課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、常にお客様の立場から、建設資材の専門商社として「建築資材の取扱いを通して、より快適な夢と希望あふれる社会づくりに貢献する」事を基本理念としております。

この基本理念のもと、内装建材事業・エクステリア事業・住環境関連事業を通して、より快適な夢と希望あふれる社会づくりに貢献するとともに、企業価値の更なる向上を図り、株主・取引先・社員など、会社の幅広い利害関係者の信頼と期待に応えていく事を基本方針としております。

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、内装建材事業、エクステリア事業、住環境関連事業の三本の事業の柱により多角的な成長を続け、建設セグメントのビジネスに特化した建設資材商社の№1を目指して参ります。そして、プロフェッショナル集団となる人材を育成する事で、「100年企業」へ向けて、持続的に成長して参ります。

当社グループにおける、各事業の中長期的な経営戦略は下記のとおりです。

内装建材事業

首都圏及び大阪都市圏を中心に新拠点を開設すると共に、市場規模が縮小する地方都市においては、ダウンサイジングも含めたエリア再編により、効率的な資本の投下を目指します。また、従来取扱高が少なかったシステム天井や床工事用の建設資材といった取り扱い商品の多様化により、市場占有率を高めて参ります。

エクステリア事業

取扱高の増加に比例して、利益率が向上する事業特性があるため、スケールメリットを追求して参ります。子会社の株式会社アイシンが管轄する関西エリアを主要な商圏としておりますが、今後は未出店エリアへの積極的な展開を進めて参ります。

住環境関連事業

中部地区を中心に既存の販売網を継続発展させると共に、営業本部主導で今後成長が期待されるエコ関連商品の比重を高めて参ります。当社グループの現状の売上に占める割合は高くないものの、省エネルギー商品や環境安全性の高い商品ニーズは従来以上に高まる事が予想されます。成長性の高い商品群の取り扱いを増やす事で、市場の需要を取り込んで参ります。

上記の経営戦略を実現するために、当社グループが取り組む具体的な行動目標として、①グループシナジー効果の最大化、②人材の育成と確保、③グループガバナンスの向上を実行して参ります。

①グループシナジー効果の最大化

全国展開している内装建材事業と関西地区を中心とするエクステリア事業で、販売拠点・物流拠点を共有化する事で、事業展開のスピード向上と業務効率化を図ります。また、業務提携しているグループ会社間で、各得意分野のノウハウの共有や人事交流により、それぞれの強みが相乗効果を生むようにして参ります。

②人材の育成と確保

有給休暇取得の積極的な推奨やフレックスタイムといった柔軟な働き方の本格導入による労務環境の向上、優秀な若手社員のチャレンジ登用、社内教育制度を充実する事で、優秀な人材の確保及び育成に取り組んで参ります。

③グループガバナンスの向上

グループガバナンスの整備及び運用を目的としたグループ内部統制基本方針の制定等、当社グループは各種ガバナンスやコンプライアンス規定を整備し、運用を実施しております。子会社への役員派遣等を通じて、継続的に経営状態をモニタリングすると共に、適切な指導・助言により、企業集団としての意思統一を図り、共通の経営目標に向かって参ります。

 

(3) 経営環境

当社グループは少子高齢化、グローバル化、情報化が進むわが国において、国内市場のみで事業展開しており、オフィスビルや商業施設、マンション建設や個別住宅等の民間設備投資をメインターゲットとしております。

民間設備投資の建築需要は、少子高齢化に起因する新築住宅数の漸減、大都市圏への人口集中と地方都市経済の空洞化の影響により、依然として大都市圏に建築需要が集中しておりますが、リモートワークの定着や新しい生活様式の浸透により大都市圏近郊の住宅が脚光を浴び、都市部のオフィスや商業施設の建設需要が減退傾向へと変化する経営環境におかれております。

成熟化した国内の建築市場で活動する当社グループにおいては、成長性に制約を受ける一方で、建設業は各種工事の工程が細分化され、建設資材の商流も細分化しております。このため、人口構成の変化に起因する建築形態の変遷により建築需要は安定して推移すると共に、多岐多様に渡る裾野が広い建築業においては、隣接する商品群への水平的な成長の余地が残されております。

また、一部工程における職工不足や全体的な職工の高齢化により、職工の不安定な供給体制が顕在化し、新型コロナウイルス感染症の影響によりインターネットを通じた消費活動が促進されたことで物流量が増加しており、ますます国内の物流費用は上昇する局面にあります。さらに、働き方改革に加えコロナ対策で急速に普及したテレワークの導入など急激な労働環境の変化において、業務プロセスの効率化が重要な課題として表面化してきております。

その他、新型コロナウイルス感染症の影響による急激な経済環境の変化によりあらゆる原材料価格が高騰しております。また、信用リスクの遅効的な顕在化が懸念されております。

長期的に漸減する国内の建築需要と、職工不足の常態化や物流コストの上昇、コロナ環境下に適した新しい働き方への対応に課題を抱える状態が、当社グループを取り巻く現在の経営環境であります。

 

(4) 目標とする経営指標

当社グループは、企業価値を向上していくことを経営の目標としております。経営指標といたしましては、企業の付加価値を如何に高めることができるかを重視し、ROE(自己資本当期純利益率)及び売上高経常利益率の上昇を目指して参ります。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2022年度のわが国経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症の蔓延が長期化する中、企業業績や雇用所得環境は最悪期から脱しつつあり、経済活動の制限が緩和される事で、比較的緩やかに景気は回復するものと期待されております。しかしながら、変異ウイルスの感染再拡大の可能性もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループにおきましては、「内装建材事業」、「エクステリア事業」、「住環境関連事業」の三本の事業セグメントを軸に、多角的な事業展開によりグループを成長させていきたいと考えております。

現在、建設資材卸売業に属する当社グループを取り巻く経営環境は、長期的に減少傾向にある国内の建設需要への対応や仕入価格及び物流コストの上昇、新型コロナウイルス感染症の影響による急激な環境変化への対応など、様々な対処すべき課題があります。

これらの課題に対処するため、各事業セグメント間の連携を強化し、販売及び物流拠点の相互利用やグループ内の情報資産を共有化する事で、グループ全体の効率化・合理化を図って参ります。また、賃金水準の底上げや労務環境を改善する事で、継続的に優秀な人材の維持確保に努める方針でおります。

内装建材事業におきましては、鋼材をはじめとした原材料価格の高止まりと断続的な値上がりが続くと想定しておりますが、建設需要は回復基調であるため、仕入価格相場に対応した適正な販売価格の維持を徹底する事で、収益力の向上に取り組んで参ります。また、首都圏に次ぐ一大消費地域である関西方面の販売拠点として、2023年中の大阪営業所の開設計画を進めております。

エクステリア事業におきましては、住宅建設の持ち直しやリフォーム需要が堅調に推移しているものの、巣ごもり消費が一巡した事から、販売店向けキャンペーン等の営業活動の強化により需要の徹底した取り込みを図り、主力メーカー商品の販売を強化して参ります。

住環境関連事業におきましては、新規・既存顧客への営業力強化に努め、中部地域における工事案件の受注増加を図ると共に、サスティナブル社会に順応した新商材の拡販を進めて参ります。

当社グループは、グループ全体でのシナジー効果を発揮するため、内装建材事業及びエクステリア事業、並びに住環境関連事業間の双方向的な流通網を強化すると共に、住環境関連事業の組織再編を行い、より効率的な運営体制を構築する方針でおります。また、2022年4月からの東京証券取引所の市場再編に伴う新スタンダード市場に即した、より高いレベルのガバナンス体制を新たに導入して参ります。連結グループとして、中長期的な視点で事業シナジーの最大化に向け、各種経営資源を有効活用していく所存です。

 

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