課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社及び連結子会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社は、2021年10月1日に、株式会社十六銀行(以下「十六銀行」という。)の単独株式移転により設立されました。

当社グループは、グループ経営理念を以下のとおりとし、新たなグループ経営体制のもと、グループの総合力を発揮し、お客さまや地域の課題解決に取り組むことで、地域の持続的な成長に貢献してまいります。

〔グループ経営理念〕

「グループ経営理念」は、十六銀行の基本理念を受け継ぎ、十六フィナンシャルグループにおける基本的な精神として、全役職員の活動のよりどころとするものであり、「私たちの使命」、「私たちのめざす姿」、「私たちの価値観」で構成しております。また、これを実践していくための役職員の具体的な行動を「私たちの行動基軸」としております。

なお、経営環境に関する現状認識については、「(4) 対処すべき課題」に記載しております。


 

(2) 中長期的な経営戦略

当社グループは、2021年10月よりスタートさせた「第1次経営計画」(計画期間:2021年10月~2023年3月)において、グループ全役職員の意識改革・行動改革をはかるとともに、十六銀行の厚い顧客基盤や情報、ネットワークを最大限に活用し、3つの経営戦略「マーケットインアプローチ戦略」、「DX戦略」、「地域コミット戦略」に取り組み、グループシナジーを最大化することで、「ともに地域の未来を創造し、ともに持続的な成長を遂げる総合金融グループ」を目指してまいります。

 

<経営戦略>

〇マーケットインアプローチ戦略 ~課題解決力のさらなる発揮~

マーケットインの発想をもとに、グループの経営資源を結集しコンサルティング機能を発揮するとともに、課題解決に向けた多様なソリューションを提供することで、お客さまや地域との共通価値を創造してまいります。

 

〇DX戦略 ~快適性・生産性の向上~

グループ内外のアライアンス等によりデジタル技術やデータを利活用し、お客さまへのアプローチを行うとともに、業務のデジタル化の加速により活動時間を創出することで、役職員の付加価値の高い活動につなげてまいります。

 

〇地域コミット戦略 ~地域のトータルデザイン~

持続可能な社会の実現に向けて、グループ全役職員によるSDGs・地域創生への取組みを深化させるとともに、事業領域の拡大により営業基盤である岐阜県・愛知県の地域活性化のための中心的役割を発揮してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

① 中長期的な経営目標

当社は、2021年10月よりスタートさせた「第1次経営計画」(計画期間:2021年10月~2023年3月)では、2022年度において、以下の計数目標を設定し、これらに全力で取り組んでおります。グループシナジーを最大限に発揮するなかで、健全性、効率性の向上に努めるとともに、預貸金ビジネス以外の拡大により、収益性を高めてまいります。

<目標とする経営指標及び2021年度の実績>

<計数目標2022年度>

項 目

目 標

2021年度実績

連結当期純利益

160億円以上

171億円

連結自己資本比率

10%以上

10.52%

連結修正OHR

65%以下

58.87%

連結非金利収益比率※

30%以上

30.53%

 

※連結ベースにおける「コア業務粗利益」のうち、「役務取引等利益」及び「国債等債券損益を除いたその他業務利益」が占める割合。

<長期的に目指す指標>

項 目

指 標

2021年度実績

連結ROE

5%以上

4.36%

 

 

 

② 第1次経営計画の達成状況

2021年度は、連結当期純利益について、2022年度の160億円以上の目標に対し171億円、連結自己資本比率について、10%以上の目標に対し10.52%、連結修正OHRについて、65%以下の目標に対し58.87%、連結非金利収益比率について、30%以上の目標に対して30.53%の実績となりました。

また、長期的に目指す指標である連結ROEについては、5%以上とする目標に対し2021年度は4.36%の実績となりました。

グループの総合力を発揮するなか、お取引先の資金繰り支援や本業支援をはじめとしたコロナ禍における幅広い支援、付加価値の高いコンサルティング活動、生産性の向上と成長分野への経営資源の投下など、経営戦略を着実に遂行したことが実績につながっていると考えており、今後も目標とする経営指標の達成に向けて、第1次経営計画の諸施策に取り組んでまいります。

 

 


 

(4) 対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症は未だ収束に至っておらず、感染拡大の防止に向けて様々な活動が制約を受け、その影響は広範かつ長期にわたっております。また、先行きについては、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。

さらには、地域経済は、人口減少や高齢化の進行と産業構造の変化や事業承継・後継者問題を背景とする企業数の減少により、将来的な市場規模の縮小が懸念されております。

こうした環境のもとで、当社グループがこれからも地域にあり続け、地域とともに成長していくためには、当社グループが地域とひとつになり、主体的に貢献する意欲と姿勢をもって行動することが求められています。従来からの資金繰り支援に加え、グループの経営資源を結集してコンサルティング機能を発揮するとともに、課題解決に向けた多様なソリューションを提供することで、地域の持続的な成長に貢献してまいります。

また、当社グループは、2021年10月から「第1次経営計画」をスタートさせました。

本計画にて掲げる「事業領域の拡大」と「多様化するニーズへの対応」を成長ドライバーとする3つの経営戦略を実践していくことで、「ともに地域の未来を創造し、ともに持続的な成長を遂げる総合金融グループ」を目指してまいります。

第1次経営計画とともに「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」を制定、2022年4月には「サステナビリティ統括室」と、取締役社長を議長とする「サステナビリティ会議」を設置しました。同会議は原則として3か月に1回以上開催し、気候変動をはじめとするサステナビリティに関する重要事項について議論しております。また、その内容については、取締役会へ年1回以上定期的に報告を行い、適切に監督される体制を整備するなど、サステナビリティを巡る課題へ適切に対応することでその取り組みを充実させ、持続可能な社会の実現を目指しております。

当社グループは、グループ経営理念に掲げる、「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」を果たしつつ、企業価値の向上をはかることで、お客さま、株主のみなさまをはじめとする全てのステークホルダーの方々のご期待にお応えしてまいります。

 

 

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