有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の回避に努め、また、発生した場合の的確な対応に努めます。
これらの項目のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)リスク管理に関する基本的な考え方
当社は、リスクを、当社に負の影響を与える事象(負の影響を与える可能性のある事象を含む。)と定義し、当社グループを取り巻く様々なリスクを分析・評価し、各リスクの対応計画の策定と実行推進を通して、当社グループの損失の最小化を図るリスク管理活動を行います。
当社グループのリスク管理活動の基本方針は、以下のとおりです。
1.リスクが顕在化した場合に経営に重大な影響を与える可能性があることを十分認識して、リスク管理態勢を整備する。
2.中期事業計画(経営戦略・ビジネス戦略)との整合性を踏まえ、リスク特性に応じて、安全対策へ投入する経営資源を決定する。
3.リスク管理状況について、定期的なレビューを行い、管理態勢の改善を図るとともに、レビューの結果を踏まえて全社的に、リスク管理の基本方針の見直しを行い、継続的かつ持続的な管理態勢を構築する。
4.新たな脅威の出現や他社の被害事例等を考慮して、適切なリスク管理プロセスを確立し、経営目標に従って、経営資源を適切に配分して、具体的で実現可能性が高い対応方針を決定する。
5.株主の利益が毀損することがないように、当社グループを取り巻く環境に適合した内部統制の持続的管理を行う。
(2)リスク管理体制
① リスクマネジメント体制
当社グループのリスク管理活動を統括管理する最高リスク管理責任者(CRO)を選任し、CROがリスクの識別、リスク対応、リスク管理活動の有効性評価、継続的改善、その他のリスク管理プロセスを統括しております。
また、当社グループのリスク管理活動に関する経営委員会(2022年3月までは取締役会)の諮問機関としてリスク管理委員会を置き、同委員会は当社グループのリスク管理活動の評価と統制に関する重要な事項を審議し、決裁します。そして、リスク管理部(2022年3月まではリスク管理室)を、同委員会の活動を支援及び推進する事務局としております。
なお、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」にも関連した記載がありますのでご参照ください。
② リスク情報の集約
上記の図のとおり、リスク情報(リスクの内容、その分析・対応方針及びその実行状況等を指します。以下同じ。)については、リスクが発生する部門(リスク発生部門)が部門限りで対応方針を検討するのではなく、全社レベルでリスク情報の把握及び対応方針の検討を行う必要があることから、全てのリスク情報がリスク管理責任を有するCRO及びリスク管理委員会に集約される体制を構築しております。
また、不正や事故の発生又はこれらにつながる可能性が高いと考えられる状況といった、経営陣に迅速に報告すべきリスクの定義と、顕在化したリスクの報告先(緊急事態窓口や各ホットライン・窓口等)、当該報告を受けた報告先の対応方針等を決定しております。
さらに、リスク管理委員会は、リスク発生部門から緊急事態窓口や各ホットライン・窓口等を経由して報告されるリスクの対応(「緊急性の高いリスク」(当社グループの企業活動又はリソース(人的資源、物的資源、資金、情報等)に重大な損害を与える可能性のある事態)、「通常のリスク」(「緊急性の高いリスク」以外のリスク)別の対応等)方針を整備しております。具体的には、「緊急性の高いリスク」については、「緊急事態窓口」がリスク発生部門から情報を受領した後、直ちにこれを直接CRO及びリスク管理委員会へ報告することになっております。また、「通常のリスク」についても、定期的に集約することとしておりますが、緊急性が高いと判断した場合には、即座にCRO及びリスク管理委員会へ報告する体制になっております。
③ リスクマネジメントプロセス
当社は以下の図のとおりPDCAサイクルにて毎期リスクマネジメントプロセスの見直しを実施しております。特にリスク管理委員会においては、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルのリスクについて、当社グループ経営上重要なリスクの特定、評価、モニタリングを年次にて行っております。
(3)リスクの分類と評価
① リスクの分類
当社の「内部統制システムに関する基本方針」において、当社グループにおける主なリスクを以下のとおり分類しております。
ビジネスリスク |
1.景気変動、為替変動、金利変動等の経済環境の変化、市場や顧客ニーズの変化、技術開発競争や販売競争に伴う製品・サービスの市場ポジションの変化など、いわゆるビジネスリスク |
2.大規模な自然災害、悪性の感染症の蔓延等により事業継続が困難となるリスク |
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3.新たな事業・投資におけるリスク |
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オペレーショナルリスク |
取締役及び従業員の不正行為や機密情報の漏えいにより会社の信用を失墜し事業が停滞するリスクなど、いわゆるオペレーショナルリスク |
② リスクの評価
当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについて評価を行い、対処すべきリスクの重要性を決定しております。
以下の図のとおり、リスク評価においては、「a.影響度」と「b.頻度」を軸にそれぞれ3段階、H(High)、M(Middle)、L(Low)で評価し、原則としてどちらもHのものを「A 最重要リスク」としております。その他に、「a.影響度」「b.頻度」に応じて、リスクを「B 重要リスク」「C 一般リスク」に区分することで対処すべきリスクの重要性を決定しております。
(4)主要なリスクの概要と評価及び対応策の状況
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには「A 最重要リスク」が該当すると整理しております。
当該リスクの概要は以下のとおりです。また、これらの項目のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① ビジネスリスク
No.1 |
業績管理に関するリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループでは、適時適切に業績推移の原因分析、全社戦術の実効性の評価・検証・モニタリングを行っておりますが、顧客ニーズの多様化や予期せぬ需要の悪化等が発生し、業績情報の収集が不十分及び不正確になり、業績悪化判断が遅れる等、適切な業績管理が行われないリスクがあります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、経営理念実現のために成長戦略を遂行することとそれを支える経営基盤を強化することを経営基本方針としております。経営基盤の強化を実現するにあたり、徹底した見える化を推進し事業変革を図ってまいります。2022年4月に設置した「見える化推進室」を中心に、経営状況や経営課題に関するデータやファクトをタイムリーに把握することを推進します。統一データ基盤に基づく予実管理(「経営の見える化」)、全体最適を実現できる案件管理体制の構築(「業務プロセスの見える化」)、俯瞰的なプロジェクト管理・プロセスの整備(「組織・人の見える化」)に取り組むことで、ファクトに基づく経営判断や意思決定の迅速化による成長戦略の遂行を促進してまいります。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)対処すべき課題及び事業戦略」をご参照ください。 |
No.2 |
新たな事業・投資におけるリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループが所属するICT(情報通信技術)市場は変化が激しい市場です。その変化に沿わず経営戦略と整合しない戦術(投融資、M&A及び提携等)を選択すること、経営戦略及び戦術と整合しない経営資源配分を実施すること、また、ソリューション開発において将来の顧客ニーズや技術動向に沿わず新たな事業・投資が失敗すること等のリスクがあります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、経営理念実現のために成長戦略を遂行することとそれを支える経営基盤を強化することを経営基本方針としております。成長戦略の遂行を実現するにあたり、経営戦略からアクションに至るまで一貫した計画を策定し、実行するために予算及び投融資の意義の明確化を図り、予算及び投融資関連のプロセスを見直してまいりました。また、外部環境の変化に対応し適時適切な管理を行うため、経営指標達成に向けた施策、KPIの明確化、指標のモニタリング体制構築などに取り組んでまいります。 |
No.3 |
製品又は役務が調達困難となるリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループでは、製品又は役務の調達を行っております。半導体等の原材料の供給不足や仕入製品の市場縮小により機器の入手が困難となること、機器の納期が長期化すること又は機器の仕入価格が高騰すること、労働人口不足を背景として外注費が高騰すること等の想定外の要因により、調達予測が不正確となり、製品又は役務を調達することが困難になるリスクがあります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、機器の入手困難、納期の長期化及び仕入価格の高騰については、機器の在庫をあらかじめ確保する対策を進めてまいりました。 今後は、徹底した見える化を推進する中で、調達プロセスの刷新を検討してまいります。 |
No.4 |
パートナー企業に関するリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社はパートナー企業に業務委託を行うことにより、当社のソリューションをお客様に提供する場合があります。この点、パートナー企業において情報漏えい等のコンプライアンス違反が発生する、財務体質等が脆弱化する、品質・コスト・納期が不適切になる等、パートナー企業においてパートナー企業又はお客様との取引関係や当社グループのレピュテーション等に悪影響を与える事由が生じた場合、当社グループの成長を阻害する可能性があります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
業務委託先であるパートナー企業において生じるリスクへの対応として、情報セキュリティの向上に優先的に対応してまいります。業務委託先のシステムや従業員について、当社グループと同水準の情報セキュリティルールの遵守を徹底できるよう、教育やセキュリティ環境の提供等を検討してまいります。また、品質管理の責任部署を明確にし、パートナー企業への委託業務の品質等を担保できるよう取り組んでまいります。その上で、パートナー企業との協業の在り方やその戦略も検討する予定です。 |
No.5 |
為替変動リスク |
リスクの重要性 |
B 重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループは、海外系ベンダーの製品を多く取り扱っており、米ドル建決済であるものもあるため、仕入債務について為替変動リスクにさらされております。世界経済の動向により円安が進行し、かかる仕入れコストの増加分を販売価格に転嫁できない場合、当社グループにおいて利益率の低下を招く可能性があります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、外貨建て仕入れに関する確定債務残高と予定債務残高を適宜管理し、適切な先物為替予約を行っております。 |
No.6 |
敵対的買収リスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループは企業価値の極大化を目指して経営戦略を検討・実行しておりますが、想定の成果を得られず株価が下落した場合、敵対的買収等によって当社グループのビジネスモデルが想定通りに継続できなくなる可能性があります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、成長戦略を実現することで、安定的に収益を獲得し、健全な財務基盤を構築することにより、株価向上に努めてまいります。 また、適時適切なIR活動等を通じて株主の皆様のご理解をいただきながら、経営理念実現のため、成長戦略の遂行とそれを支える経営基盤の強化を図ってまいります。 |
No.7 |
災害等により事業継続が困難となるリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループは災害等によるシステム停止を受け、業務が停滞する可能性があります。当社の本社機能、品質管理センター、テクニカルセンターは、東京都にあり、大地震等による災害が発生した場合、本社機能、技術検証機能、物流機能等が著しく低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、お客様及び仕入先で被害が発生した場合、経営環境や市場に変化を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
対応策 |
当社グループは、ICT基盤提供企業としての社会的責任を強く認識し、グループ全体で大規模地震や感染症など様々な脅威に対応できる体制を整え、事業継続における対策を強化しております。具体的には事業継続計画(BCP)を整備し、災害発生時には全グループの役職員の安全を確保しつつお客さまへのサービス提供を継続できる体制を構築しております。災害による混乱防止、災害後の被害軽減を図るためにBCP基本計画書や各種手順書を作成し、緊急事態等、経営危機が発生した場合における役職員の役割分担、初動対応や情報収集・伝達、対応策の迅速な決定と実施等、基本方針を明確化しております。 さらに、当社グループを取り巻く経営環境(災害、事業、社会等)も変化してきており、変化に応じた事業継続計画(BCP)が必要となってきております。そのため、BCP基本計画書や各種手順書は「分析及び対策検討」「事業継続計画(BCP)更新」「BCP訓練・教育の実施」「見直し・改善」のPDCAサイクルにて年次にて見直しを実施し、経営環境の変化を踏まえた事業継続を可能とする体制の整備に努めております。 また、従業員の安否情報を部門管理者等が逐一把握できる「安否確認システム」を導入し、利用促進と定期的な模擬訓練を実施しております。緊急時避難用具・備蓄品(飲食糧など)、災害時等における電話回線の通話規制に備えたMCA無線を本社他全拠点に設置しており、安定的な事業継続に努めております。 |
No.8 |
新型コロナウイルス感染症に関するリスク |
リスクの重要性 |
B 重要リスク |
リスクの内容 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により当社グループの役職員及び協力会社(派遣会社及び業務委託先を含む)の役職員(以下総称して「役職員等」)から感染者又は濃厚接触者が確認された場合には、プロジェクトに遅れが生じる可能性がありますが、当社グループの事業に対する影響は、現時点では軽微であります。しかしながら、今後の事業に対する影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。 |
対応策 |
当社は政府のレベル分類とは別に当社グループの事業継続に即した3つの対応ステージを設定し、対応ステージごとに対応策を検討しております。当社グループ拠点と対応ステージを地図にマークした「緊急措置ステージマップ」を作成し、国内外の感染状況のレベルと政府や地方自治体の動きを追いながら、対応策を検討し決定しております。決定した事項(各ステージの対応策、新型コロナにかかる業務プロセス及び制度面の変更等)は適時に社内周知を行い、各事業部が対応策の実施をしております。 また、事業継続計画(BCP)には、新型コロナウイルス感染症に関する対策も含まれており、事業活動を従来通り継続することに努めております。 |
② オペレーショナルリスク
No.9 |
コンプライアンスに関するリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
万が一重大なコンプライアンス違反が発生した場合、顧客等からの信頼を著しく損なうリスクがあります。また、当社グループでは様々な取引先と関係を構築して事業を推進しているところ、中には高度の秘匿性を求められる取引や、商流が複雑になる取引もあり、このような取引には、取引先と役職員との癒着等に起因する不正取引が発生するリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 |
対応策 |
当社グループは、役職員等が法令や社内規程を遵守するよう、教育・研修などを通じた啓発活動を行うことにより役職員等のコンプライアンス意識を高めるとともに、社内外通報相談窓口の設置によりコンプライアンス違反の把握と未然防止に努めております。また、当社グループでは、取引先と役職員との癒着を防ぐ対応策として、部門間の対等なパートナーシップの形成及びけん制機能の強化を行ってまいりました。 このように、再発防止策を計画どおり推進し、二度と不正を起こさない企業文化醸成の基盤を着実に構築してまいりました。その上で、2023年3月期以降の更なる飛躍に向けた活動方針として、機関設計の見直しによるコーポレート・ガバナンスの強化、新経営ビジョン・行動指針の浸透、風化させない仕組みの構築、グループ会社ガバナンスの強化を掲げ、信頼回復の流れを盤石にしてまいります。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)対処すべき課題及び事業戦略」をご参照ください。 |
No.10 |
不採算案件の生じるリスク |
リスクの重要性 |
B 重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループは、顧客の依頼を受けて、多種多様なICTシステムの構築及び高付加価値サービスの提供を行っております。そのため、当社グループが案件を受注する際、顧客の依頼内容の把握、依頼内容を踏まえた原価積算等が適切に実施されないことにより、期待通りの利益が得られない案件や赤字の案件が生じるリスクがあります。リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループは、徹底した見える化を推進するとともに、案件内容を事前に審査する体制や、案件原価を適切に管理する体制等を整備することにより、案件単位での採算管理の強化を図るとともに、取引実態の伴わない取引や付加価値のない取引を含む不正取引の発生防止にも努めております。 |
No.11 |
顧客システムの停止・不具合の発生、顧客との契約違反のリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社はネットワーク・ソリューション・プロバイダーとして、顧客の依頼によりICTシステム全体の構築を請け負うことを主な業務としております。かかるシステム構築において使用するルータ等の商品は、機器ベンダーから仕入れております。当社は、商品単体ごとに受入検査・出荷検査を実施する等の品質チェック等により、これらの仕入商品に不具合が生じないようにするための体制を構築しております。 しかしながら、人的ミス等が発生することにより、顧客システムの停止・不具合が発生する等のリスクがあります。また、契約条件の確認漏れ等により、顧客と合意した内容を遵守できないリスクがあります。 これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、業務プロセスの見える化を実現するべく、全社的DPR(「デリバリプロセスレビュー」)に取り組んでおります。 具体的には、SPR(「セールスプロセスレビュー」)の新設、DPRの共通化・平準化を行い、SPR、DPRのルールとこれらに必要なツールを整備しております。これらによって、リスク管理の強化と各人の業務の追跡を可能にする仕組みを構築し、モニタリングを実施することを通じて属人的な作業を減らすことで、人的ミス等による顧客システムの停止・不具合や契約違反の発生を防止しております。 加えて、事業運営で蓄積したナレッジを適時にデータベース化し、標準化することで上記のリスクを低減することを検討しております。 |
No.12 |
情報漏洩又はシステム関連トラブルによるリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
ICTシステムの構築及び高付加価値サービスの提供を事業としている当社グループでは、事業遂行上、顧客の機密情報(個人情報を含む)を受領して作業を進めることがあります。当該情報を含む情報の管理及び保護は、当社の重要な経営課題であるとともに社会的な責務と認識しております。 しかしながら、想定外の事象により顧客の情報が漏洩するリスクがあります。また、サイバー攻撃等により情報が改ざんされ、データベースが破壊された場合や、想定外の事故や故障などによりシステムが停止した場合には、業務が停滞するリスクがあります。他にも、社内システム設計構築時にシステム構造上の不備が残存し、必要な機能が備わっていない状態で運用が開始されるリスクがあります。 これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社では、使用されている各システムの洗い出し等を行い、システムの管理状況を調査することで、情報漏洩及びシステム関連トラブルによるリスクを特定しました。 識別したリスクに対応するため、システムの責任者(システムオーナー)を明確にしました。その上で、情報セキュリティ方針に基づき、情報セキュリティ管理規程等の社内管理規程を整備し、情報の適切な管理を行うとともに、従業員への教育・研修を通じて意識向上に努めております。 また、サイバー攻撃等による情報の改善に対しては、ファイヤーウォール、ウイルス対策ソフト等を導入し、安全性の高い情報システム体系の構築に努めております。 |
No.13 |
労務に関するリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社グループでは、従業員に対する労務管理が不十分なまま事業運営が行われた場合、サービス残業の放置や不当解雇等の違法行為が発生する可能性があります。 また、当社は、当社グループの様々な経営課題克服及びサステナビリティのため、優秀な人材を継続的に確保・育成していくこと、及び優秀な人材が継続的に活躍することが重要課題であると認識しております。しかしながら、当社経営陣と当社グループの従業員又は従業員間でのコミュニケーションが十分になされず、当社グループの経営戦略及び組織方針が浸透しない場合、経営戦略及び組織方針と反した行動や離職が発生する可能性があります。 これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
対応策 |
当社グループでは、企業理念・行動指針の見直し、行動指針に基づく行動宣言の策定、任意の委員会の発足等、経営基本方針の周知及び基本方針に基づく組織体制の構築等を実施することで、企業文化の醸成・浸透に努めております。 また、組織文化醸成の強化策として、旧来の人事制度を刷新し、コンプライアンスの状況を盛り込んだ人事評価制度を導入するとともに、コンプライアンス意識の浸透度を確認しております。当社グループでは、従業員の健康管理を徹底し活力や生産性の向上につなげること、また、労務マネジメント強化を行い正しい労務管理による法令遵守を徹底するため、HRМ(「Human Resources Management」)の取り組みを通じて、勤務管理対策を実行しております。具体的には、勤怠打刻方法の見直し等による正しい労務管理の徹底と定期的なアラートメール送付による従業員の業務状況の把握及び上長との適時のコミュニケーションや上長によるモニタリングを実施しております。 また、残業時間を管理するツールを導入し、従業員間のコミュニケーションの質を上げ、適時適切な指導・牽制を行うよう努めております。 |
No.14 |
不正取引に関連するリスク |
リスクの重要性 |
A 最重要リスク |
リスクの内容 |
当社は、2020年3月期において、2014年12月以降、納品実体のない取引が繰り返し行われていたことを認識するに至りました。不正行為に関連した取引を取消処理したこと等により生じた債務5,553百万円を流動負債の「その他」に含めて表示しております。なお、当社は、みずほ東芝リース株式会社(以下「原告」)と日鉄ソリューションズ株式会社(以下「被告」)との間の違約金請求事件について、2020年10月28日付で、被告より訴訟告知を受けました。訴訟告知書によると、当該違約金請求事件は、原告が被告に対して売買契約の解約違約金として10,926百万円及び遅延損害金を請求するものであり、被告が当該違約金請求事件に敗訴した場合、当社元従業員による不正行為に関連した取引に巻き込まれた結果として、当社に対し使用者責任に基づく損害賠償請求権を行使することになるとあります。当該違約金請求事件につき、当社は、2021年9月17日付で補助参加申出を行いました。被告が当該違約金請求事件に敗訴した場合には、被告から当社に対し請求がなされ、当社が損害賠償債務を負う可能性があります。当該不正取引に関与した各社間での訴訟が継続しており、各社間での清算並びに当社における法人税等の更正の請求等は完了していないため、今後の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、不正取引に関する事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。 |
対応策 |
当社グループは、上記訴訟の原告及び被告の主張を踏まえて適切に対応することを検討してまいります。 また、今後は同様の不正事案が発生しないよう、企業文化改革の中で「従業員が声をあげやすい環境醸成」「新しい行動規範、価値観の浸透」「事案を風化させない仕組み作り」を推進し、企業文化そのものの継続的な改革を行い、コンプライアンス文化の醸成を行うとともに、全従業員への周知を図っております。 |
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