業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は377億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億37百万円減少しました。当連結会計年度末の負債合計は61億34百万円となり、前連結会計年度末に比べて66百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は316億22百万円となり、前連結会計年度末に比べて6億3百万円減少しました。

 

b.経営成績

 連結売上高は480億63百万円(前年同期比2.0%増)、連結営業利益は44百万円(前年同期比83.9%減)、連結経常利益は3億80百万円(前年同期比31.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は86百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億31百万円)となりました。

 

②経営者の視点による経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は377億56百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億37百万円減少しました。流動資産は191億54百万円となり、9億50百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が15億93百万円減少し、売上債権が4億71百万円増加したことによるものであります。固定資産は186億1百万円となり、4億13百万円増加しました。主な要因は、のれんで3億98百万円増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末における負債合計は61億34百万円となり、前連結会計年度末に比べて66百万円増加しました。

 当連結会計年度末における純資産合計は316億22百万円となり、6億3百万円減少しました。主な要因は、利益剰余金が4億52百万円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.4ポイント低下し83.6%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」)による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出と解除により、経済活動も停滞と回復が繰り返し起こりました。緊急事態宣言解除後の10月以降に一時は持ち直しの兆しを見せましたが、1月後半にはオミクロン株感染者の急速な増加によって、再度まん延防止等重点措置が発出され、回復にブレーキがかかりました。当社グループが属する業界においては、世界的な環境問題への意識高揚による脱プラスチック化など事業環境の変化に加え、インターネット通販市場やテイクアウト・フードデリバリー需要の拡大といった消費行動も引き続き大きく変化しています。

 このような状況のもとで、当社グループは、2026年3月期までの5年間を対象とした中期経営計画を2021年11月に開示しております。その中で、シモジマグループの長期ビジョンを「“パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指す」と定め、1.事業の拡大、2.経営基盤の強化、3.経営体制の強化を長期方針とし、計画に則った活動を開始いたしました。

(販売部門別活動の状況)

 当社は、営業販売部門、店舗販売部門、通信販売部門の3つのルートを有しています。

 営業販売部門では、既製品の主力商品や環境配慮型商品の拡販に加え、特注品の受注活動に注力いたしました。上半期は新型コロナの影響で伸び悩みましたが、下半期は経済活動の回復により通期では売上は増加いたしました。

 店舗販売部門では、テイクアウト・フードデリバリー資材が好調に推移しました。しかしながら、新型コロナの影響による来店客数の減少や前期旺盛だった衛生用品の需要減退により全体の売上は減少いたしました。

 通信販売部門では、「シモジマオンラインショップ」において、会員数が順調に増加したことと、飲食店向け資材が好調に推移したことにより売上は増加いたしました。また、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング等への掲載数を増加させました。

 その結果、グループ全体の売上は前年同期比で増加いたしました。

 

 利益面では、原材料価格の高騰に加え、急速に円安が進んだことの影響で粗利率が低下し売上総利益が減少しました。また、経費においても、引き続き物流費増加の影響を大きく受け、販売費及び一般管理費が増加したことで営業利益及び経常利益は前期実績を下回る結果となりました。

 この結果、連結売上高は480億63百万円(前年同期比2.0%増)、連結営業利益は44百万円(前年同期比83.9%減)、連結経常利益は3億80百万円(前年同期比31.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は86百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億31百万円)となりました。

 

c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について

 当社は2021年11月に、2026年3月期までの5年間を対象とした中期経営計画を策定し、開示を行いました。中期経営計画では、2026年3月期の目標として、売上高を650億円、営業利益率を3.0%、ROA(総資産経常利益率)を5.0%と設定しています。

 

③仕入及び販売の実績

a.商品・原材料仕入実績

当連結会計年度の商品・原材料仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

紙製品(百万円)

5,236

113.5

化成品・包装資材(百万円)

13,222

82.3

店舗用品(百万円)

9,224

96.4

その他(百万円)

合計(百万円)

27,683

91.5

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

紙製品(百万円)

9,030

108.7

化成品・包装資材(百万円)

26,948

105.5

店舗用品(百万円)

12,084

91.2

その他(百万円)

合計(百万円)

48,063

102.0

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(セグメント別活動の状況)

 当社事業は主に紙製品事業、化成品・包装資材事業、店舗用品事業の3つのセグメントで構成されています。

〔紙製品事業〕

 紙製品事業は、当社創業以来の主力事業としてオリジナルブランドの紙袋、包装紙、紙器を中心に販売しております。経済活動の需要回復により、店舗用紙袋やテイクアウト・フードデリバリー資材、通販資材などが好調に推移し、紙製品全体の売上は大きく増加しました。その結果、連結売上高は90億30百万円(前年同期比8.7%増)となりました。

〔化成品・包装資材事業〕

 中核の化成品・包装資材事業においては、市場と顧客ニーズに適合した商品開発とその拡販に取組みました。化成品事業は、レジ袋有料化による影響が一巡し、経済活動の回復もあり売上は順調に推移しました。包装資材事業は食品流通業界向けの環境配慮型商品の販売が前期に引き続き好調でした。その結果、連結売上高は269億48百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

〔店舗用品事業〕

 店舗用品事業は「店舗及びオフィスで使用するあらゆるものが揃う」をコンセプトに事業展開しております。当期は新型コロナ感染防止対策商品や飲食業向け資材に新たな需要が創出されました。しかしながら、前期需要が旺盛であった衛生用品の売上が大幅に減少したことにより、連結売上高は120億84百万円(前年同期比8.8%減)となりました。

 

(今後の見通し)

 今後の見通しにつきましては、新型コロナの脅威は、いまだに日本経済に影を落としておりますが、その影響は最悪の状況は脱し、過去2年よりは幾分軽減されていくと想定されます。制限はあるものの各種イベントが開催されるなど、ウィズコロナ社会が定着していくものと思われます。イベントが開催されることは、制限が付いているにしても当社にとって明るい材料と捉えることができます。

 しかし、コロナ禍における供給制約により原材料価格が高まっている中で、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことで、原油価格の騰勢に拍車がかかりました。また、その煽りを受けて物流費も上昇しています。さらに為替市場では、円安が急速に進行したことも相まって化成品を中心とした仕入コストが大幅に上昇いたしました。これらの要因は当社グループの業績に大きな影響を及ぼしています。

 当社グループの取扱商品には、テイクアウト・フードデリバリー資材や、通販資材、衛生用品などコロナ禍となって以降に需要が急拡大した商品も多数含まれており、このような時代のニーズにあった商品の開発・販売強化をこれまで以上に努めてまいります。

 物流費の高騰に対しては、積極的な投資によって得られる物流システムの効率化で対処してまいります。また、原材料価格の高騰に対しては、調達チャネルを増やし、仕入コストの抑制に努めます。為替市場は円安傾向から緩やかに円高に進むと想定しております。但し、企業努力だけで吸収しきれない分については市場の動向を慎重に見極めながら販売価格への転嫁も検討してまいります。

 次期につきましては、連結売上高507億円(前期比5.5%増)、連結営業利益3億60百万円(前期比713.2%増)、連結経常利益6億70百万円(前期比76.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億円(前期比364.9%増)を見込んでおります。

 新型コロナによる当社グループの影響につきましては、過去2年の経験からその対応力は強まっており、新型コロナの感染状況自体が広がりを見せたとしても、当社における影響はこれまでに比べ小さくなると想定しています。

 以上のように、当社は引き続き中期経営計画を実行し、事業の拡大、経営基盤の強化及び経営体制の強化を図り、業績の拡大とともに、コーポレートガバナンスに則った経営をさらに促進してまいります。

※詳しくは当社中期経営計画をご確認下さい。

https://www.shimojima.co.jp/ir/medium_long.html

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況並びに当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

①キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは4億30百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益で2億59百万円、減価償却費の計上で8億45百万円の資金の増加と、売上債権の増加で3億95百万円、棚卸資産の増加で1億24百万円及び法人税等の支払いで1億6百万円の資金の減少によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは13億76百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出で4億69百万円、無形固定資産の取得による支出で5億57百万円、連結子会社の取得による支出で4億49百万円の資金の減少によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは6億47百万円の減少となりました。これは主に、配当金の支払いで5億11百万円の資金の減少によるものであります。

 この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は58億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億93百万円減少しました。

 

②資金需要

 当社グループは、厳しい経営環境の中、多様化するお客様のニーズに応えるため、積極的に店舗、生産設備、物流及びITへの投資を推進してまいります。

 

③資金財源

 当社グループは、営業販売、店舗販売及び通信販売を基軸として多種多様な販売チャネルでの売上により、安定的に資金を確保することができます。特に、当社グループは、オリジナルブランド商品を持つ強みと直営店舗による小売販売で比較的高い粗利益率を確保しております。営業キャッシュ・フローにおいても毎年安定した資金を生み出しており、基本的には中長期的にも概ね自己資金で充足できるものと判断しておりますが、海外仕入商品については、為替の変動及び原材料価格の変動により継続して大きな打撃を受ける場合があり、外部調達の検討も考えております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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