業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、複数の都道府県に緊急事態宣言が出されるなど経済活動に制約がありましたが、秋頃から感染者数が減少したことにより、景気回復の兆しが見えたものの、先行きは依然として不透明な状況が続きました。

建設業界におきましては、新設住宅着工戸数や首都圏のマンション総販売戸数においては、持ち直しの動きがみられており、公共投資においては、高水準で底堅く推移いたしました。一方で、世界各国での生産活動の再開やエネルギー価格の上昇を背景として、あらゆる原材料価格が高騰した影響により、建設資材価格も高止まりし、建設需要が圧迫されるなど厳しい経営環境が続いております。

このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、グループ一体経営を標榜し、「内装建材事業」、「エクステリア事業」、「住環境関連事業」の三本の事業セグメントを軸に多角的な事業展開によるグループ成長に取り組んで参りました。昨年から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び長期化により、上半期においては、全国的に建設需要が低調に推移いたしましたが、秋口からは荷動きが活発化し、物流施設及び店舗関連の出店状況も回復基調が鮮明となり、内装建材事業において、前期比で増収増益となりました。エクステリア事業及び住環境関連事業においても、リフォーム需要の増加や大型工事案件の受注により、前期比で増収増益となりました。また、初穂商事グループの利益面におきましては、仕入価格相場に対応した価格改定の影響が想定より順調に進んだことや配送体制の見直し等によるコストの低減が増益に寄与し、営業外収益に保険解約益を計上したことにより、前期比において増益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、299億9百万円(前期比2.9%増)、営業利益7億63百万円(前期比49.7%増)、経常利益9億38百万円(前期比49.3%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は5億1百万円(前期比131.7%増)となり、連結グループ経営を開始してから過去最高の売上高と利益を更新いたしました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(内装建材事業)

内装建材事業は、売上高は131億93百万円(前期比1.0%増)、営業利益は5億16百万円(前期比20.0%増)となりました。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による経済への影響により、上半期においては、荷動きが鈍い状態が続き、過去に経験したことが無い水準で国際的な鋼材価格が継続的に高騰するなど、厳しい経営環境が続きました。下半期においては、秋口以降に荷動きが活発化したことや仕入価格相場に対応した適正な販売価格の維持及び配送体制の見直しによるコストの低減により、前期比において増収増益となりました。

(エクステリア事業)

エクステリア事業は、売上高は121億64百万円(前期比2.7%増)、営業利益は5億19百万円(前期比18.7%増)となりました。当連結会計年度においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられ、リフォーム需要も堅調に推移し、営業面において販売店向けのキャンペーン実施により安定した業績で推移したことで、前期比において増収増益となりました。

(住環境関連事業)

住環境関連事業は、売上高は45億73百万円(前期比9.5%増)、営業利益は1億92百万円(前期比67.2%増)となりました。当連結会計年度においては、外装板金工事の大型案件の受注や生産活動の再開により需要に持ち直しの動きがみられたことにより、前期比において増収増益となりました。

 

② 財政状態の状況

資産・負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産合計は、189億68百万円で前連結会計年度末に比べ8億99百万円の増加となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ11億31百万円増加し、134億18百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が7億88百万円、電子記録債権が1億25百万円、商品が3億49百万円増加し、受取手形及び売掛金が94百万円、流動資産のその他が41百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億31百万円減少し、55億50百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が36百万円、機械装置及び運搬具が15百万円、顧客関連資産が53百万円、保険積立金が1億64百万円減少し、投資有価証券が16百万円、繰延税金資産が12百万円増加したことによるものであります。

負債合計は、110億8百万円で前連結会計年度末に比べ4億12百万円の増加となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ9億49百万円増加し、98億71百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が7億27百万円、未払法人税等が3億17百万円、流動負債のその他が48百万円増加し、電子記録債務が1億42百万円、1年内返済予定の長期借入金が12百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ5億36百万円減少し、11億36百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が4億87百万円、繰延税金負債が76百万円減少し、役員退職慰労引当金が26百万円増加したことによるものであります。

純資産合計は、79億59百万円で前連結会計年度末に比べ4億86百万円の増加となりました。この主な要因は、配当金の支払及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が4億11百万円、非支配株主持分が67百万円増加したことによるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ7億90百万円増加し、当連結会計年度末には49億97百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、12億17百万円(前期は1億31百万円の使用)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益9億38百万円、減価償却費99百万円、顧客関連資産償却額53百万円、仕入債務の増加5億82百万円、その他による増加40百万円、法人税等の還付額53百万円の一方で、保険解約益55百万円、売上債権の増加28百万円、たな卸資産の増加3億54百万円、法人税等の支払額1億40百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、2億1百万円(前期は82百万円の獲得)となりました。

これは主に、定期預金の払戻による収入4億32百万円、保険積立金の解約による収入2億67百万円の一方で、定期預金の預入による支出4億30百万円、有形固定資産の取得による支出27百万円、保険積立金の積立による支出43百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、6億27百万円(前期は4億85百万円の使用)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出4億99百万円、配当金の支払額90百万円、非支配株主への配当金の支払額34百万円などによるものであります。

 

(2) 仕入及び販売の実績

① 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

内装関連事業

(千円)

11,235,425

2.7

エクステリア事業

(千円)

10,174,929

2.6

住環境関連事業

(千円)

3,857,554

12.4

合計

(千円)

25,267,909

4.0

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 金額は、仕入価格によっております。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

② 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

内装関連事業

(千円)

13,193,294

1.1

エクステリア事業

(千円)

12,143,266

2.7

住環境関連事業

(千円)

4,573,071

9.5

合計

(千円)

29,909,632

2.9

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の業績につきましては、売上高299億9百万円(前期比2.9%増)、営業利益7億63百万円(前期比49.7%増)、経常利益9億38百万円(前期比49.3%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は5億1百万円(前期比131.7%増)で増収増益となりました。

当社グループは経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)及び売上高経常利益率を重視しておりますが、資本効率性指標であるROE(自己資本当期純利益率)においては、前期比4.0ポイント上昇し7.3%となりました。また、収益性指標である売上高経常利益率については前期比1.0ポイント上昇し3.2%となりました。これは主に、当期においては、過去に経験した事が無い水準で国際的な鋼材価格が継続的に高騰する一年となりましたが、仕入価格相場に対応した価格改定の影響が想定より順調に進んだ事や配送体制の見直し等によるコストの低減が増益に寄与し、営業外収益に保険解約益55百万円を計上したことにより、利益率を押し上げる要因となりました。

当連結会計年度の経営成績等の状況につきましては、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要に記載したとおりであります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要は、主に商品仕入、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フローであり、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を行っております。なお、当連結会計年度末における借入金の残高は13億90百万円となっております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況に記載したとおりであります。

なお、直近5連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標の推移は、次のとおりであります。

 

第60期

第61期

第62期

第63期

第64期

自己資本比率(%)

32.2

36.6

37.1

時価ベースの自己資本比率(%)

13.8

16.2

14.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

544.4

115.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

126.5

271.0

※ 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

3.第62期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。

4.第63期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得