研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループでは再生樹脂製造販売事業において、付加価値向上と製品用途の多様化を目的とした再生樹脂の高純度化及び、新規事業分野への進出を目的とした独自のリサイクル技術の開発に関する研究開発を行っております。

 なお、研究開発費については、再生樹脂製造販売事業を中心に当連結会計年度において22,687千円を計上しており、具体的な研究内容は以下のとおりです。

 

(1) 研究開発体制

① 社内における研究体制

 研究開発活動に従事する専門部署として研究開発部を設置し、千葉県八千代市のリファインバース株式会社千葉工場内及び千葉県富津市のリファインバースイノベーションセンターにある研究開発施設にて研究を進めております。

 

② 社外との協力による研究開発体制

 当社にて実施している研究開発に加えて社外の企業と連携することで研究開発から事業化に向けての機能を強化しております。当社で再資源化された様々な素材を実際のユーザーでもある企業に提供することで、品質面やコストの課題を明確にすることや素材の活用方法を共同で検討することなどにより、研究開発の成果としての事業化への実現可能性を高めるための協力体制を築いております。

 

(2) 主要な研究開発テーマと成果

① 素材化技術開発

 複合素材製品を構成素材ごとに分離する技術開発を進めております。当社のこれまでのコア技術である機械的処理では省エネルギー・短プロセスの独自開発技術によりカーペットタイルの再資源化を低コストで処理することを可能としたことで事業が成長してまいりました。

 また、素材の分離精度向上を目的として新たに化学的処理技術の研究開発を進めております。この新たな化学的処理技術により再資源化された素材が高純度化される事で、再生素材製品の高付加価値化が実現できるだけでなく、これまでリサイクルが困難であった廃棄物の再資源化が可能となり、当社の事業領域及び収益の拡大に寄与することとなります。

 直近では、ナイロン樹脂の基となる使用済みの漁網・ロープなどの漁具類や複合素材の自動車用エアバッグを、低コストな機械的処理と化学的処理の組合せにより付加価値の高い素材として再資源化する事ができ、安定的かつ高品質な再生ナイロン樹脂「REAMIDE®」(リアミド)を量産化する事が可能となった結果、本技術を活用したライセンス供与による海外での事業展開が可能となりました。

 このように、低コストな機械的処理と高付加価値な化学的処理の組合せにより、コスト競争力のある素材製造かつ新たな事業領域の拡大が可能となるため、今後も継続して素材化技術開発には積極的な研究開発を継続する予定です。

 

② 調合/成形技術開発

 素材化技術によって構成素材ごとに分離された素材を、製品化するための調合及び成形技術開発を進めております。混合圧縮成形技術では様々な要求品質に応じて微粉体形状の各種原料を調合し、かつ低コストで混合圧縮成形することにより、鉄鋼メーカーで使用されている製鋼副資材の製造を実現いたしました。

 また、ナイロン樹脂のコンパウンド技術についても日東化工社から継承した技術をベースに当社技術として着実に定着させたことで、継続して各種廃棄物から素材化されるナイロン樹脂を高付加価値化するための技術的基盤が構築されております。

 

 これらの新たな技術開発は事業領域の拡大だけでなく既存事業の原価低減にも寄与いたします。以前カーペットタイル再資源化プロセスから産出される繊維部分は、生産数量の約半分は廃棄物燃料用原料として廉価で販売あるいは、当社グループが処分費用を払ってサーマルリサイクル処理委託もしくは最終処分場にて埋め立て処理しておりましたが、現在は、圧縮成形技術により製鋼副資材の原料として活用されるようになりました。

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