課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、

 「お客様の信頼に応え、価値を創造します」

 「そのために“基本”“創造”“成長”に挑戦し続けます」

を経営理念として掲げ、活動しています。

  当社はあらゆる企業活動において、お客様の信頼に応えることを念頭におき活動してまいります。同時に、お客様に対して価値を創造、提供することに徹することで、株主の皆様をはじめとし、取引先や従業員等すべてのステークホルダーに貢献するとともに、より豊かな社会の実現に向けて尽力してまいります。そのために、会社も従業員一人ひとりも、基本、創造、成長に挑戦し続けます。

 

(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

 世界経済は、新型コロナウイルスの影響により、多くの国や地域で急激な落ち込みが懸念されています。当社グル
ープが関連する自動車業界でも生産や販売に影響が及んでおります。当社グループも従業員の安全を最大限に配慮し
ながら、一日も早い収束を願い、一丸となって対応してまいります。

 また、自動車業界においてはCASE(Connected・Autonomous・Shared・Elect
ricの頭文字で表したもの)に代表される大変革が起こっており、当社グループが展開してきた製品構成も大きく
変化しようとしております。

 当社グループが市場展開している表示系製品分野においては、安全かつ快適な運転をサポートするための様々な情報がコックピットパネル周辺に集約され、それらの情報を制御するための大型表示系製品等の需要が増加する一方、時計やエアコンパネルなどの独立して機能する車載製品の需要は減少傾向にあります。さらには機能性・操作性の充実やデザイン性の向上など、顧客が求めるニーズも日々高度化しております。

 センサ系製品分野においては、近年アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が多発していることから、人やモノを認識し、危険を察知して衝突を防止するなどのセンサ機能の必要性が一層高まっております。これらの機能は、今後安全運転支援機能として自動車への標準搭載が図られていくものと予測されます。また、地球環境への配慮から、低燃費・低排出ガスへの取り組みは自動車業界にとっては恒久的なテーマであり、走行時のエネルギー等を制御する様々な車載センサは、引き続き重要な役割を担っていくものと予測されます。

  このような環境変化は少なからず当社グループの業績に影響を与えておりますが、 製品構成変化を見据え、将来に向けた体制の再構築を行う大きなチャンスと捉え、事業の継続と拡大を確固たるものにすべく目標達成に向けて邁進してまいります。具体的には「2025年の目指す姿」を明確化させその実現に向けた「2021年中期計画」を策定しております。「2025年の目指す姿」としては、

 (1) 事業体制の再編を完遂させ、新たな事業が成長を支えている

 (2) 顧客の信頼を受け、そのモノづくり力で評価を得ている

とし、目指す姿の実現に向け、以下3つを活動の柱として事業運営を進めてまいります。

 ①新たな事業の柱構築のチャレンジ

 ②事業体制の立て直しと競争力の確保

 ③挑戦し続ける人材・風土づくり

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、収益性の安定・向上を目指すべく、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標として位置付けております。中期経営計画の達成に向けて、年度計画の策定や月毎の製品群別採算モニタリング等を実施し、安定的かつ効率的な収益獲得の実現を目指してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①稼ぐ力の強化

 事業を継続的に拡大させていくためには、安定した収益獲得が必要不可欠であり、既存製品における収益基盤をしっかりと固めることが優先的な課題であると捉えております。そのために、引き続き原価低減活動を強化し収益構造の変革を推進してまいります。具体的には、設計からお客様工程までを俯瞰した最適な生産体制の構築により、材料費、加工費等の低減を図ってまいります。

②新規事業の立ち上げ

 当社グループの主力製品である自動車時計やエアコンパネルなどの既存表示系製品に替わり、今後大型表示系製品の需要が拡大していくことが予測されます。こうした中、当社グループでは新たに大型表示系製品の製造委託を新規に受注いたしました。工程設計から量産開始まで、迅速かつ着実に生産準備を遂行してまいります。また、こうした対応によりお客様からの更なる信頼を獲得し、新製品の製造拠点としての地位を確立してまいります。

③管間部門の体質強化

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)などの業務効率化ツールを積極的に活用することにより、管間部門における入力作業や検証作業などの定型業務の工数を削減することが期待されます。効率化を進め、重要性の高い業務へのシフトも進めながら、管間部門の体質強化を推進してまいります。

④挑戦し続ける人材・風土づくり

 社員一人ひとりが力をフルに発揮できるよう人材育成に注力し、これまで以上に質の高い製品、仕事を生み出す活動を推進してまいります。さらに挑戦し続ける人材・風土づくりを目指し、「働き方改革」を通じた職場力向上とワークライフバランスの推進ならびに企業活動のベースとしての持続可能な社会の実現に向けたSDGsの取り組みを推進してまいります。

⑤新型コロナウイルス感染症の影響に対する対策

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界経済が減速し先行き不透明感が強まっております。自動車業界におきましても、工場の稼働停止や個人消費の冷え込みなど、生産や販売に影響が及んでおり、会社業績への影響は必至であります。今後、徐々に復調していくと考えられるものの、本感染症の広がり方や収束時期等を予想することは非常に困難であります。このような状況の中、従業員の感染防止対策を徹底するとともに、低負荷の操業環境下での機動的な生産調整、財務体質維持のための固定費削減の徹底などを緊急的に実施し、今後の当社グループ業績への影響を最小限に抑えるべく努めてまいります。

 

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