業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.  財政状態

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して140億31百万円(13.9%)増加し、1,146億70百万円となりました。これは主に顧客の需要増加による電子部品の販売伸長に伴い、受取手形、売掛金及び契約資産が27億54百万円、商品仕入の増加に伴い商品及び製品が89億59百万円、それぞれ増加したためであります。

 固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して10億36百万円(6.6%)増加し、168億19百万円となりました。これは主に保有株式の株価の上昇により投資有価証券が12億23百万円増加したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して150億68百万円(12.9%)増加し、1,314億90百万円となりました。

 負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して115億25百万円(26.3%)増加し、554億19百万円となりました。これは主に運転資本(商品仕入)の増加に伴い支払手形及び買掛金が50億47百万円、短期借入金が37億10百万円、それぞれ増加したためであります。

 固定負債は前連結会計年度末と比較して1億7百万円(0.7%)減少し、144億1百万円となりました。これは主に長期借入金が1億40百万円減少したためであります。

 以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して114億17百万円(19.5%)増加し、698億21百万円となりました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して36億50百万円(6.3%)増加し、616億68百万円となりました。これは主に利益剰余金が30億41百万円、その他有価証券評価差額金が8億38百万円、為替換算調整勘定が15億70百万円増加したためであります。

 

b.  経営成績

当連結会計年度における世界経済は、各国において新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、行動制限も緩和され、経済社会活動の活性化から本格的な回復への動きも見られましたが、昨年末からは新たな変異株による感染再拡大が懸念されてきております。また、ウクライナをめぐる国際情勢の緊迫や資源価格の高騰などにより、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

我が国経済についても、新型コロナウイルスの感染状況の緩和から個人消費や企業業績が持ち直す傾向もみられますが、原油高による物価上昇や急激な為替の変動など、引き続き不安定な状況にあります。

当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、世界的な半導体や電子部品の需給逼迫によ

るサプライチェーンの混乱や製品価格の値上げによる影響は続いたものの、車載関連機器の伸長や民生・産業機器分野などにおける活発な設備投資により下支えされました。

このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響からの回復により、車載用途ICの販売が大きく増加し、また産業機器や民生機器関連の部品販売も伸長したことにより、対前年同期比で増収となりました。

電子・電気機器事業においては、半導体製造関連の活発な設備投資により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、対前年同期比で増収となりました。

工業薬品事業においては、顧客プラントの稼働率回復から石油・石油化学分野、紙・パルプ分野ともに増収となり、化粧品基剤の販売も伸長したことにより、対前年同期比で増収となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は1,914億95百万円(前年同期比15.8%増)となりました。

 損益面につきましては、連結売上総利益は239億68百万円(同28.4%増)となり、連結販売費及び一般管理費として166億63百万円(同12.2%増)を計上した結果、連結営業利益は73億4百万円(同91.9%増)、連結経常利益は74億11百万円(同105.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は49億70百万円(同62.2%増)となりました。

 また、1株当たり当期純利益は248円48銭となり、前連結会計年度より99円57銭増加いたしました。

 収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は3.8%(前連結会計年度は2.3%)、総資産経常利益率は6.0%(同3.2%)、自己資本当期純利益率は8.3%(同5.5%)となりました。

 

報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。

 

 〔電子部品事業〕

 電子部品事業では、第2四半期まではテレワークや巣ごもり消費の拡大により、PC・タブレット端末向けIC

やコネクタ等一般電子部品が伸長しましたが、その後は鈍化しております。一方、車載用途ICについては、自動

車の生産回復により販売が増加し、民生・産業機器関連分野向けの半導体デバイスおよびLCDパネル等の一般電

子部品の販売も増加しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は1,571億19百万円(前年同期比16.4%増)となり、販売増加に伴う利益額の増加と為替影響による外貨建て輸出取引の収益改善等の要因により、セグメント利益は36億82百万円(同300.4%増)となりました。

 

 〔電子・電気機器事業〕

電子・電気機器事業では、通信インフラ向けの光製品は5G関連設備投資の一巡により減少しましたが、半導体関連の設備投資の活発化によりプリント基板製造装置や真空機器の販売が伸長しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は216億9百万円(前年同期比13.6%増)となり、収益性の高い自社ブランド商品の販売増加等により、セグメント利益は21億4百万円(同18.9%増)となりました。

 

 〔工業薬品事業〕

工業薬品事業では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた石油精製、石油化学及び製紙業界において、顧客プラントの稼働率回復から工程添加剤の販売が伸長しました。また化粧品基剤の販売も堅調に推移したことにより、対前年同期比で増収となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は123億円(前年同期比12.2%増)となり、収益性の高い化粧品基剤の販売伸長等により、セグメント利益は13億37百万円(同50.1%増)となりました。

 

 〔その他の事業〕

その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託と太陽光発電事業を行っております。当連結会計年度の売上高は11億67百万円(前年同期比2.3%減)、セグメント利益は2億13百万円(同3.5%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは8億72百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは5億27百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは3億79百万円の支出、現金及び現金同等物に係る換算差額が7億87百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して7億53百万円増加し、当連結会計年度末は186億20百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権や棚卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、売上債権の増加額47億63百万円、棚卸資産の増加額84億98百万円等の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益72億60百万円、仕入債務の増加額41億69百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは8億72百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には棚卸資産の減少額44億31百万円等により74億18百万円の収入となっておりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出4億22百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは5億27百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には投資有価証券の売却による収入8億51百万円等により、6億1百万円の収入となっておりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、短期借入による収入(純)29億円等がありましたが、自己株式の取得による支出20億80百万円、配当金の支払額19億29百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは3億79百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には短期借入金の返済による支出(純)55億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは52億80百万円の支出となっておりました。

 

 

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

自己資本比率

63.2%

62.2%

48.2%

49.8%

46.9%

時価ベースの自己資本比率

38.4%

27.5%

17.7%

22.6%

36.6%

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率

395.7%

3,796.7%

インタレスト・カバレッジ・レシオ

46.4倍

5.8倍

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

         5.2018年、2019年、2020年のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。

 

 

③半導体不足の当社グループへの影響

 新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、車載用途を始めとして通信・民生・産業機器など多くの分野において世界的な半導体不足が深刻化しております。当社グループにおいても、前連結会計年度第4四半期(2021年1月~3月)より顧客企業からの発注量が急増し、仕入先からの供給量を大幅に上回る状況が続いております。

 当社グループでは、取引先との納期調整を図りながらサプライチェーンの確保に尽力しておりますが、原材料価格の高騰による製品の値上げ、需給の逼迫によるリードタイムの長期化、及び顧客企業における生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.  生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

1,675

149.6

工業薬品事業     (百万円)

8,151

119.2

  合計     (百万円)

9,827

131.4

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.  商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

151,754

126.1

電子・電気機器事業  (百万円)

14,795

119.4

工業薬品事業     (百万円)

8,264

114.3

  合計      (百万円)

174,814

124.9

 (注)セグメント内の内部取引を相殺消去しております。

 

c.  受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電子部品事業(百万円)

221,138

152.1

118,673

217.1

電子・電気機器事業(百万円)

27,527

129.3

14,147

171.9

工業薬品事業(百万円)

12,406

110.9

1,131

110.3

その他の事業(百万円)

1,167

97.7

   合計

262,239

146.4

133,952

209.6

 (注)1.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

    2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

 

d.  販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

前年同期比(%)

電子部品事業     (百万円)

157,119

116.4

電子・電気機器事業  (百万円)

21,609

113.6

工業薬品事業     (百万円)

12,300

112.2

その他の事業     (百万円)

1,167

97.7

  合計      (百万円)

192,196

115.7

 (注)1.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。

    2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

       3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(2020年4月1日から

2021年3月31日まで)

当連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社デンソー

18,126

10.9

19,794

10.3

パナソニック株式会社

14,389

8.7

19,305

10.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

 当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、環境の変化に即して事業構造を変革し、これまで培われてきた強みを活かしつつ、顧客企業と共に新しい価値を創造できる特色ある技術商社とケミカルメーカーを目指す必要があるとの考えにより、2021年4月に中期経営計画「Change & Co-Create 2024」を策定・公表し、2024年度の定量目標(連結営業利益50億円以上、連結営業利益率3.0%以上、ROE6.0%以上)の達成及び2025年度以降も安定的に営業利益50億円以上を計上できる企業体質の確立に向けて、以下の通り取り組んでおります。

 電子部品事業においては、業務の効率化と収益性の高いビジネスへの販売強化による収益性の改善、部門を横断した情報・技術の連携による新規顧客開拓、営業体制の見直しによる海外販売の強化等を進めております。

 電気・電子機器事業においては、新商品や自社製品の販売比率の向上、独自の技術、装置、販路の強化を進めております。

 工業薬品事業においては、技術強化や製品開発力の向上による事業領域の拡大、海外の販路・製造・サービス機能の強化による海外事業展開及び化粧品原料ビジネスの強化を進めております。

 これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して260億82百万円(15.8%)増加し、1,914億95百万円と過去最高となりました。これは主に電子部品事業において、車載用途ICの販売が大きく増加し、また産業機器や民生機器関連の部品販売も伸長したことにより、同セグメントの売上高が221億69百万円増加したためであります。

 売上総利益は、前連結会計年度と比較して53億6百万円(28.4%)増加し、239億68百万円となりました。これは主に電子部品事業の売上高の増加と為替影響による外貨建て輸出取引の収益改善に伴うものですが、電子・電気機器事業における自社ブランド商品や工業薬品事業における化粧品基剤等、収益性が高い商製品群の販売伸長も増加の一因となっております。また、売上総利益率は12.5%となり、前連結会計年度より1.2ポイント改善いたしました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して18億8百万円(12.2%)増加し、166億63百万円となりました。これは主に人件費が11億67百万円増加したことによります。

 営業利益は、前述の通り販売費及び一般管理費が増加したものの、その増加以上に売上総利益が増加したため、前連結会計年度と比較して34億98百万円(91.9%)増加し、73億4百万円と過去最高となりました。また、営業利益率は3.8%となり、前連結会計年度より1.5ポイント改善いたしました。

 営業外収益は、為替差益73百万円を計上したこと等により前連結会計年度と比較して1億15百万円増加し3億59百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度で2億26百万円計上した為替差損がなかったこと等により前連結会計年度と比較して1億93百万円減少し2億53百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して38億7百万円(105.7%)増加し、74億11百万円となりました。

 特別利益は、前連結会計年度で8億3百万円計上した投資有価証券売却益がなかったこと等により前連結会計年度と比較して8億円減少し2百万円となり、特別損失は、減損損失の計上1億29百万円等により前連結会計年度と比較して1億43百万円増加し1億53百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比較して28億62百万円(65.1%)増加し、72億60百万円となりました。

 法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税26億62百万円を計上したこと等により、22億90百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して19億5百万円(62.2%)増加し、49億70百万円となりました。

 また自己資本当期純利益率(ROE)は8.3%となり、前連結会計年度より2.8ポイント改善しました。

 

 当連結会計年度は、中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の初年度でありましたが、2024年度の定量目標(連結営業利益50億円以上、連結営業利益率3.0%以上、ROE6.0%以上)を全て達成しました。これは本計画を着実に進めている成果が出ている一方で、旺盛な半導体需要や広い分野での活発な設備投資、連結会計年度を通じて続いた円安の影響といった外部環境が利益面にプラスの影響を与えた結果でもあります。2025年度以降も安定的に連結営業利益50億円以上を計上できる企業体質の確立に向けて、引き続き本計画を着実に遂行してまいります。

 

b.  資本の財源及び資金の流動性についての分析

 商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びに棚卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。

 当連結会計年度末における棚卸資産は前連結会計年度末と比較して90億84百万円(28.2%)増加し、412億63百万円となりました。これは顧客需要の増加に伴う商品仕入れの増加により、商品及び製品が89億59百万円増加したためであります。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して61億20百万円(13.9%)増加し、500億99百万円となりましたが、これも主に顧客需要の増加に伴う電子部品の販売伸長による増加であります。

 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して37億75百万円(12.9%)増加し、331億35百万円となりました。これは主に、売上債権と棚卸資産の増加に伴う運転資本の増加によるものです。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して7億53百万円(4.2%)増加し、186億20百万円となり、手元流動性比率は約1.2ヶ月となりました。

 内部留保につきましては、M&A等戦略的投資や事業効率化投資などの中長期的な成長や高い投資効率が期待できる投資などに優先的に充当してまいりますが、2021年4月に公表した中期経営計画「Change & Co-Create 2024」においては、株主の皆様への利益還元と資本効率の改善を事業上及び財務上の重要課題と位置づけ、「総還元性向100%」を目標とした株主還元を実施することを基本方針としております。

 配当につきましては、1株当たり年間160円の配当(連結配当性向64.4%)を実施しており、18億円の自己株式の取得と合わせて、総還元性向は100.2%となりました。

 

c.  経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

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