課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの企業理念は、「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業を行うことであり、この美道五原則に基づき、「商品」のみならず「ソフトと価値」を提供することで顧客を獲得し、事業の拡大を図ることを経営方針としています。

当社グループを取り巻く事業環境は、2020年以降の新型コロナウイルス感染症により消費市場への多大な影響を受けており、一般消費者に対する小売・サービス事業を主体とした当社グループでは、お客様の消費行動の急速な変化への対応が求められる状況にあります。そのような状況の下、当社グループが持続的な成長を実現していくために、「新たな事業形態構築への取り組み」、「業務効率化と生産性向上への取り組み」、「企業の社会的責任への取り組み」を推進してまいりましたが、今後、消費者のライフスタイル・価値観の多様化は一層加速していくことが想定されるため、以下の取り組みを進めてまいります。

 

① グループ重点戦略の推進

 当社グループを取り巻く環境の大きな変化に迅速に対応し、グループの成長と拡大を目指していくために、グループのビジョン・重点戦略を整理し、中長期の将来を見据えた経営が必要であると認識しております。当社グループでは、事業環境の急激な変化への対応やM&A戦略の進捗等による影響については単年度ごとの計画・見通し等を公表してまいりましたが、中期的な経営計画の策定とその実現に取り組むことが企業価値向上につながるとの認識に立ち、グループの経営方針に基づいた中期経営戦略を策定してまいります。また中期的な経営戦略を検討するに当たっては、以下を重点課題とします。

 ・事業ポートフォリオの再構築

  外部環境の変化に対応するため、柔軟性を内包する事業ポートフォリオの見直しと再構築に取り組むとともに、

  事業ごとの収益構造や効率性・成長性を踏まえた経営資源の配分を行う体制整備を図ってまいります。また事業

  ポートフォリオは経営環境の変化を踏まえ、定期的な評価・見直しを行ってまいります。

 ・M&A戦略との一体化

  グループの成長戦略の柱であるM&A戦略により、新たな事業領域の開発を更に推進するとともに、販売チャネ

  ル多様化とグループシナジーによる収益力強化の両面から、より効果的なM&Aを行うために、中期経営戦略・

  事業ポートフォリオ再構築と一体化したM&A戦略を進めてまいります。

 2019年に譲受した和装小売店舗「かのこ」や2020年3月に子会社化した株式会社マンツーマンアカデミーの業績 

 は、コロナ禍においても順調な進捗となり、既存事業の下支えとなっております。2023年3月期には、東京ガイ

 ダンス株式会社及び株式会社OLD FLIPの2社のM&Aを実施いたしますが、東京ガイダンス株式会社は株

 式会社マンツーマンアカデミーとともにグループの新たな事業領域である「教育事業」を構成することとなり、

 新事業の拡大と成長を目指してまいります。さらに株式会社OLD FLIP取得によって、グループ内にリユー

 スビジネスを取り込み、既存事業とも連携したグループ全体での持続可能なビジネスモデル構築を目指してまい

 ります。

 

② 生産性・収益性向上への取り組み

 当社では従前より、管理業務の効率化及び各事業での生産性向上を図っていくことが重要課題と認識しております。

 全社的な生産性向上と収益力向上を実現するため、リモートワークやWeb会議の活用を推進し、定着させてきたほか、店舗の管理・運営コストのコントロールを強化し、事業基盤の強化に努めてまいりました。今後も費用削減の取り組みは継続していくとともに、さらに、内部統制レベル維持を基本としたIT活用による管理業務プロセスの見直しと社内制度の見直しを進めることで、従業員一人一人の新たな時間の創出を促し、営業力強化を図ってまいります。

 また、業務プロセスの見直しと並行して、経営数値目標の整理を行い、経営の透明性を向上させることで、一層の生産性・収益性向上への取り組みを強化してまいります。

 

 ③ サステナビリティ経営への取り組み

 当社グループでは、事業拡大・収益拡大への取り組みを推進する一方で、企業に求められる法的責任、経済的責任、社会貢献についても重視しており、中長期的な視点での持続可能な成長と企業価値向上が重要であると認識しております。これまでもお客さまと従業員の健康、安心・安全を最優先とした店舗の環境整備に努め、また企業市民としての社会貢献活動の取り組みとして、美容事業では、医療用ウィッグ作成プロジェクトであるヘアドネーション「つな髪」への協賛提携を継続して行っており、また和装事業では、純国産の生糸を守る活動としての桑苗の植樹活動や、振袖を親から子へ受け継ぎつつ現代に蘇らせる「ママ振り」の提案を行うなど、日本の伝統文化の伝承に努めてまいりました。

 今後、サステナビリティを巡る取り組みについて企業が果たすべき社会的責任は一層重要度を増すと考えており、自社のサステナビリティに関する基本的な方針を定め、適切な対応を進めることが重要であると認識しております。

 当社では、従来の社会貢献活動を維持しつつ、サステナビリティ経営への取り組みを深化させるため、SDGsの17ゴールと関連付けた当社の目標設定の検討を進めてまいります。具体的な取り組みについてグループ内での意識共有を図りつつ、グループ重点戦略とも連動し、事業面においても持続可能な社会の実現につながるビジネスモデルの構築を積極的に進め、企業価値向上に努めてまいります。

 

 

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