課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、「我々はメモリアル事業を通じ、常に顧客のニーズに基づく良い商品とサービスをより安く提供することによって社会に貢献し、業界一の企業とならむことを期す。」を社是に、継続して成長し続けるため、消費者に寄り添ったサービスの向上に取り組んでおります。

法令遵守、経営効率性の向上、顧客対応の向上等による事業活動を通じた企業価値の最大化を目指し、健全な倫理観に基づくコンプライアンス体制を徹底し、株主、顧客をはじめとするステークホルダーから信頼されると共に、長期的且つ積極的な利益還元を継続するため、業務の適正性を確保する体制の構築並びに維持を主な課題として事業活動を展開していく方針であります。

 

(2)経営戦略等

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異株(オミクロン型)の世界的感染拡大を受け、消費者の価値観や行動様式は多様に変化しております。

ワクチンが開発され接種も行われていることから収束は訪れると考えるものの当面は見通せない状況にあり、共存していかなければならないものと認識しております。

これに伴い、人の往来は高齢者を中心に制限され、特に葬祭事業においての会葬者減少による施行単価の下落は避けられず、さくら・あおい倶楽部会員を中心とした潜在顧客を受注に繋げる施策や葬儀専門のポータルサイト等との連携による受注件数の拡大を目的とした取組みを積極的に行っております。

また、当社は、メモリアル市場において火葬場以外の全てを網羅しており、消費者に対し総合的なサービスを提供出来る体制を整えている希少な企業であります。

さくら・あおい倶楽部会員は46,000人を突破しており、これを梃に様々な事業展開が可能となる優位性を保持していることから、お墓事業及び葬祭事業を軸とした様々な異業態との提携を推進し、シニアライフ・コンサルティングの総合プラットフォーム企業を目指して参ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、株主利益重視の観点から、収益の拡大に伴ったEPS(1株当たり当期純利益)であります。

 

(4)経営環境

当社が属するメモリアル市場は、高齢者が増加傾向にあるにもかかわらず、お墓事業における屋外墓地については、埋葬の選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少する傾向にあり、受注件数は順調に増加しているものの、施工単価は下落傾向にあります。

一方、首都圏に永住する消費者が所有する故郷のお墓を引っ越しする需要は、緩やかに増加しております。

この流れに対応すべく当社は、消費者に寄り添った様々なお墓の形態を兼ね備えた霊園を開発すると共に、供養の全てを網羅し、価格においてもご満足いただける納骨堂への拡充を図っております。

これまでに培ったノウハウや実績の分析を踏まえ、より効率性を重視した集客媒体の選定が肝要であると認識しております。

葬祭事業においては、葬儀の小規模、地味化傾向がより顕著となっております。

また、コロナ禍における会葬者の減少やインターネット媒体の普及による同業者間の価格競争は激化しており、施行単価が一層下落するという厳しい環境下にあります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

屋外墓地につきましては、好立地、好ロケーションを重視した新規霊園の開発及び募集販売実績のある霊園の増設、改造を中心に行うと共に、関係寺院及び墓地候補地の見極めを一層強化し適宜対処する所存であります。

納骨堂につきましては、埋葬の選択肢が多様化しており、劇的な売上高の回復には一定期間かかることを想定しております。

消費者のニーズを見極め、抜本的な広告及び販売戦略を見直し、収益を追求する体制を構築して参ります。

葬祭事業につきましては、受注拡大のため生前予約をいただくことは不可欠であります。

その会員組織である「さくら倶楽部」及び「あおい倶楽部」の新規会員獲得と共に、会員に向けた春夏秋冬に発行する会報の充実やコロナ禍を踏まえ少人数に限定した終活セミナーの開催等、潜在顧客を受注に繋げる施策を行って参ります。

また、より魅力的な葬儀プランの提供、葬儀専門のポータルサイト等と連携し、さくら・あおい倶楽部会員以外の一般顧客からの受注拡大を図り、当社の中核をなす事業となるよう進めて参ります。

財務面につきましては、現在及び将来に亘って必要な営業活動資金及び有利子負債の返済等に備えるため、資本の増強をはじめ、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、金融機関からの借入や社債の発行等を基本としております。

しかしながら、当社は、宗教法人が納骨堂を開発する際の資金の一部を債務保証しており、宗教法人との契約に基づく納骨堂の販売が計画通りに進捗しなかったため、債務保証の履行により当社の資金繰りを圧迫しました。

そのため当社は、借入金の返済について取引金融機関と協議し、2021年10月に当面の返済について猶予を受けることで合意しました。

このように、依然として手元流動性資金の確保に支障が生じる可能性があることから、こうした状況を速やかに解消するため、より効率的且つ効果的な広告媒体の選定を含む営業施策を見直すことにより納骨堂の拡販を図ることに加え、手元流動性資金の確保に努めるべく有形固定資産や投資その他の資産の流動化を推し進めると同時に、全ての取引金融機関と協議を行い、今後も継続的な支援が得られるよう交渉し、経営基盤の強化及び安定に鋭意努めて参ります。

また、世界的大流行となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異株(オミクロン型)につきましては、収束が未だ見通せない状況下にあり、高齢者を中心に消費者の外出自粛傾向が継続しますと、お墓事業は来園者(見学者)数の減少、葬祭事業では会葬者の減少等の顕著化が想定されます。

さらに、墓石(石材)は、ほぼ100%中国より輸入しており、現在当国においてゼロコロナ政策が採られていることから、ロックダウン等の措置により製造や輸出が制限されますと、国内にて仕入れることとなり、原価率の高騰が懸念されます。

一方、コロナ禍は、消費者の価値観や行動様式の変化、死生観を醸成しており、収束まで一定の期間がかかると想定されるものの、新型コロナウイルス感染症との共存を踏まえた新たな商品を開発できれば、シェアを拡大する好機になると捉えております。

 

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