当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響が残るなかで、半導体などの供給制約、原材料及びエネルギーの供給懸念による価格上昇などが企業活動に影響を与えることにより、弱い回復に留まりました。米国では、堅調な個人消費と設備投資に支えられ景気は着実に回復しております。ヨーロッパ地域では、個人消費は持ち直している中で、サービス業の景況感は回復が遅れています。中国では、景気回復が継続していますが、一部地方では、新型コロナウイルス感染再拡大で経済活動が抑制されることによる影響がみられました。日本経済は、個人消費が低調で、景気は厳しい状況でした。
当連結会計年度において、プロジェクター需要は、教育用、ホームユースを中心に回復しましたが、その生産は、半導体などの供給制約の影響を受けました。こうした中で、当社グループのプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの販売は増加しました。
この結果、当期の連結業績は、売上高5,069百万円(前期比15.0%増)、経常利益159百万円(前連結会計年度の経常損失は684百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失87百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は858百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の損益に与える影響はありません。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により資金は373百万円増加(前連結会計年度は6百万円減少)しました。減価償却費307百万円(前連結会計年度は353百万円)、減損損失237百万円(前連結会計年度は130百万円)、棚卸資産の減少額203百万円(前連結会計年度は棚卸資産の減少額338百万円)などの増加要因に対し、売上債権の増加額243百万円(前連結会計年度は売上債権の減少額115百万円)などの減少要因がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は713百万円減少(前連結会計年度は131百万円減少)しました。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出479百万円(前連結会計年度は83百万円)、貸付けによる支出170百万円などの減少要因がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は339百万円減少(前連結会計年度は1,372百万円増加)しました。短期借入金の純増額177百万円、長期借入れによる収入430百万円などの増加要因に対し、長期借入金の返済による支出865百万円などの減少要因がありました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売額に在庫増減原価を加えております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ648百万円の減少となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が263百万円増加し、現金及び預金が666百万円減少、仕掛品が179百万円減少したことなどによるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ479百万円の増加となりました。この主な要因は、建物及び構築物(純額)が380百万円増加したことなどによるものであります。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ160百万円の減少となりました。
この結果、資産合計は、前連結会計年度に比べ365百万円の減少となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ263百万円の増加となりました。この主な要因は、短期借入金が177百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が105百万円増加したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ626百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が540百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度に比べ363百万円の減少となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ2百万円の減少となりました。この主な要因は、退職給付に係る調整累計額が67百万円増加し、利益剰余金が87百万円減少したことなどによるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する事象を含め、合理的であると判断しております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当期の連結業績は、売上高5,069百万円(前期比15.0%増)、経常利益159百万円(前連結会計年度の経常損失は684百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失87百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は858百万円)となりました。
事業別の概況は次のとおりであります。
光学事業は、プロジェクター用反射鏡、フライアイレンズ、デジタルシネマ用映写機の反射鏡などの製造及び販売を行っております。
当連結会計年度の売上高は2,300百万円と前期と比べ535百万円(30.3%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は383百万円と前期と比べ615百万円(前期のセグメント損失は232百万円)の増益となりました。
プロジェクター用反射鏡は、販売数量が前期比で39.4%増加し、売上高は42.1%増加いたしました。フライアイレンズは、販売数量が前期比で18.7%増加し、売上高は17.5%増加いたしました。
照明事業は、自動車ヘッドライト・フォグライト用カバーガラス、一般照明用ガラス製品などの製造及び販売を行っております。
当連結会計年度の売上高は821百万円と前期と比べ267百万円(48.3%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は37百万円と前期と比べ44百万円(前期のセグメント損失は6百万円)の増益となりました。自動車ヘッドライト・フォグライト用カバーガラス、タッチパネルのカバーガラス、一般照明用ガラス製品の売上高が増加いたしました。
機能性薄膜・ガラス事業は、ガラス容器への加飾蒸着、高耐久性銀ミラー(Hi-Silver®)、フリット(ガラス粉末)などの製造及び販売を行っております。
当連結会計年度の売上高は1,193百万円と前期と比べ93百万円(7.2%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は219百万円と前期と比べ157百万円(257.2%)の増益となりました。ガラス容器への加飾蒸着の売上高が減少し、ガラスフリットの売上高が増加しました。
上記以外の事業としてデンタルミラーなどの医療向けガラス製品、洗濯機用ドアガラスなどの製造及び販売を行っております。
当連結会計年度の売上高は753百万円と前期と比べ50百万円(6.2%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は94百万円と前期と比べ16百万円(15.2%)の減益となりました。前連結会計年度はガラス溶融炉の設計等の請負による売上高がありましたが、当連結会計年度は、この様なプラントエンジニアリング関係の売上高はありませんでした。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、当社、連結子会社(新潟岡本硝子株式会社、二光光学株式会社、蘇州岡本貿易有限公司、岡本光学科技股份有限公司、JAPAN 3D DEVICES株式会社)の計6社で構成され、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主な事業の内容としております。
セグメントの業績は、売上高において光学事業への依存度が高水準となっております。光学事業では、主にプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売を行っており、当社グループの業績は、プロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売状況及びプロジェクター市場の推移の影響を受けます。
当社グループの業績は、セイコーエプソン株式会社、Epson Precision(Hong Kong) Ltd.、Epson Engineering
(Shenzhen) Ltd、Epson Precision(Philippines), Inc.、愛晋精密光電(無錫)有限公司(以下「セイコーエプソン
グループ」)、Signify Electronics Technology ,Signify Belgium NV、Signify industry(China) Co.,Ltd.(以
下「Signify Electronics Technologyグループ)などの主要顧客との取引状況の影響を受けます。現在、セイコーエプソングループ及びSignify Electronics Technologyグループとは良好な取引関係を維持しておりますが、将来にわたり、当社グループの製品が採用される保証はありません。
当社グループが保有する主要な特許は、「耐熱性ガラス」、「ガラス偏光子」、「可視光用ガラス偏光子」、「ガラス偏光子およびその製造方法」、「投射型映像表示装置」、「無鉛白色ガラスセラミックス基板」、「低軟化点ガラス粉末」、「水中ビデオカメラ用ハウジング」、「高耐久性銀ミラー」、「蛍光体分散ガラス」、「耐圧ガラス球」、「濃度測定装置」、「銀被覆鉛テルルガラス粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト」、「連結水中探査機」及び「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」に関するものであります。将来、特許期限を過ぎましても、製品化に関する技術・ノウハウは内部に蓄積しているため、当該特許に記載されている組成や製法が他社に利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けるとは認識しておりません。また、多くは国内特許であり、外国の同業他社から日本国外に出荷される最終製品についての対抗力は有しておりませんが、「可視光用ガラス偏光子」及び「ガラス偏光子およびその製造方法」につきましては日本、中国、米国で、「水中ビデオカメラ用ハウジング」につきましては日本、米国、欧州で、「高耐久性銀ミラー」につきましては日本、中国、台湾で、「耐圧ガラス球」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「連結水中探査機」につきましては日本、中国、米国で、また「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」につきましては日本、台湾で特許が成立しており、国内のみならず当該諸外国においても、当社グループは当社技術及び製品に関する独占権(特許権)を保有しております。
なお、当社グループでは他社の特許を侵害している可能性はないと考えておりますので、他社から特許侵害の訴訟を受ける懸念は少ないと評価しております。ただし、他社の類似製品の進出で当社グループの業績が影響を受ける可能性はあります。
(イ) キャッシュフロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」② キャッシュ・フローの概況に記載しております。
(ロ) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、設備投資資金と運転資金であります。持続的かつ長期的な成長戦略の実現を図り、次世代のニーズを捉えた新商品の投入を実現するための研究開発活動や設備投資資金を、金融機関借入等多様な手段を用い、低コストの資金調達を目指しております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は5,340百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,657百万円となっております。
お知らせ