当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による未曾有の事態となり、今後の収束が見通せない中、生産および輸出入につきましては期末にかけ持ち直しました。
海外経済におきましても、同ウイルス鎮静化の兆しがみえず、また、米中貿易摩擦も深刻化しており先行き不透明な状況であります。
半導体業界におきましては、リモートワークやゲーム等による需要が旺盛で、EUVリソグラフィーに付随する先端投資も継続しました。
このような状況のもと、当社の主力製品であるフォトマスク用CD-SEM「Zシリーズ」や、フォトマスク用DR-SEM(観察および分析)「LEXaシリーズ」等を売り上げ、売上高につきましては概ね2020年11月6日に発表いたしました「業績予想の修正に関するお知らせ」の通り、当初の予想を上回りましたが、利益面につきましては、 次世代機の研究開発に大いに力を入れた ため、修正予想を下回りました。今後長期にわたり顧客の先端投資需要に応えていくために当社は次世代機のリリースを最重要課題と位置付け、全社一丸となり取り組んでおります。
(財政状態)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ2,051百万円増加し、6,320百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べて23.2%増加し、4,722百万円となりました。これは、仕掛品が125百万円、電子記録債権が59百万円減少した一方、未収消費税等が151百万円、現金及び預金が増資等により892百万円増加したことなどによります。固定資産は、前事業年度末に比べて266.4%増加し、1,597百万円となりました。これは、工具、器具及び備品が45百万円減少した一方、新本社工場の建設等により土地が568百万円、建設仮勘定が550百万円増加したことなどによります。この結果、総資産合計は、前事業年度末に比べて48.0%増加し、6,320百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べて24.8%減少し、974百万円となりました。これは、買掛金が68百万円、賞与引当金が60百万円増加した一方、未払法人税等が347百万円、支払手形が41百万円減少したことなどによります。固定負債は、前事業年度末に比べて37.5%減少し、216百万円となりました。これは、退職給付引当金が14百万円増加した一方、長期借入金が140百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて27.5%減少し、1,191百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前事業年度末に比べて95.4%増加し、5,128百万円となりました。これは、公募及び第三者割当による増資を行ったことにより、資本金が1,071百万円、資本準備金が1,071百万円それぞれ増加したことなどによります。
(経営成績)
当事業年度におきましての売上高は3,105百万円(前年同期比27.2%減)となりました。損益につきましては、営業利益611百万円(前年同期比57.6%減)、経常利益587百万円(前年同期比58.9%減)及び当期純利益431百万円(前年同期比55.4%減)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ892百万円増加し、 2,465百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は215百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が541百万円、未収消費税等の増加額が151百万円あった一方、税引前当期純利益が561百万円、減価償却費が100百万円あったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,208百万円となりました。これは主に、敷金及び保証金の返還による収入が45百万円あった一方、土地の取得や新本社工場の建設等により有形固定資産の取得による支出が1,130百万円、無形固定資産の取得による支出が66百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,883百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が156百万円あった一方、公募及び第三者割当増資を行ったことにより株式の発行による収入が2,118百万円あったことなどによります。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 販売先との契約において、機密情報を保持する義務を負っているため、総販売実績に対する割合が10%以上
の相手先は欄外で表示しております。
(アルファベット順)
みずほ東芝リース株式会社
Quanxin Integrated Circuit Manufacturing(Jinan) Co.,Ltd
Semiconductor Manufacturing International Corporation
SK hynix Inc.
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当社は、半導体マスク上の回路寸法を、電子ビームによって測定する微小寸法測定装置の開発・製造・販売を主たる業務としております。
当事業年度は、売上高は当初の年間目標を達成し3,105百万円(前年同期比27.2%減)となりました。
損益につきましては、研究開発費の増加等により営業利益611百万円(前年同期比57.6%減)、経常利益587百万円(前年同期比58.9%減)及び当期純利益431百万円(前年同期比55.4%減)となりました。目標とする経営指標としている売上高総利益率は、52.7%(前年同期比0.7ポイント減)となりました。
地域別の販売実績の特徴として、近年海外アジア向けの売上が中心になっておりますが、売上バランスの均一化を図る為、国内や欧州・米国の売上高増加にも努めております。
地域別の販売実績は、下表のようになっております。
当事業年度は、国内向けの製品販売が全売上高の9.6%を占めており、その結果、海外向け売上高が全売上高の90.4%となりました。
(注) 金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 財政状態に関する分析
当事業年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態および経営成績の状況」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) 各比率の算定方法は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債 ÷ 営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー ÷ 利払い
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、229百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,465百万円となっており、有利子負債残高を超過しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。
この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて計上しておりますが、見積り
には不確実性が伴い、実際の結果は異なる場合があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積もり及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りです。
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