課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営理念体系

 

創業の精神

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思考展開

 

 

社会の課題に自社の技術がどのように役立つかを考え、新しい事業や製品の創造と発展に挑み続ける精神

 

企業理念

未来共有

人間形成

技術追求

未来を見つめ社会の期待と信頼に応える

働く喜びを通じて人をつくり社会に貢献する

独自技術の追究と技術の融合を推進する

 

経営大綱

SCREENグループのあるべき姿とSCREEN Value(企業価値)を高めるための基本指針

CSR憲章・行動規範

 

企業理念にもとづく行動原則を示し、SCREENグループの全役員・従業員が心がけるべき基準を「行動規範」として定めたもの

 

 

(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

 当社グループは「ソリューションクリエーター*」として、社会的な課題・ニーズを解決する技術、製品、サービスなどを世界中のお客さまに提供し、社会の発展に寄与することによって、「Sustainable Value(社会的価値)」と「経済的価値」からなる「SCREEN Value(企業価値)」向上を目指し、持続的な利益創出や株主還元などを推進してまいります。

 

 当期(2022年3月期)の結果

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の2年目となる2022年3月期は、サプライチェーンマネジメント(SCM)における部材不足による事業運営への影響があったものの、半導体製造装置への旺盛な需要とともに、継続的に取り組んできた資本効率の管理強化により中期経営計画の経済的価値目標達成に向けて大きく進展、収益構造と財務基盤も一層盤石にすることができました。また、持続可能な社会の実現と社会的価値の向上を目指す中期計画「Sustainable Value 2023」の取り組みとして、TCFD提言への賛同を表明しました。

 

 次期(2023年3月期)の計画

 中期経営計画の後半となる3年目を迎える2023年3月期は、成長戦略と構造改革の取り組みをさらに強化し、すべてのステークホルダーに誇れる企業を目指して、以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

 (経営課題)

 1)戦略投資の実施

 2)体系化された事業ポートフォリオマネジメントの実践

 3)イノベーションマネジメントの取り組み強化

 4)リスクマネジメントの強化

 5)人事領域の施策強化

 6)Sustainable Value 2023の取り組み

 

* ソリューションクリエーター : 社会的な課題・ニーズを解決する技術、製品、サービスなどを世界中のお客さまに提供し、社会の発

展に寄与することによって、企業価値を高める企業体のことを指します。

 

 

 中期経営計画「Value Up 2023」の進捗状況

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の内容、および2年目の進捗状況は、次のとおりであります。

 

1.基本コンセプト

 「ソリューションクリエーターとしての業界でのプレゼンス確立」

 

2.主たる取り組み成果

 ①イノベーションの創出と持続的成長サイクルによる企業価値向上

半導体製造装置事業のマーケット競争力強化に向けた積極的な研究開発投資。

半導体製造装置の生産体制強化として、彦根事業所内に新工場「S3-4(エス・キューブフォー)」の建設に着手。

新規事業創出のチャレンジ継続(ライフサイエンス、検査・計測、エネルギー、AI)

エネルギー分野で低コストグリーン水素製造に資する水電解システムの共同開発を開始。

 

 ②収益性と効率性を追求し、利益に見合うキャッシュを創出

  「ROIC経営」の更なる浸透。

   ゲンバKPI*の設定・検証を通じた各事業の収益性・効率性の追求。

   「売上高成長率」「ROIC」の2軸による事業ポートフォリオマネジメントの推進。

* ゲンバKPI:ROICを分解し現場で管理できる形にした指標

  営業キャッシュ・フローが大幅増加。中期経営計画の4年間累計目標を前倒しで達成。

 

 ③サステナブル企業に向けたESGへの取り組み

 持続可能な社会の実現と社会的価値の向上を目指す中期計画「Sustainable Value

2023」を展開中。

   E(環境)    : SBT*に参画し事業活動および製品の環境負荷低減を推進

   S(社会)    : 働きがいのある環境づくりと社会課題解決への積極的な活動を実施

   G(ガバナンス) : リスクマネジメントと事業継続計画(BCP)を強化

* SBT  : 科学的根拠にもとづいたCO2排出削減目標の設定を求める、地球温暖化防止に向けた国際的なイニシアチブ

 

3.経済的価値の目標と実績

 中期経営計画「Value Up 2023」における経済的価値の目標と実績は、以下のとおりとなります。

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*上記5項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。

 

 なお、現在本中期経営計画の目標数値の見直しを進めており、2022年7月の2023年3月期第1四半期決算発表時に見直し後の目標数値を開示する予定であります。

 また、2022年3月18日付で、株式会社日本格付研究所の当社「長期発行体格付」がA-(見通し:ポジティブ)に変更となりました(従来のBBB+(ポジティブ)から格上げ)。

 

4.社会的価値向上への取り組み状況

 中期経営計画「Value Up 2023」における社会的価値向上への取り組み状況は、次頁以降の「ESGに重点をおいたサステナブル経営の推進」をご覧ください。

 

(3)ESGに重点をおいたCSR経営の推進

 

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(4)セグメント別の取り組み

 中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の目標達成に向けた、セグメント別の取り組みは次のとおりです。

 

(半導体製造装置事業:SPE)

①セグメント戦略

・洗浄装置マーケットシェア向上

・収益構造改革の継続

・ポストセールス強化

・サプライチェーンマネジメントの強化によるCCC*の改善

*キャッシュコンバージョンサイクル

 

②最終年度目標(2020年7月発表時点)

売上高

2,800~3,000億円

営業利益率

18~20%

市場前提

WFE市場 年平均成長率+7%
2023年に650億ドル超

 

 事業環境としては、5G、AIの活用拡大を受けたIoT、DXの進展に加え、データセンター需要の拡大、リモートワークの定着などに伴い各種半導体デバイス需要が高まっており、2022年の市場も前期比15%以上成長する見通しです。そのような中、アプリケーション別には、当社が得意とするファウンドリーにおいて、最先端の大型投資のほか、レガシー(成熟)ノードへの投資が継続する見込みです。ロジックでは、先端の量産投資や開発拠点向け投資が増加する見通しです。メモリーにおいては、DRAM向けの微細化投資やNAND Flashの積層化など先端投資の継続が見込まれています。また、画像素子では、既存半導体メーカーだけではなく、新興メーカーやファウンドリーにおいても、車載向けやセキュリティ向けの需要拡大に伴う投資が活発化しています。加えて、環境意識の高まりによって、電力消費を適切に管理するパワーデバイス向け投資も、欧州、日本を中心に活発に行われております。

 こうした市場の活況を背景にSPEでは、過去最大の受注水準が続き、増産体制に入っており、現在建設中の新工場S3-4(エスキューブ・フォー)の操業開始を2023年1月に予定しています。多様なソリューションの提供と供給責任を果たすべく、今後も万全な開発・生産体制を整え、旺盛な市況に対応してまいります。

 

(グラフィックアーツ機器事業:GA)

①セグメント戦略

・商業印刷、パッケージ市場(軟包装など)向けインクジェット製品の拡充

・リカーリングビジネスの強化

 

②最終年度目標(2020年7月発表時点)

売上高

450~500億円

営業利益率

6~8%

市場前提

情報印刷市場+8%

パッケージ印刷市場+20%

(ともにPOD/デジタル印刷分野、2020年-2026年の年平均成長率)

 

 事業環境としては、2021年3月期は少なからずコロナ禍影響を受けたものの、各国の経済対策やワクチンの普及などによる経済環境の改善により、米国、欧州を中心に多品種小ロットタイプのインクジェットデジタル印刷機であるPOD装置の需要が回復しております。また、大量印刷向けCTP装置においても需要の減少に底打ちが見られました。

 このような環境の中GAでは、2022年5月末に英国子会社の譲渡を終え、今後はPODの中核事業と置く商業印刷、パッケージ印刷へリソースの集中を図ります。足元では、部材の不足や価格上昇、物流の逼迫等による供給面の制約などの影響が出ているものの、コスト抑制を図りつつ、POD装置群の拡充・拡販に注力し、インク売上の増加によるリカーリングビジネスの一層の拡大を目指してまいります。

 

(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)

①セグメント戦略

・大型OLED TV向けインクジェット装置の事業化

・エネルギー関連ビジネスの事業化

 

②最終年度目標(2020年7月発表時点)

売上高

450~500億円

営業利益率

8~10%

市場前提

ディスプレー製造装置市場+1%

(2020年-2022年の年平均成長率)

 

 事業環境としては、ディスプレー業界において、巣ごもり需要で一時期上昇したパネル価格は落ち着いたものの、高精細のIT/TV用液晶向けや中小型OLED用の投資が緩やかに続いています。また、中期経営計画最終年度にはTV向けなど大型OLED投資も期待されます。

 このような環境の中FTでは、中期経営計画で掲げているとおり、事業ポートフォリオの変革を目指しています。次世代ディスプレー製造装置の開発に加え、エネルギー分野において、来るべき脱炭素、水素社会に向けた取り組みの一環として、燃料電池の重要部材であるMEA*の量産事業を開始しました。本中期経営計画では、エネルギー関連の売上はまだ僅少にとどまる見通しですが、次世代を見据えた事業育成を進めてまいります。

 

* MEA(Membrane Electrode Assembly) : 固体高分子型燃料電池の耐久性および性能を左右する重要部材。

 

(プリント基板関連機器事業:PE)

①セグメント戦略

・既存装置群のシェア向上

・新製品開発に取り組み、上市する

 

②最終年度に目指す姿および数値目標(2020年7月発表時点)

売上高

120~140億円

営業利益率

8~10%

市場前提

プリント基板市場+6~7%

(2020年-2024年の年平均成長率)

 

 事業環境としては、データセンター、5G、パッケージ向け需要が堅調に推移しており、さらなる成長が期待されます。

 このような環境の中PEでは、主力の直接描画装置(露光機)を中心に、新たに投入した製品が順調に市場へ浸透してきております。引き続きこれら製品を積極的に展開することにより、事業規模の拡大に努めます。また、収益性向上に寄与するポストセールスも安定推移してきており、今後も継続して伸長を図ってまいります。

 

 上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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