21世紀は地球環境問題が大きく取り上げられる世紀と認識しております。当社は環境に優しい特性を持つガラスにより、地球環境を汚すこと無く、社会への貢献、事業の拡大発展を図る所存であります。古くて新しいガラスについて、既成概念にとらわれず、大企業では難しい小回りの良さを活かし市場創造を目指します。会社は社員一人ひとりの事を考え、社員は常に何事にもチャレンジして行く活気あふれる会社にしたいと考え、次に掲げる理念を経営の基本方針としております。
①基本理念
特殊ガラスと薄膜で「光の時代」をリードしお客様が感動する商品・サービスを提供し続けます。
②経営理念
常に地球と時代をみつめるダイナミックな経営を行い、社員一人ひとりの人生の充実と会社の発展を目指します。
③行動規範
始まりは、いつも私から。それ、私がやります。Yes, I can.
当社グループは、収益体質を一層堅固なものとするため①経営資源の最適配分、②既存事業の収益安定化、③新規事業の早期立ち上げを進めます。
当社の企業価値・株主共同の利益の向上を図り、新型コロナウイルス感染拡大をはじめとする世界情勢の変化に対応するために、当社グループは、2022年度から2025年度までの中期経営計画を2022年4月に策定いたしました。ここで定めた基本方針の概要は、以下の通りです。
1) バランスの取れた事業構造の構築 - 売上構造転換の加速
・プロジェクター向け製品に加え、車載向け製品を主要な事業分野と位置付け、この二つの事業分野で進行している固体光源化に伴い必要となるガラス製品への需要を獲得していく。
・社会インフラ(5G高速通信等)、海洋環境モニタリング・資源探査向け製品を第3、第4の事業の柱として確立する。
2) 高精度化・複雑立体形状化する製品需要への対応
・溶融ガラスを成型空間に注入する新製法「G-injection®」により、複雑な立体形状の製品を量産化する。
・ガラス温度変化領域を狭くし、真空雰囲気において、より緻密なプレス加圧制御を行う新たなプレス装置の導入により、モールドプレス法に近い高精度製品を、生産対応する。
3) 複合化製品、モジュール製品による高付加価値化
・固体光源化対応として、PIG(ガラス封止蛍光基板)と高耐久性銀ミラー「Hi-Silver®」の複合製品を展開し、高付加価値化を目指す。
・これまでの部品製造・販売に加えて、今後は、モジュール製造・販売への展開を目指す。
4) 事業環境変化への対応 - Withコロナ、Afterコロナ、脱炭素化に対応する商品群
・ウイルスの不活性化等に対応した紫外線高反射膜の販売強化
・深紫外領域の波長選択フィルターの事業化
・パワーエレクトロニクスの性能向上に資する放熱基板の事業化
5) パートナー企業との協業によるソリューションビジネス推進と変動費化
・国内外の企業との協業体制の構築によるソリューションビジネスの推進
・外部リソースの活用による変動費化と需要変動対応力の増強
6) 原材料、電力、燃料等のコストアップへの対応
・サプライチェーンマネジメントによる原材料の調達タイミングの精度向上
7) 売上高総利益率及び営業利益率の目標
・上記の諸施策を確実に実施することにより、2025年度において、当社連結グループで売上高営業利益率10%を目指す。
当社グループの主力事業であるプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズが、プロジェクターの固体光源化、フラットパネルディスプレイの価格低下によるプロジェクター需要の頭打ちの影響を受ける中で、プロジェクター市場の変化に対応した製品の開発及び生産計画の編成並びに並立する事業の柱として次世代自動車向け部品、5G通信インフラ機器向け部品等の新規領域を立ち上げていくため、以下の課題に取り組むことを経営方針としています。
ア プロジェクター、自動車ヘッドランプの固体光源化への対応
プロジェクター、自動車ヘッドランプなどの固体光源化により、光学部品において「耐熱性」、「対候性」、「長寿命」が課題となり、樹脂からガラスへの回帰が進むと予想しております。ヘッドランプ向けの複雑形状のガラスへのニーズ、プロジェクター向けの高精度な内部レンズへのニーズなどを取り込み、開発、生産、販売の体制を構築していきます。加えて、高耐久性銀ミラー「Hi-Silver®」、蛍光体とガラスフリットで基盤を作るPiG(Phosphor in Glass)などの開発・生産・販売を強化してまいります。
イ プロジェクター市場の変化に対応した生産・供給計画及び生産工程の構築
数年ごとの冷修(大規模改修)による設備投資額が大きくなる電気溶融炉について、設備稼働率を維持できるよう生産、供給計画を立てるとともに、将来的には、変動する需要、小ロット生産でも効率的生産を可能とする生産方式の開発、構築を目指します。
ウ スリムで効率的な事業体制の構築による固定費の削減
プロジェクター向けの当社製品の販売が横ばいあるいは減少傾向となる中で、これらの事業単独で引き続き収益が確保できるように、グループ企業を含む陣容及び生産体制の構築に引き続き取り組みます。岡本硝子株式会社 本社及びその他の拠点の機能分担の見直し、ITシステムによる業務合理化を進めていきます。
エ 次世代自動車向け車載部品の事業化の推進
自動車の自動運転、ADAS(先進運転支援システム) 、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの成長分野に向けて、フィルター、カバーガラスなどの開発・生産・販売を強化してまいります。
オ Withコロナ、デジタルトランスメーションに向けた商品展開
Withコロナの事業戦略としてウイルスの不活性化等に対応した深紫外線高反射膜の販売を強化するとともに、深紫外領域の波長選択フィルターの事業化に取り組みます。5G通信部品用ガラスフリットなど加速するデジタルトランスメーションに対応した製品展開を進めます。
カ ソリューションビジネスの拡大、標準化を生かした事業展開
当社グループの品質保証体制と海外拠点のネットワークを生かしたガラス及び光学のソリューションビジネスを拡大していきます。また、2021年7月に深海探査機「江戸っ子1号」を使用した環境調査手法が国際標準規格(ISO23731)となりましたが、引き続き、標準化を生かした事業展開を進めます。
お知らせ