業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みやワクチン接種が進み、経済活動の制限も徐々に緩和され、持ち直しの動きが続いております。しかしながら、新たな変異株の出現やウクライナ情勢の緊迫化により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 外食業界におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による営業時間の短縮、酒類の提供禁止や提供時間の制限がありました。2022年3月にはまん延防止等重点措置が解除されましたが、大人数での会食や宴会の自粛傾向の継続、消費者のライフスタイルの変化、原材料・原油価格の高騰や人手不足等、業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

 当社グループにおきましても、特に外食事業において店舗休業や時短営業を余儀なくされましたが、一方で、前期から継続しているコスト削減による損益分岐点売上高の低減に加え、雇用調整助成金や時短協力金等のご支援もあり、第1四半期から第3四半期の各会計期間において、親会社株主に帰属する四半期純利益が前年を上回る結果となりました。特に第3四半期連結会計期間は営業利益2億77百万円を計上し、業績改善に寄与いたしました。

 また、資本性劣後ローンによる手元資金の拡充、A種優先株式の発行による自己資本の増強を実施し、中長期的な財務基盤の安定性の確保に取り組んでおります。加えて、財務体質の健全化、配当可能利益の確保等を目的に減資し、資本金を1億円にいたしました。

 このような状況の中、セントラルキッチンにおいて仕入食材の内製化に必要な製造機器の導入等、収益確保や生産性向上に向けた設備投資を実施しております。また、SDGsへの対応として、物流部門におきましては、配送資材をドライアイスと発泡スチロールから高性能の保冷剤とリサイクルコンテナへ変更することにより、

CO₂の削減に取り組んでまいりました。製造部門におきましては、おからの再商品化に必要なおから乾燥機やバイオ式生ごみ処理機の導入等による産業廃棄物の削減、品質保持及び保存に優れた急速冷凍機の導入によるフードロスの削減についても取り組んでまいりました。各店舗におきましても、フードロス削減を目的とした販売方法の見直しや、食材廃棄額の可視化を進めております。

 さらに、2021年9月に更なる生産性向上と顧客接点強化を目的とした情報システム再構築プロジェクトを発足

し、グループを挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に着手いたしました。

 店舗の出店及び退店につきましては、6店舗出店及び12店舗退店し、当期末の店舗数は290店舗となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は225億91百万円(前期比104.6%)となり、営業損失は16億30百万円(前期は営業損失22億52百万円)、経常損失は17億92百万円(前期は経常損失23億96百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億17百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失19億21百万円)となりました。

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(外食事業)

 外食事業におきましては、各店舗において感染防止対策を徹底し、お客様をお迎えする体制を整えるとともに、付加価値の高いメニューを投入し、客単価アップに努めてまいりました。

 「湯葉と豆腐の店 梅の花」及び「和食鍋処 すし半」につきましては、ポイントカード等の会員様へのダイレクトメールやアプリによる商品・イベント等の告知等により、お客様との接点の増加に注力するとともに、来店動機を高める季節に合わせたメニュー展開や料理のレベルアップ等に取り組んでまいりました。また、巣ごもり需要の獲得に向けたおせち・弁当類等のテイクアウト商品の販売強化に努めてまいりました。

 「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、2022年2月にランチメニューを大幅に改定し、鮮魚にこだわり「安さ」よりも「美味しさ」を追求する内容へ変更いたしました。また、4月には夜の春夏メニューを改定する等、新規顧客層の獲得に着手いたしました。

 新業態につきましては、6月に「お手軽中華のお店 梅花(メイファ)」を名古屋市東区のショッピングモール内のフードコートに、11月にカジュアルな中華料理店「梅香(メイシャン)」を大阪市北区のショッピング街に、さらに、12月に黒毛和牛とあか牛の二種類の和牛を提供する「和種焼肉 KUROTOAKA」を東京都港区にそれぞれ出店いたしました。

 以上の結果、外食事業の売上高は118億1百万円(前期比100.3%)、セグメント損失は13億39百万円(前期はセグメント損失17億19百万円)となりました。

 

 店舗数につきましては、梅の花は72店舗、すし半は2店舗退店し11店舗、さくら水産は5店舗退店し22店舗、その他店舗は3店舗出店及び1店舗退店し18店舗、外食事業の全店舗数は123店舗となりました。

 

(テイクアウト事業)

 テイクアウト事業におきましては、クリスマス・節分・ひなまつり等のイベント商品の販売が好調となり、売上高は前期比で108.9%となりました。

 また、前期に引き続き、商品の品目数と陳列量の適正化、店舗製造の強化による品質向上及び労働時間管理の徹底により、原価率の改善及び人時生産性の向上を図り、各四半期においてセグメント利益を計上しております。

 さらに、「古市庵」の一部店舗にて9月から販売を開始した、イタリアの伝統菓子であるマリトッツォを模した商品「すしトッツォ(まぐろ)」がSNS等にて拡散され、テレビ等のメディアで多数紹介されたことで、ブランド知名度を上げる一助となりました。

 第4四半期には3店舗出店し、おしとり福山店において精肉販売のための改装及びその他店舗の美装化や売場面積拡大等の改装を2店舗とコロナ禍の収束を見据えた設備投資を実施しております。

 以上の結果、テイクアウト事業の売上高は94億75百万円(前期比108.9%)、セグメント利益は4億43百万円(前期比286.7%)となりました。

 店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び4店舗退店により111店舗、梅の花テイクアウト店は1店舗出店し51店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は167店舗となりました。

 

(外販事業)

 外販事業におきましては、新規取引の拡大や既存取引先へのセントラルキッチンの既存製品の販売量増加、加えて京都セントラルキッチンに導入した急速冷凍機を使用した冷凍惣菜等の新商品開発による取扱品目の増加等により、業績を堅調に伸ばしてまいりました。また、同業他社との関係を強化することによる生産品目の拡大にも取り組んでおります。

 牡蠣を中心とした水産加工品を製造する丸平商店につきましては、グループ各社の商品開発及び販促企画部門と連携し、販売網の構築及び原材料等の物流の見直しを図ることを目的としたプロジェクトの推進を継続し、グループ全体で収益力の強化に取り組んでおります。

 以上の結果、外販事業の売上高は13億14百万円(前期比115.9%)、セグメント損失は1億50百万円(前期はセグメント損失40百万円)となりました。

 

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ5億36百万円増加し、286億99百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9億42百万円、売掛金が3億69百万円それぞれ増加し、また減損損失等の計上により有形固定資産が7億31百万円減少したことによるものであります。

負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ14億5百万円減少し、255億66百万円となりました。これは主に、借入金の総額が11億19百万円、未払金が4億62百万円減少したことによるものであります。

純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ19億42百万円増加し、31億32百万円となりました。これは主に、A種優先株式の発行により20億円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益2億17百万円の計上によるものであります。

 

 ② キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して、9億27百万円増加し、61億54百万円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は3億69百万円(前期は59百万円の支出)となりました。

 前期に比べ4億28百万円収入が増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益が26億59百万円増加した反面、未払金の増減額が16億49百万円、仕入債務の増減額が1億56百万円減少したこと、棚卸資産の増減額が3億61百万円増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は2億22百万円(前期は2億42百万円の収入)となりました。

 前期に比べ4億65百万円支出が増加した主な要因は、定期預金の払戻による収入が4億30百万円減少したこと、資産除去債務履行による支出が1億52百万円減少したこと、有形固定資産の取得による支出が1億33百万円増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により得られた資金は7億80百万円(前期は28億48百万円の収入)となりました。

 前期に比べ20億68百万円減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が45億33百万円減少したこと、A種優先株式の発行による収入が19億52百万円増加したことによるものであります。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

外食事業

1,025,989

86.9

テイクアウト事業

1,700,399

125.1

外販事業

1,417,727

217.9

合計

4,144,116

129.9

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

b. 受注実績

当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

外食事業

11,801,303

100.3

テイクアウト事業

9,475,562

108.9

外販事業

1,314,873

115.9

合計

22,591,738

104.6

 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

④ 地域別販売実績

地域別

売上高(千円)

構成比(%)

前期比(%)

福岡県

3,038,363

13.4

102.5

佐賀県

664,721

2.9

104.5

長崎県

309,526

1.4

107.9

熊本県

245,744

1.1

109.7

大分県

290,083

1.3

105.1

鹿児島県

228,014

1.0

106.7

宮崎県

33,115

0.1

111.9

愛媛県

234,575

1.0

104.2

山口県

876,492

3.9

96.8

広島県

500,651

2.2

131.8

岡山県

335,070

1.5

101.4

兵庫県

1,197,567

5.3

90.7

大阪府

3,688,900

16.3

111.9

和歌山県

67,230

0.3

101.1

奈良県

299,019

1.3

100.9

京都府

484,837

2.1

110.0

滋賀県

191,762

0.8

103.5

三重県

93,172

0.4

100.4

岐阜県

135,070

0.6

106.7

愛知県

786,709

3.5

106.8

静岡県

320,737

1.4

101.0

福井県

54,422

0.2

91.2

石川県

296,547

1.3

99.4

富山県

280,665

1.2

99.9

新潟県

112,940

0.5

97.5

東京都

3,826,725

16.9

105.0

神奈川県

1,893,175

8.4

103.9

千葉県

867,340

3.8

102.5

埼玉県

605,312

2.7

103.6

群馬県

27,841

0.1

107.0

茨城県

161,109

0.7

106.8

福島県

115,785

0.5

102.6

宮城県

253,931

1.1

111.1

北海道

74,574

0.3

93.7

合計

22,591,738

100.0

104.6

 (注)福岡県には、ギフト商品等の通信販売を含んでおります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 売上高

 四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)

(単位:百万円、%)

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

外食事業

売上高

2,113

2,672

4,183

2,831

11,801

前年比

100.3

77.8

118.0

105.6

100.3

テイクアウト事業

売上高

2,174

2,152

2,705

2,442

9,475

前年比

127.3

101.1

106.5

105.1

108.9

外販事業

売上高

240

314

418

341

1,314

前年比

176.4

100.8

100.7

125.9

115.9

連結売上高

売上高

4,529

5,138

7,308

5,615

22,591

前年比

114.6

87.5

112.4

106.5

104.6

 

(外食事業)

 第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う1回目の緊急事態宣言下の前年との対比であるため、売上高は前年実績を上回りました。第2四半期は、前年はGo Toキャンペーンへの参画効果により一時的に回復したのに対し、第4回目の緊急事態宣言の発出による各種の制限により再び時短営業や休業を余儀なくされたことで悪化し、第3四半期は2022年10月25日に飲食店に対する要請がほぼ解除されたことで改善いたしました。第4四半期は、3月21日にまん延防止等重点措置が全て解除されたことで前年を上回る結果となりました。

(テイクアウト事業)

 第1四半期は、主要出店先である百貨店の食料品売上高の回復傾向やイベント商品の販売好調等、巣ごもり消費の強さを実感する内容となりました。第3四半期以降は、年末年始商戦におけるクリスマスのイベント商品、おせち、節分商品の販売好調等により前年実績を上回りました。

(外販事業)

 第1四半期は、新規取引先の拡大や既存取引先へのセントラルキッチンの既存製品の販売量増加や、冷凍惣菜等の新商品開発による取扱品目の増加等により、前年実績を大幅に上回りました。第2四半期以降も、堅調に売上を伸ばしております。

 

b. 営業利益

 四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額

(単位:百万円)

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

外食事業

セグメント利益

△593

△530

205

△421

△1,339

前年増減

+19

△172

+487

+45

+380

テイクアウト事業

セグメント利益

72

80

225

65

443

前年増減

+95

+55

+44

+92

+289

外販事業

セグメント利益

△42

△33

△6

△67

△150

前年増減

+221

△88

△80

△160

△109

連結営業利益

セグメント利益

△743

△590

277

△573

△1,630

前年増減

+374

△113

+520

△158

+622

 

(外食事業)

 売上高の減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗家賃の減免、食材等の配送日数の週7日から週4日へ集約、WEB会議による旅費交通費の削減、コストに対する意識強化等による各種経費の見直しに加え、コロナ収束後も業績回復が見込めない不採算店舗の閉鎖等に取り組み、赤字幅の減少に努めました。

 また、コロナウイルスの影響が少なかった第3四半期は、2億5百万円のセグメント利益を計上しております。

(テイクアウト事業)

 売上高の減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、WEB会議による旅費交通費の削減等、売上高に対する販売管理費比率の低減等により、すべての四半期においてセグメント利益を計上し、増益となりました。

(外販事業)

 第1四半期のセグメント利益は前年実績より大幅に増加いたしましたが、第2四半期以降は丸平商店において製造方法の見直しによる生産効率の悪化やコロナ禍における減収等により、セグメント利益は減益となりました。

(全社費用)

 各セグメントに帰属しない全社費用についても前年比90.4%と削減し、損益分岐点売上高を引き下げております。

c. 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、助成金収入33億85百万円等を特別利益に計上いたしましたが、減損損失6億24百万円、新型コロナウイルス感染症関連費用として臨時休業による損失7億49百万円等を特別損失に計上したことにより、2億17百万円となりました。

 

d. 財政状態

(単位:百万円)

 

当期末

前期増減

主な増減内容

資産合計

28,699

+536

現金及び預金       :コロナ禍対応による運転資金の確保

負債合計

25,566

△1,405

借入金の返済

純資産

3,132

+1,942

優先株式の発行に伴う株主資本の増加

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ5億36百万円増加し、286億99百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9億42百万円、売掛金が3億69百万円それぞれ増加し、また減損損失等の計上により有形固定資産が7億31百万円減少したことによるものであります。

負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ14億5百万円減少し、255億66百万円となりました。これは主に、借入金の総額が11億19百万円、未払金が4億62百万円減少したことによるものであります。

純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ19億42百万円増加し、31億32百万円となりました。これは主に、A種優先株式の発行により20億円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益2億17百万円の計上によるものであります。

 なお、経営成績及び財政状態の検討課題といたしましては、「第2 [事業の状況] 1 [経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

2018年9月期

2019年4月期

2020年4月期

2021年4月期

2022年4月期

自己資本比率(%)

26.8

25.7

11.0

3.6

10.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

14.1

11.4

55.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

18.0

41.8

4.4

自己資本比率:自己資本/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 (注)1.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

2.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用を短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入及びA種優先株式の発行により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。A種優先株式は、運転資金及び設備投資に係る資金調達であります。

 また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。

 

 ③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEを重視しております。

 また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては5%を目標としておりますが、当連結会計年度は10.4%を計上しております。引き続き達成できるよう尽力してまいります。

 

 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損

 当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。

 減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。

 

減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。

 減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失6億24百万円を計上いたしました。新型コロナウイルス感染症による影響が緩やかに回復に向かうものの、1年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。

b. 資産除去債務

 当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。

 原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。

過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。

c. 繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。

収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積りしております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症による影響が緩やかに回復に向かうものの、1年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。

 

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