当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご確認ください。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末より2億13百万円減少し、89億38百万円となりました。
当事業年度末の流動資産は前事業年度末より2億42百万円増加し、56億5百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が57百万円減少し、商品及び製品が2億12百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定資産は前事業年度末より4億56百万円減少し、33億32百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が4億11百万円減少したことによるものであります。
当事業年度末の流動負債は前事業年度末より51百万円増加し、21億96百万円となりました。主な要因は、返金負債が17百万円、契約負債が34百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定負債は前事業年度末より2億45百万円減少し、14億16百万円となりました。主な要因は、長期借入金が2億円減少したことによるものであります。
当事業年度末の純資産は前事業年度末より18百万円減少し、53億25百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が9百万円、その他有価証券評価差額金が8百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は前事業年度末58.4%から59.6%となりました。
当期の国内景気は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言(以下、緊急事態宣言等)の発出等の影響により厳しい環境が続いていますが、企業収益や個人消費等は徐々に持ち直しの動きが見えてきました。しかしながら、最近の外国為替相場の変動やウクライナ情勢が及ぼす世界的な影響が見通し難く、諸原材料価格の高騰や供給面における制約懸念もあり、景気の先行きは不透明感が増大してきました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ハウスオブローゼ直営店は、主に都市部の百貨店や駅ビル等に出店しているため、緊急事態宣言等の発出による出店先の度重なる休業や時短営業の影響を受け、さらに都市部の百貨店を中心とした主要顧客年齢層の外出自粛行動が地方にも波及する中で客数が伸び悩み、総じて厳しい状況が続きました。この状況下で、各種販売促進施策の実施と共にスキンケア販売のさらなる強化に取り組み、また新設した「店舗サポート部」による店舗支援活動の活性化に努めました。その結果、全般的に新規顧客の獲得には苦戦しながらも既存客数は微増となりスキンケア化粧品売上高も増加、売上高は前期比0.8%増となりました。
商品面では、美白やエイジング関連のスキンケアラインが伸長した他、9月から期間限定で発売した「エモセラモイストヴェールパウダー」がマスク生活の環境下で好調に推移し、メイクアップ化粧品全体の売上を牽引しました。その他、季節に応じたギフト商品や特長のある生活雑貨商品を発売いたしました。
出退店につきましては、館の閉鎖及び不採算等により6店舗を退店、その一方、退店店舗の代替としての出店を始め計5店舗を出店し、期末店舗数は202店舗となりました。新規出店の中にはOh!Baby商品を中心とした半セルフ型ショップ「Oh!Baby」ショップ2店舗を含んでおります。その他、店舗改装では、都市部百貨店店舗のうち2店舗を「Be-Prime」店としてリニューアルし、指向性の高い差別化店舗として百貨店が厳しい状況にある中で堅調に推移しております。
EC事業は、前期(2021年3月期)が緊急事態宣言による直営店舗休業期間中の売上高が急伸し、その反動により、第2四半期までは前年同期並みの売上高となっていましたが、10月以降は着実に伸長しました。特にAmazonモールや9月から出品を開始した楽天モールでは、人気のOh!Babyブランド新シリーズ商品のプロモーションが奏功し売上増に寄与しました。さらに3月には新たにZOZOコスメにも出品し好調な出だしとなりました。また自社ECサイトも各種施策の強化により会員数が着実に増加しました。売上高は前期比15.6%増となりました。
以上、他の直営店販売事業を加えた当事業売上高は、87億81百万円(前期比2.4%増)となりました。一方経費面では、前期(2021年3月期)は、緊急事態宣言等に伴う臨時的措置として特別損失に計上していた休業期間中のスタッフ人件費及び店舗家賃相当額が当期は大幅に減少し、営業経費としての計上額が増加したこと、及びネット通販の体制強化に伴うコスト増で利益が減少したことなどにより、営業利益は1億31百万円(前期比31.4%減)となりました。
リラクゼーションサロン事業は、緊急事態宣言期間中ほぼ全店が時短営業となり、店舗によっては一時的に休業となりましたが、営業店舗においては施術時間の長いロングコースの需要が伸び、施術単価のアップにつながりました。また医療従事者に対する施術料金割引優待の実施や施術スタッフの指名制度を開始する等、各種施策を講じつつ業績の回復を図りました。一方オンライン予約システムも順調に稼働率が上昇し、売上増に寄与すると共に運営体制の効率化を図ることができました。客数の増加も伴い、売上高は前期比15.4%増となりました。
カーブス事業は、緊急事態宣言期間中も全店営業を継続し、会員一人ひとりに対するサポートを強化し退会者の抑制に努めました。また、店舗外での認知度向上施策やフランチャイザーであるカーブスジャパンのTVCMも新規会員獲得に寄与した結果、期末会員数は期初より約760名増となりました。さらに物販の強化にも努めたことで売上高は前期比30.2%増となりました。
以上、当事業売上高は、11億41百万円(前期比23.3%増)、売上高の増加と共に売上原価率の低減等もあり営業利益は91百万円(前期は営業損失59百万円)となりました。
個人オーナー店舗向け卸は、ハウスオブローゼ直営店と同様にコロナ禍で集客が伸び悩み、全般的に厳しい状況が続きました。その中で「エモセラモイストヴェールパウダー」が想定以上の納品額となりました。一方大手量販店向け卸は、セルフ販売型の「リラックスタイム」が拠点数増加に加え、既存店でも売上伸長し、その他一般卸も新規開拓が進む一方、コロナ禍の鎮静化に伴い納品額が増加する取引先もみられました。また中国越境EC卸は、中国市場全体が不安定な状況にありますが、キャンペーンの実施や販促施策等により売上高は前期(2021年3月期)より大幅に増加いたしました。
以上、当事業売上高は、13億60百万円(前期比15.6%増)、売上高の増加により営業利益39百万円(前期は営業損失16百万円)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は112億83百万円(前期比5.6%増)となりました。費用面では、緊急事態宣言等に伴う臨時的措置による特別損失計上額が前期(2021年3月期)より大きく減少し、営業経費計上額が増加しましたが、売上高の増加に加え、売上原価率の低減及び引き続き経費の削減等に注力した結果、営業利益は2億62百万円(前期比127.6%増)、当期純利益は1億3百万円(前期は当期純損失67百万円)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当事業年度末は25億93百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、3億10百万円(前期6億90百万円取得)となりました。これは主に税引前当期純利益の2億81百万円によるものであります。
投資活動の結果得られた資金は、3億92百万円(前期3百万円取得)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入4億円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、7億60百万円(前期8億28百万円取得)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出3億円、長期借入金の返済による支出2億円、リース債務の返済による支出1億66百万円によるものであります。
当事業年度の仕入実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については該当はありません。
当事業年度の販売実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の経営成績は、売上高112億83百万円、コロナ禍の影響を受けつつも各事業で確実に増加し、前年同期比5.6%の増加となりました。経費につきましてはコスト削減意識の高まりから全体的に減少しました。
以上の結果、営業利益2億62百万円、前年同期比127.6%の増加、当期純利益は1億3百万円(前期は当期純損失67百万円)となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
資金については、足元の状況を優先し、雇用を維持しながら店舗運営を継続していくため、2020年4月に運転資金として、金融機関3行から当座貸越契約を締結し、15億円の調達を行いました。また、長期借入金として5億円の調達を行いました。
なお、短期借入につきましては、2022年3月末日までに12億円を返済、長期借入につきましては、2022年3月末までに2億円を返済しました。今後も状況に応じて、金融機関からの資金調達を適宜検討してまいります。事態収束の見通しが立ちましたら、従前通り、持続的な成長に向け邁進してまいります。
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