研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、研究開発を事業展開上の重要課題と位置づけ、積極的な研究開発活動を進めております。その分野は分析機器事業、半導体事業、自動認識事業のセグメントに分かれ、多様化、高度化、複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い製品を提供するため、それぞれの分野ごとに独自性のある技術力を高めながら新技術の習得、導入及び品質、生産性の向上を目指して新製品の開発に努めております。
 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、783百万円であります。
 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

(分析機器事業)

当事業では、主要製品である「イナートファミリー」において、食品、環境、ライフサイエンス、香粧品、エネルギー、石油化学などの多岐にわたる分野にて、それぞれのニーズに合わせたラインアップの拡充を継続して行っております。特に、HPLCカラムにおける微粒子充填カラム、コアシェル型充填カラム、モノリス型カラムの開発に注力しており、当該3種類すべてをラインアップしている企業は当社のみとなっております。
 装置分野においては、新機能を搭載しデザインを新たにした分取HPLCシステム装置をリリースしており、顧客の用途に合った装置構成を行うことが可能であるため、要望に沿った提案ができることが特徴の一つとなっております。
 当事業においては、生産性の向上や安定したカラムの製造を目指し、国内製造における世界一のカラムメーカーとして、一歩ずつ着実な歩みを進めております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、668百万円であります。

 

(半導体事業)

当事業では、溶射被覆石英ガラス部材の再生工法の実用化、石英ガラス拡散接合の改良技術、多孔質自立膜の製品化、微細加工技術の応用製品開発、表面処理による石英ガラス製品の高機能化などの多岐に渡る分野にて研究開発活動を行っております。

溶射被覆石英ガラス部材の再生工法の実用化においては、セラミック溶射皮膜で被覆された石英ガラス部材に対する3R(リデュース、リユース、リサイクル)技術の実用化開発に取組み、溶射皮膜の密着性を従来の約2倍に向上させ、かつ石英ガラスにダメージを与えず実使用において劣化消耗した溶射皮膜を再生する工法を確立しております。

石英ガラス拡散接合の改良技術においては、産学連携での共同研究を開始しており、次世代の要求に応えるために、より低温で接合を行うことや石英ガラス以外の素材も接合対象とするなど実用化に向けて技術開発を進めております。

多孔質自立膜の製品化においては、評価用サンプル出荷及び取引先との共同開発を行っており、多孔質体の材料や気孔率等の製品ラインナップを広げることで更なる用途開発を進めております。

微細加工技術の応用製品開発においては、従来の石英ガラスやシリコン材料に加え多孔質自立膜の表面にサブミクロンから数百ミクロンの微細パターンを形成した製品を開発しております。

表面処理による石英ガラス製品の高機能化においては、石英ガラス加工技術と種々の表面処理技術を融合した高機能製品を開発し製品化しております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、36百万円であります。

 

(自動認識事業)

当事業では、RFIDに特化した開発技術で特殊カード対応の製品開発を進めており、マイナンバーカードに対応し、PCとUSB接続により確定申告に利用できる卓上リーダを製品化しております。

なお、セキュリティを高めたセキュアマイコン搭載製品については2機種の開発が完了し、2023年3月期からの市場拡販を計画しております。
 また、大手家電メーカー製ノートPC組込用基板や、大手交通系機器メーカーの機器組込み用基板の開発を進めており、ノートPC組込用、交通系機器メーカー組込み用基板ともに、2023年3月期の第4四半期からの量産を開始する予定となっております。
 さらに、Bluetooth Low Energy(以下BLE)製品の開発としては、スマートフォンに対応した鍵保管庫用基板の開発を進めており、RFID製品、BLEの応用製品、OS搭載の情報端末製品を展開し、柔軟な市場対応を行う事によって市場での高い優位性を訴求してまいります。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、78百万円であります。

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