当社グループにおける研究開発活動は工業薬品事業が行っております。当連結会計年度における活動状況は以下のとおりであります。
(1)方針および目的
当社グループは、石油・石油化学工業、紙・パルプ工業、自動車産業などの各種産業プロセスにおける生産性向上と、省資源、省エネルギー、環境改善を目的とするスペシャリティーケミカルを提供しております。また化粧品分野においては、オリジナル化粧品原料であるアルカシーランの販売、アルカシーランをベースにしたODMビジネス、及び自社ブランド化粧品「TAEKO」の開発販売を行っております。
近年、自動車低燃費化や電力燃料転換などの構造的な変化を受け、国内の石油需要は減少を続けており、石油・石油化学産業では業界再編や生産拠点統合といった大きな変化が生じています。また、紙・パルプ産業においても、板紙や家庭紙需要は堅調なものの、新聞や印刷情報用紙等の情報媒体としての紙需要は減少を続けております。一方、環境意識の高まりや持続可能社会に向けた循環型素材の開発など、新たな製品開発ニーズも生まれてきております。
このような環境下において、工業薬品分野では、新しく生まれる顧客のニーズに応える新製品開発に注力するとともに、当社の強みである合成技術や分析技術を他業界に応用展開するための研究開発活動を行っております。また、化粧品分野では、化粧品原料の「TAEKO」をライフスタイルブランドとするべく、発酵技術による「人と環境に優しい製品」の開発に取り組んでおります。
(2)主な研究・技術開発の内容
①工業用薬品関連
石油・石油化学産業向け新規薬品として、モノマープラントの汚れ防止処理プログラムの開発を進めております。前連結会計年度に開発した石油精製装置及び重質油処理装置用の汚れ防止剤についても実機検証が順調に推移しており、優れた効果が認められております。また、紙・パルプ分野においては、環境配慮木材使用時の樹脂汚れ防止剤などの開発に取り組んでおります。
②化粧品関連
化粧品分野においては、技術力と製品開発力を高めることにより、製品の品質改善と訴求力の向上に努めております。具体的には、サンスクリーン、スキンローション等の製品改良や、美白効果を実感できるスキンケア処方の開発などを行っております。
③新規分野開発
新規分野向け薬品として、建築材料の軽量化に繋がる嵩高剤、排水COD低減技術などの開発を進めております。いずれも、持続可能社会実現に寄与する技術であり、実用化に向けて研究開発活動を加速するとともに、適用先を拡大するべく製品ラインナップの充実化を図ります。また、化粧品原料のアルカシーランを利用した新たな処方ラインアップの拡充などにも取り組んでいきます。
(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は工業薬品事業において
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