当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
以下の当社グループの連結経営成績等は、単独株式移転により完全子会社となった十六銀行の連結経営成績等を引き継いで作成しております。
なお、当社は2021年10月1日に設立されましたので、前連結会計年度との対比については記載しておりません。
当連結会計年度のわが国経済は、前期に続いて新型コロナウイルス感染症の拡大に翻弄され、厳しい状況が続きました。4月以降の第4波においては、個人消費がサービス支出を中心に弱い動きとなりましたが、世界経済の回復に伴う輸出の増加により、企業部門の生産や設備投資が持ち直し、国内経済を下支えしました。デルタ株を中心とする国内新規感染者数が当時の最大を記録した夏場の第5波においては、個人消費が低迷したことに加え、年初から続く世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染症の拡大が続いた東南アジアからの部品供給不足により、自動車産業の生産活動が弱まり、増勢傾向にあった輸出も勢いが鈍化しました。
第5波の緊急事態宣言が解除された秋以降も、個人消費は勢いを欠き、需要回復が鈍いなか、原油価格の上昇や円安による輸入価格の上昇が加速し、資源・原材料価格の高騰が企業収益を圧迫しました。さらに、欧米より1か月ほど遅れて拡大した感染力の強いオミクロン株は、年明け以降に第6波となって爆発的な感染拡大をもたらし、社会・経済活動は2か月半にわたり再び大きな制約を受けました。また、2月にはロシアがウクライナに侵攻し、地政学リスクが高まるとともに、ロシアに対する各国の経済制裁を受けて、原油、天然ガス、小麦などの資源・商品市況の高騰に拍車がかかり、世界経済の先行きに不透明感が高まりました。
当社グループの主要な営業基盤である岐阜・愛知両県におきましても、相次ぐ緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用を受け、個人消費は飲食・宿泊サービスなどで下押し圧力の強い状態が続きました。企業部門においても、9月に生じた大手自動車メーカーの大幅な減産やその後も続いた生産計画の下方修正などにより、当地域に集積する自動車関連企業の生産や輸出は足踏み状態が続いたほか、資源・原材料価格の高騰が企業収益に影響を与えました。
こうした状況のなか、当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
当連結会計年度末の連結財政状態につきましては、総資産は8兆3,753億32百万円となり、負債は7兆9,727億27百万円となりました。また、純資産は4,026億4百万円となりました。
主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金含む)は6兆2,392億91百万円、貸出金は4兆5,218億24百万円、有価証券は1兆4,592億22百万円となりました。
<経営成績>
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
銀行業におきましては、経常収益は866億89百万円、経常費用は597億48百万円となり、セグメント利益(経常利益)は269億40百万円となりました。
リース業におきましては、経常収益は281億70百万円、経常費用は262億12百万円となり、セグメント利益(経常利益)は19億57百万円となりました。
金融商品取引業、クレジットカード業等のその他におきましては、経常収益は112億70百万円、経常費用は70億22百万円となり、セグメント利益(経常利益)は42億48百万円となりました。
この結果、グループ全体での当連結会計年度の経常収益は1,173億50百万円、経常費用は905億51百万円となり、経常利益は267億98百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は171億91百万円となりました。
〔キャッシュ・フローの状況〕
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の増加などにより1兆1,241億75百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却などにより827億1百万円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより71億16百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度中に1兆1,997億68百万円増加し2兆1,306億86百万円となりました。
資金運用収支は543億70百万円、役務取引等収支は171億10百万円、その他業務収支は△40億50百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、当社及び連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額等であります。
資金運用勘定の平均残高は7兆3,549億47百万円となり、資金運用利回りは0.74%となりました。資金調達勘定の平均残高は7兆6,358億8百万円となり、資金調達利回りは0.00%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び十六銀行以外の連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高421,961百万円を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高7,000百万円をそれぞれ控除して表示しております。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び十六銀行以外の連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国際業務部門」とは、当社及び連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高61百万円を控除して表示しております。
(注) 1 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高422,022百万円を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高7,000百万円をそれぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は228億68百万円となり、役務取引等費用は57億58百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、当社及び連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、当社及び連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
(注) 「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
該当事項はありません。
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、当社及び連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用し、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、十六銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
十六銀行(単体)の資産の査定の額
〔生産、受注及び販売の状況〕
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当社は2021年10月1日設立のため、前連結会計年度の連結計数はありませんが、十六銀行を親会社とする旧組織の連結計数と比較しております。
〔連結損益状況〕
(注) 1 連結コア業務粗利益=資金利益+役務取引等利益+その他業務利益(除く国債等債券損益)
2 連結コア業務純益=連結コア業務粗利益-経費(除く臨時処理分)
3 連結実質業務純益=連結コア業務純益+国債等債券損益
〔連結コア業務粗利益〕
連結コア業務粗利益は、資金利益、役務取引等利益、その他業務利益(除く国債等債券損益)すべてが増加し、前連結会計年度比69億75百万円増加の782億65百万円となりました。
資金利益は、前連結会計年度比38億31百万円増加の543億70百万円となりました。増加した主な要因は、有価証券利息配当金が増加したことなどによるものであります。
役務取引等利益は、前連結会計年度比15億19百万円増加の171億10百万円となりました。増加した主な要因は、投資信託・保険等の窓口販売業務、金融商品仲介業務に積極的に取り組んだ結果、預り資産関連手数料が増加したことなどによるものであります。
その他業務利益(除く国債等債券損益)は、前連結会計年度比16億25百万円増加の67億85百万円となりました。増加した主な要因は、デリバティブ等の法人ソリューション業務に積極的に取り組んだ結果、外国為替売買損益が増加したことなどによるものであります。
〔連結コア業務純益〕
経費(除く臨時処理分)は、前連結会計年度比13億36百万円減少の460億80百万円となりました。減少した主な要因は、営業店事務の本部集中施策をDXの取り組みなどにより一層推進してきたことや、少人数での営業店運営を可能にするチーム制の運用が定着してきたことなどで人員の自然減にあわせて人件費が減少したことなどによるものであります。
この結果、連結コア業務純益は、前連結会計年度比83億11百万円増加の321億84百万円となりました。
〔経常利益〕
国債等債券損益は、前連結会計年度比108億73百万円減少の△108億36百万円となりました。減少した主な要因は米国の金利上昇を受けて米国債の残高を減少させた結果、国債等債券売却損が増加したことなどによるものであります。
与信関係費用は、前連結会計年度比13億98百万円減少の28億93百万円となりました。減少した主な要因は、会計上の見積りの変更により一般貸倒引当金繰入額が増加したものの、お取引先の本業支援に積極的に取り組んだ結果、不良債権処理額が減少したことなどによるものであります。
株式等関係損益は、前連結会計年度比19億72百万円増加の65億31百万円となりました。増加した主な要因は、米国等の金利動向を捉えた機動的な運用により、株式等売却益が増加したことなどによるものであります。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度比21億90百万円増加の267億98百万円となりました。
〔親会社株主に帰属する当期純利益〕
特別損益は、前連結会計年度において計上した減損損失が剥落したことなどにより、前連結会計年度比19億30百万円増加の△1億53百万円となりました。また、法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が増加したことなどから、前連結会計年度比17億88百万円増加の89億57百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比24億69百万円増加の171億91百万円となりました。
② 財政状態の分析
〔預金等(譲渡性預金を含む)〕
預金等残高(譲渡性預金含む)につきましては、個人預金の増加を主因として、前連結会計年度末比1,387億18百万円増加の6兆2,392億91百万円となりました。
(注) 「法人預金その他」とは、法人預金、公金預金、金融機関預金の合計であります。
〔貸出金〕
貸出金残高につきましては、コロナ禍における地域のお客さまの資金繰り相談などに積極的にお応えしたことや、住宅ローンを中心とした個人ローンの取組みなどにより、前連結会計年度末比406億75百万円増加の4兆5,218億24百万円となりました。
〔有価証券〕
有価証券残高につきましては、米国債を中心に売却を行ったことなどにより、前連結会計年度末比993億77百万円減少の1兆4,592億22百万円となりました。
(注) 「その他」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
〔不良債権〕
当連結会計年度末の銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権額は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が減少したことなどにより、前連結会計年度末比2億67百万円減少の713億81百万円となりました。
銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権
〔連結自己資本比率(国内基準)〕
当連結会計年度末の連結自己資本比率は、内部留保の蓄積などから自己資本が増加したことなどにより、前連結会計年度末比0.59ポイント上昇の10.52%となりました。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「(キャッシュ・フローの状況)」における記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、成長分野への投資・新規事業への参入をはじめ、設備投資や株主還元等の支出については、自己資金での対応を基本としております。また、貸出金や有価証券での運用については、顧客からの預金にて大部分を調達するとともに、必要に応じて、日銀借入金等により調達を行っております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達方法等については、「第3 設備の状況」中、「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
〔貸倒引当金〕
連結子会社の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、債務者区分に応じて必要と認める額を以下のとおり計上しております。
貸倒引当金の計上方法は、「第5 経理の状況」中、「1連結財務諸表等」の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (5) 貸倒引当金の計上基準」に記載しております。
また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況」中、「1連結財務諸表等」の「(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の経営者は、貸倒引当金の計上にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は適切に計上されていると判断しております。
⑤ 目標とする経営指標についての分析
目標とする経営指標についての分析につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
お知らせ