課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、全国3ヶ所にあるセントラルキッチンを基盤とし、外食、テイクアウト及び外販の3つの事業を通して、お客様に「美味しい料理・最高の笑顔・親切で心温まるサービス」を提供することを基本理念としております。歳時や旬の食材に合わせた料理や商品により、お客様に季節や日本古来の文化を魅了していただくこと、食品添加物や化学調味料の使用制限等、安全で健康的な安らぎを提供することを基本方針としております。

 また、お客様のご意見やご要望を基に、セントラルキッチンの製品供給力と外食事業、テイクアウト事業の店舗運営力及び外販事業の提案力を活用した成長戦略により、企業価値向上を目指してまいります。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 少子高齢化や人口減少時代の到来により日本国内の食のマーケットの縮小に加え、当社グループ店舗の多くが出店する県庁所在地等の中心市街地の衰退等、社会環境の変化が事業運営に影響を及ぼしております。

 さらに新型コロナウイルス感染拡大により、外食事業においては政府及び各自治体による休業や時短営業の要請への対応、テイクアウト事業においてはテレワークの推進や外出自粛に伴う都心の昼間人口の減少、百貨店の食品フロア以外の休業やインバウンド需要の大幅な減少等による客数の大幅減等、非常に厳しい事業環境にあります。

 そのような中、当社グループは、既存事業における収益構造の見直しによる損益分岐点売上高の低減、外販事業強化による販売チャネルの拡大、セントラルキッチンの製造機能と製造品目の拡大、収益力向上を目的とした出店・改装及び設備の増強等、収益力の強化による財務の健全化を図ってまいります。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期が未だ不透明な中、3月のまん延防止等重点措置の解除以降において新規感染者数、重症者数及び死亡者数が減少したことで、外食産業市場動向調査や全国百貨店売上概況において、2019年には及ばないものの売上高が回復傾向にあること、政府の支援策等による消費喚起が見込まれること等、ウィズコロナを主眼に置いた回復シナリオを反映した営業政策に舵を切るとともに、新型コロナウイルスの感染者数の急激な増加時の迅速な対応が課題と認識しております。

 また、原油価格の高騰やウクライナ問題に伴う食材や包材の価格高騰に向け、客単価アップ、生産性の向上、内製品の活用に加えて徹底したコスト削減や、状況に応じた施策の変更と綿密な投資のコントロールにより、収益確保、支出抑制及び有利子負債の圧縮並びに手元資金の拡充に注力いたします。加えて、コロナ収束後の顧客の意識及び行動の変容に順応できるよう社会環境の変化を注視してまいります。

  ① 新型コロナウイルス感染症対策

 店舗における換気とソーシャルディスタンスの確保、お客様が接触される箇所の除菌、ウイルスを除去する紫外線除菌装置の導入等、従来から実施している感染症対策を継続しながら、各自治体が実施する消費拡大キャンペーン等に積極的に参加してまいります。

  ② 事業展開

 (外食事業)

  「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、ポイントカード会員様の来店履歴やご注文されたメニュー等のデータに基づいた効率の良いダイレクトメール発送による既存顧客の来店頻度の向上に引き続き取り組むとともに、梅の花公式アプリやSNSの活用等による新規顧客の獲得にも努めてまいります。

  また、店舗人員配置の見直しによるシフトの最適化を図り、新型コロナウイルスの感染防止対応の中でのお客様へのおもてなしの充実、それに伴う再来店客数の増加に取り組んでまいります。ソーシャルディスタンスの確保に伴う座席数の減少や個室の換気の徹底等を踏まえ、弁当や惣菜等の宅配や持ち帰り商品の販売強化にも引き続き取り組むとともに、冷凍自動販売機による冷凍弁当や惣菜の販売にも取り組んでまいります。

  「和食鍋処 すし半」につきましては、メニューの見直しによる食材ロスの抑制や当社グループが保有するインフラの活用による弁当宅配の強化、持ち帰り商品の拡充に引き続き取り組むとともに、冷凍自動販売機による冷凍弁当や惣菜の販売にも取り組んでまいります。

  「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、居酒屋業態及び低価格帯からの脱却に向け、ファミリーで天ぷらや寿司を楽しめる新業態「天ぷらと寿司sakura」への転換、市場直送の鮮魚を店舗で捌き提供するメニュー等、質の高い美味しい商品をお手頃価格で食べられる店への転換に向けた取り組みを行ってまいります。

 

 (テイクアウト事業)

  テイクアウト事業におきましては、巻寿司及びいなり寿司等の定番商品の見直し、季節商品、イベント商品等の拡充による固定客の来店頻度の向上及び新商品開発による新規顧客層の取り込みに注力するとともに、お客様の目に留まる商品陳列の工夫や食材や味付け等のこだわりに関する商品説明に取り組んでまいります。

  また、「仕事や家事等で時間が足りない」30~50代の女性とそのご家族を意識した商品開発と見やすく買いやすい売場づくりを強化してまいります。さらに、人手不足、最低賃金の上昇及びウクライナ問題等も含めた今までにない原材料価格の高騰への対応に向け、高単価商品へのシフト等、商品構成の変更や接客販売の強化による客単価アップに取り組むとともに、値引き販売の抑制のための顧客の来店動向に応じた品揃えの徹底を継続してまいります。

  加えて、海洋プラスチックごみ、CO₂排出、食品ロス等環境問題の対応に向け、スプーン等の有料化や包装材料等の見直し、食材の在庫の適正化等に着手しております。

 (外販事業)

  前期に引き続き、セントラルキッチンの製造能力の活用、ブランド価値及び認知度の向上を目的とした梅の花及び古市庵ブランドの商品の販売、丸平商店製造の牡蠣フライ等の水産加工品の販売を強化してまいります。

  また、パートナー企業との協業による生牡蠣の流通過程における品質の向上とコスト低減、製造工場と保管倉庫及び市場間の自社物流の導入による収益力強化に取り組んでまいります。

 (海外展開)

  新規展開につきましては、現地の経済状況、インフラ等の環境整備等総合的に勘案し、慎重に取り組んでまいります。また、コロナ収束後は現地の状況に応じた業態やブランドの選択、フランチャイズ運営等柔軟な対応による拡大を進めてまいります。

 (人員対策)

  セントラルキッチンにおける製造人員不足の解消に向けて、特定外国人支援事業及び職業紹介事業を行うことを目的としたPlum協同組合の運営を開始し、技能実習生及び特定技能実習生を積極的に採用することに取り組んでまいります。

 (設備投資等)

  既存業態からの転換も含めた新業態開発、セントラルキッチンの生産設備等の事業基盤の拡充及び長期安定収益の確保を目的とした土地や既存の保有資産の有効活用に取り組むことを想定しておりますが、コロナ禍の状況を注視し、投資抑制に努めてまいります。

  ③ 収益改善策

  製造部門におきましては、店舗調理作業の効率化や味・品質の安定を図るため、セントラルキッチンによる内製化の効果を再検証した商品開発を継続してまいります。また、機械化・自動化、類似商品の集約や不採算商品の削減等、生産性向上対策に加えて、外部企業に製造を委託しておりました食材の内製化、商品の保存期間の延長のために導入した急速冷凍機の活用の強化にも取り組んでまいります。

  物流部門におきましては、店舗への配送回数や梱包資材の見直し、航空輸送から陸上輸送への切り替え、業務委託先の変更等による物流コストの削減に努めてまいります。

 

(3)経営上の目標を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEを重視しております。ROEにつきましては、5%を目標としております。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得