1.当社グループの事業目的と事業概要
当社は、従来の廃棄物処理モデルの変革を進め、新しい産業を創出することで社会の持続的発展に寄与することを目的に設立いたしました。当社グループは、素材再生企業として独自技術によるユニークなビジネスモデルでマテリアルサイクルを実現して参りましたが、資源循環において新たな付加価値を創造するSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)に挑戦し、グループ企業の総力を結集して社会の持続的発展に寄与して参ります。
・当社グループの事業目的のイメージ図
当社は、主に廃棄物の再資源化を行う子会社の株式を保有することにより、当該会社の事業活動を管理し、その経営の支援や指導を行うことを事業としております。
当社グループは、連結子会社3社(リファインバース株式会社、株式会社ジーエムエス、リファインマテリアル株式会社)で構成されており、事業区分は再生樹脂製造販売事業並びに産業廃棄物処理事業となっております。主な事業内容と当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。
[再生樹脂製造販売事業]
再生樹脂製造販売事業は、リファインバース株式会社及びリファインマテリアル株式会社が行っており、同事業においては、リファインバース株式会社設立当初から使用済みカーペットタイルの再資源化に着目し、廃棄されたカーペットタイルに対して同社独自技術により再生処理を行い再度カーペットタイルの製造に利用できる合成樹脂製品として販売しております。また直近では、カーペットタイルの再資源化により排出されるナイロンを利用して、製鉄所で使用する製鋼副資材を生産、販売する事業や、使用済みの漁網やエアバッグの工場端材を再資源化して、再生ナイロン樹脂製品として販売する事業、廃棄物処理設備の販売や廃棄物処理問題の課題解決に向けたコンサルティングを行うソリューション事業など、再資源化事業における領域の拡大を図っております。
[産業廃棄物処理事業]
産業廃棄物処理事業は、株式会社ジーエムエスが行っており、主として、首都圏で排出される建築系廃棄物の収集運搬・中間処理を行っております。
・概要図
2.各事業の特長
(1) 再生樹脂製造販売事業
再生樹脂製造販売事業は、主として使用済みカーペットタイルを当社グループ独自技術により再生処理を行い合成樹脂製品として販売しておりますが、現在ではカーペットタイルの再生処理のみならず、その他の廃材についても再生処理、販売を開始しております。
以下にリファインバース株式会社及びリファインマテリアル株式会社それぞれが製造する、再生樹脂の製造工程及びその特長について記載します。
(カーペットタイル再生処理の特長)
当事業は、製造業としての側面に加えて産業廃棄物の中間処理事業としての側面も有しております。そのため当事業にかかる売上は、使用済みカーペットタイルの受け入れ時に処理受託料として計上されるもの及び再生樹脂のカーペットタイルメーカー等への販売時に計上されるものがあります。
使用済みカーペットタイルの受け入れに関しては、産業廃棄物処理業者への営業活動を行っております。現時点では最終処分場への処理委託より安価で当社グループが中間処理を受託できている状態にあるため、十分競争力のある状態であると考えております。
再生樹脂の販売についても、オフィスビル運営者等のエコへの取り組みに対する機運の高まり等を背景に、大手カーペットタイルメーカー各社の再生樹脂利用ニーズは高まっております。一部商社経由での販売もあるものの、住江織物株式会社、東リ株式会社、株式会社サンゲツ、株式会社川島織物セルコン等主要なカーペットタイルメーカーの製品原料としての販売を実現しております。
また、同社の再生樹脂は品質の安定したコスト競争力のある汎用樹脂として建築資材や自動車部品などカーペットタイル以外の用途でも積極的に採用されております。
原料調達及び製品販売ともに継続的な取引関係に基づく販売がなされているため、少人数の人員による効率的な販売体制を構築できているものと認識しております。
(製鋼副資材の特長)
リファインマテリアル株式会社での製造工程の最終段階では粉砕した繊維層を比重分離し、樹脂部分と繊維部分に分けております。現在この繊維部分については、生石灰等の無機物と一定割合で調合したものを製鉄製鋼副資材として販売しております。
(再生ナイロン樹脂の特長)
ナイロンリサイクル事業の一環として、リファインバース株式会社一宮工場では使用済みの漁網やエアバッグの工場端材を仕入、加工してリサイクルナイロン製品として販売しております。
(製造会社別の製造工程の特長)
製品名 |
製造会社 |
製造工程 |
製造工程の特長 |
リファインパウダー |
リファインバース株式会社 |
回収した使用済みカーペットタイルの樹脂部分と繊維部分を当社独自の切削技術により分離すると共に樹脂部分を粉体化 |
当社グループ独自の技術により、繊維部分が縫い込まれた使用済みカーペットタイルのうち、樹脂純度の高い裏面樹脂層のみを剥離粉体化 |
リファインマテリアル株式会社 |
リファインバース株式会社で再生樹脂製造時に剥離された使用済みカーペットタイルの表面(繊維層)を粉砕後、比重分離することで樹脂部分を取り出すことを中心に実施 |
リファインバース株式会社の再生樹脂並の純度での樹脂採取はできないものの、処分しなければならない廃棄物を削減可能 |
|
製鋼副資材 |
リファインマテリアル株式会社 |
使用済みカーペットタイルの表面(繊維層)を粉砕後生成される繊維くずと、生石灰等の無機物と一定割合で調合しペレット化 |
従来廃棄処分又はサーマルリサイクルしていた繊維部分を再資源化することで廃棄物の削減実施 |
再生ナイロン樹脂 |
リファインバース株式会社 |
使用済み漁網とエアバッグの工場端材を裁断し、熱圧縮によりペレット化 |
ナイロン製の製品を裁断して熱加工し、ペレット化することにより再生原料としての適合範囲が広がり、付加価値を高められる。 |
(2) 産業廃棄物処理事業
主に首都圏において排出される産業廃棄物を対象とし、廃棄物を収集及び中間処理工場へ運搬する「収集運搬」業務、自社中間処理工場へ搬入された廃棄物を品目別に適切に選別し、異物除去、破砕、圧縮等の処理を行う「中間処理」業務を行っております。
・産業廃棄物の処理フローと株式会社ジーエムエスの業務範囲
産業廃棄物処理事業における主要な施設及び当該施設での業務内容は以下のとおりであります。
施設名称 |
施設所在地 |
施設の特長 |
業務内容 |
リファイン1 |
東京都葛飾区 |
東京都内で城東地域に位置することから、都心及び副都心地域はもとより、近接する埼玉県からの搬入・搬出において交通の利便性を有しています。 |
中間処理(破砕) |
TACS3 |
東京都大田区 |
東京都内で城南地域に位置しており、都心及び副都心地域をはじめ、近接する神奈川県からの搬入において交通の利便性を有しています。また、葛飾区の同社中間処理施設「リファイン1」との位置関係より、東京都心部全域での産業廃棄物の受入が可能となっております。 また、TACS3は工業専用地域に設置されており、24時間操業が可能となっており、処理量の面での優位性を有しております。 |
中間処理(破砕、圧縮梱包) |
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
[事業系統図]
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