研究開発型企業である当社グループは、創業時より研究開発活動を経営の重要項目の1つとして位置付けております。
当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えることに加えて、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することによって、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。
これは、同業他社ではあまり見られない医療機器分野と産業機器分野の技術循環、日本の研究開発拠点と海外の生産拠点との技術連携など、当社グループならではの強みであります。また、これら当社独自の機能を活かし、近年では、医療現場での豊富な経験を持つ各分野におけるトップドクターとの共同研究開発体制を強化しており、医療現場に密着した製品開発を展開しております。これらの融合が、医療機器分野での競合先との差別化を図り、競争優位性のある製品を供給し続けている大きな要因にもなっております。
また、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、最終顧客であるドクターからのニーズや評価をダイレクトに反映し、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しています。連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.の研究開発拠点をさらに拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいりました。
国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心である瀬戸工場の敷地内に2018年に新社屋を建設し、臨床現場に近い研究開発環境整備を実現いたしました。また研究開発機能強化を目的に、東京R&Dセンターの開設や、グローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)及び東北R&Dセンター(青森県八戸市)に新棟を建設し拡充することを決定するなど、国内の研究開発体制についても、より充実させてまいります。
今後も、当社グループのOnly One技術の発展と、それに伴うお客様のNumber Oneの実現を目指し、研究開発活動を進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費用の総額は、
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(メディカル事業)
ガイドワイヤー、カテーテル製品分野共に、循環器系製品のさらなる進化に向けた取組みを継続すると共に、非循環器系の製品群の強化と拡充に取組んでまいりました。
当社が最も強みを持つガイドワイヤー製品の分野においては、慢性完全閉塞用のガイドワイヤーである「GAIA Next 4th」は、GAIA Nextシリーズの最新のラインナップとして開発されたガイドワイヤーであり、これまでのGAIA Nextで培った技術を更に深化させることにより、GAIA Nextシリーズの特徴を保ちつつ、固い狭窄部位の穿通性を向上させております。本製品により従来のラインナップでは難渋していた慢性完全閉塞の治療時間の短縮にも貢献できる可能性があります。
非血管系の新規領域では、ERCP用ガイドワイヤーのFealder25を開発しました。さらに、消化器用のダイレータとして開発した「Tornus ES」は、従来の通電ダイレータと異なり手元の回転操作により容易に目的部位を貫通させることができるデバイスであり、コアテクノロジーとこれまで血管内治療用の貫通カテーテルで培ってきた製品技術を融合することにより、臨床現場の要求を具現化した製品として開発いたしました。
2022年2月に開所した東京R&Dセンターでは、ソフトウェア技術の研究、センサ技術の研究を推進しております。
また、株式会社FUJIとの協業で開発したエコーガイドロボットは、第一世代のロボットを施設限定で導入、次世代機開発に向けての臨床評価を重ねております。
当連結会計年度における研究開発費は、
(デバイス事業)
医療部材につきましては、当社独自の高機能部材である中空のケーブルチューブ「ACT ONE(アクトワン)」や、トルク伝達性、高速度回転駆動に優れるトルクコイル・ドライブケーブル、破断強度の高いハイテンションワイヤーロープ及びそれらのアッセンブリー技術などが高く評価されており、国内外大手の医療機器メーカーや産業機器メーカーに部材並びに追加工製品を量産納品しています。また、当連結会計年度は、メディカル事業のPTCAガイドワイヤー「Gaia Next」シリーズや、内視鏡ダイレータ「Tornus ES」などの部材の開発を行い、自社ブランド製品を中心とするメディカル事業の新製品開発に加えODM製品の開発にも当事業の技術開発力が寄与しています。
医療機器メーカー向け部材につきましては、ロボティクス、内視鏡処置具及び本体、IVUS、OCT等、産業機器メーカー向け部材につきましては、靴紐、釣糸等、様々な用途に応じた設計・試作を柔軟に対応することにより、新規案件が幅広く増加しています。加えまして、各案件の量産化に向けましての製品検証活動に注力しています。
当事業では引続き、当社のコアテクノロジーを進化させると共に、Only Oneとなる新製品開発や、さらなるレーザー加工技術開発、精密加工技術の深耕などの新たな取組みを行うなどし、様々な分野で採用していただける高機能・高付加価値の技術・製品の開発を行ってまいります。
当連結会計年度における研究開発費は、
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