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