(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、国・地域ごとの新型コロナウイルスの感染状況や経済対策の違いを反映して、状況は多様なものとなっているものの、全体としては景気回復の状況が続きました。しかしながら、電子部品・原材料の不足や価格上昇が継続し、さらにウクライナ情勢の深刻化により、先行きの不透明感が増している状況となっております。
米国においては、個人消費の増加や設備投資の拡大により高水準な回復を維持しました。欧州においては、景気は回復傾向に転じたものの、ウクライナ情勢の直接的な影響を受けて物価上昇やエネルギー供給面で先行き不安を抱える状況となりました。中国においては、輸出は好調であるものの、個人消費の伸びが鈍化し、景気回復ペースは緩やかなものとなりました。
わが国経済においては、機械受注や建設工事受注が増加となり、情報・通信業や半導体関連などの製造業でも需要が増加いたしました。
このような経営環境のもと、当社グループの当連結会計年度の業績は、設備投資需要の増加を背景に、前連結会計年度に対して増収増益となりました。米国子会社においては、エネルギー需要等の回復を受けて、主力のプロセス関連製品及び産業機械関連製品を中心に、売上が増加いたしました。国内においても、前期においては低迷していた設備投資需要が回復し、なかでも回復が著しい半導体業界向及び建設機械業界向の売上が増加いたしました。これにより、売上高は549億52百万円(前期比22.6%増)となりました。損益面につきましては、売上高の増加に伴い、営業利益は35億52百万円(前期比146.3%増)となりました。経常利益は営業利益の増加影響のほか、受取保険金の増加により43億12百万円(前期比185.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は25億14百万円(前期比190.6%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
〔圧力計事業〕
圧力計事業では、米国子会社においては、エネルギー需要の回復により、産業機械業界向、プロセス業界向の売上が増加いたしました。国内においては、空圧機器業界向、半導体業界向、空調・管材業界向の売上が増加いたしました。
この結果、圧力計事業の売上高は260億39百万円(前期比19.6%増)となりました。
〔圧力センサ事業〕
圧力センサ事業では、米国子会社においては、圧力計事業と同様に、産業機械業界向、プロセス業界向の売上が増加いたしました。国内においては、自動車搭載用圧力センサは受注減少により売上が減少いたしましたが、半導体業界向、建設機械業界向の売上が特に大きく増加し、産業機械業界向、プロセス業界向、空調・管材業界向の売上もまた増加いたしました。
この結果、圧力センサ事業の売上高は180億34百万円(前期比33.6%増)となりました。
〔計測制御機器事業〕
計測制御機器事業では、工場生産自動化設備用の空気圧機器及び自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスターの売上が増加いたしました。
この結果、計測制御機器事業の売上高は49億47百万円(前期比11.4%増)となりました。
〔ダイカスト事業〕
ダイカスト事業では、自動車業界を主要取引先としているダイカスト製品の売上が増加いたしました。
この結果、ダイカスト事業の売上高は40億50百万円(前期比15.2%増)となりました。
〔その他事業〕
その他事業では、自動車用電装品の売上が増加いたしました。
この結果、その他事業の売上高は18億80百万円(前期比19.6%増)となりました。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ47億58百万円増加し555億81百万円となりました。これは主に、電子記録債権が15億60百万円、機械装置及び運搬具が14億14百万円、投資有価証券が時価評価により7億61百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ13億4百万円増加し264億67百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が12億57百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ34億54百万円増加し291億13百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等により株主資本合計が20億91百万円増加し、有価証券の時価評価等によりその他有価証券評価差額金が4億66百万円増加し、為替換算調整勘定が4億69百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末から2.0ポイント増加の51.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は61億59百万円となり、前連結会計年度末70億38百万円に対し、8億78百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は28億13百万円(前年同期は23億32百万円の収入)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益41億68百万円、減価償却費15億46百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額21億44百万円、棚卸資産の増加額12億44百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は23億3百万円(前年同期は15億26百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、生産設備等の有形固定資産の取得による支出22億37百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は15億51百万円(前年同期は5億45百万円の収入)となりました。
支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出(純額)9億75百万円、配当金の支払額4億22百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
圧力計 |
26,465,791 |
120.1 |
圧力センサ |
18,034,055 |
133.6 |
計測制御機器 |
5,073,468 |
116.8 |
ダイカスト |
4,050,822 |
115.2 |
その他 |
1,795,260 |
124.2 |
合計 |
55,419,398 |
123.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
圧力計 |
27,820,530 |
131.5 |
4,738,453 |
160.2 |
圧力センサ |
21,353,871 |
157.0 |
6,275,492 |
212.3 |
計測制御機器 |
5,098,249 |
114.9 |
1,199,027 |
114.3 |
ダイカスト |
4,050,822 |
115.2 |
- |
- |
その他 |
1,906,443 |
128.3 |
647,952 |
119.4 |
合計 |
60,229,917 |
136.3 |
12,860,925 |
171.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.ダイカストは受注残高を計上しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
圧力計 |
26,039,482 |
119.6 |
圧力センサ |
18,034,055 |
133.6 |
計測制御機器 |
4,947,796 |
111.4 |
ダイカスト |
4,050,822 |
115.2 |
その他 |
1,880,626 |
119.6 |
合計 |
54,952,783 |
122.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%を超える相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、549億52百万円(前期比22.6%増)となり、前連結会計年度に比べて101億47百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度は、米国子会社においては、エネルギー需要等の回復を受けて、主力のプロセス関連製品及び産業機械関連製品を中心に、売上が増加いたしました。国内においても、前期においては低迷していた設備投資需要が回復し、なかでも回復が著しい半導体業界向及び建設機械業界向の売上が増加いたしました。これにより、売上原価は392億69百万円となり、当連結会計年度における売上総利益は156億83百万円(前期比27.3%増)、前連結会計年度に比べて33億58百万円の増加となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、121億30百万円(前期比11.5%増)となり、当連結会計年度における営業利益は、35億52百万円(前期比146.3%増)となりました。これは主に、売上総利益が増加したことによります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取保険金の増加により前連結会計年度に比べ6億43百万円増加し、10億96百万円(前期比141.9%増)となりました。
当連結会計年度における営業外費用は、前連結会計年度に比べ46百万円減少し、3億37百万円(前期比12.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ27億99百万円増加し、43億12百万円(前期比185.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ2億5百万円減少し、4百万円(前期比98.1%減)となりました。
当連結会計年度における特別損失は、減損損失の計上により前連結会計年度に比べ1億38百万円増加し、1億47百万円(前期比1,461.3%増)となりました。
また、税金費用の増加及び非支配株主に帰属する当期純利益の計上等により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、25億14百万円(前年同期比190.6%増)となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)財政状態及び経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び製品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関から短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、124億13百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、61億59百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。
なお、中国のゼロコロナ政策による経済への下押し影響はあるものの2023年3月期以降は新型コロナウイルスによる経済活動への影響は限定的なものとなり、設備投資需要等の増加を見込んでいることを前提として、当連結会計年度(2022年3月期)の会計上の見積りを行っております。
経営陣は、貸倒引当金、従業員の退職給付費用、繰延税金資産に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。
(貸倒引当金)
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(退職給付引当金)
従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2023年3月期の連結業績目標として、連結売上高602億円、営業利益率7.0%以上、自己資本利益率(ROE)10.0%確保を掲げております。
この目標値は2022年3月に策定した数値であり、有価証券報告書提出日現在、妥当であると判断しております。
当連結会計年度における連結売上高は549億52百万円であり、営業利益率は6.5%、自己資本利益率は9.4%となりました。連結売上高、営業利益率及び自己資本利益率は2022年3月期の目標を上回っており、引き続き当該指標の目標達成に邁進していく所存です。
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