課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、以下の企業理念及び行動指針をもとに事業展開を行っております。

a.企業理念

① モノづくりを通し地球環境に配慮した商品を提供することにより社会貢献を行なう

② 「デザイン」「品質」「価格」に魅力ある商品を提供し豊かな生活文化に貢献する

③ 国際感覚を持ち既成概念にとらわれる事無く新たな創造を続ける

b.行動指針

① 法令遵守はもとより社会から尊敬される会社でありつづける

② 自由闊達な社風を維持し、共生と調和のとれた会社でありつづける

③ 企業活動を通し、お客様、社員、株主、さらに広く社会の幸福を実現する

 

 また、当社グループは、現状に満足することなく、新たな「挑戦」へ強い意欲を持ち、これからもお客様にとって価値のあるものを提供し続ける存在でありたいという思いを込めたスローガン「挑戦するって面白い」を全役員及び社員で共有しております。さらに、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、雑貨製品の企画・生産(委託)・販売の事業を展開しており、その業態及び製品の特性上、急激な成長・発展ではなく、安定的かつ継続的な事業成長を志向しております。そのためには持続的に売上を積み上げていくことに加え、利益率向上についても重要な要素であると考えております。特に、継続的な成長を遂げるべく、新製品の開発や製造原価の低減等の取り組みを事業全体で遂行するとともに、利益率が高く、今後のさらなる成長が期待されるeコマースに注力し、その売上高構成比を高めていくことで、グループ全体の営業利益率17%以上を維持することを目標としております。

 また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしては、当社グループにおける「サステナビリティ重要課題」(マテリアリティ)を特定し、企業理念と行動指針のもと、これらの課題に対処・挑戦することで企業としての成長を続けるとともに、企業価値の向上とSDGsの達成を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「モノづくり」を通じた事業を展開しておりますが、社会環境や自然環境、消費者動向などの変化をいち早くキャッチアップし、各事業へ反映させなければ大きな成長を図ることができません。

 2025年8月期を最終年度とする3ヶ年の「トランザクショングループ第4次中期経営計画」においては、今後のさらなる成長を目指し5つの重点戦略を設定しております。

 

1.SDGs推進から生れる製品需要

 2030年までに「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するには、国や企業による積極的な投資が不可欠です。また、企業や個人においては、環境に配慮した製品を選択することで、環境負荷を低減させる行動を重ねることが目標達成に繋がり、今後、この動きは加速していくと考えられます。当社グループは、エコプロダクツにおいて、「SDGs推進から生れる製品需要」に対応する製品の開発に注力しております。環境に配慮した素材、オーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材などを原材料とした製品を数多く開発し、取り扱っております。また、フェアトレード基準を満たしたコットンを使用することで、発展途上国の小規模生産者や労働者に対する持続可能な開発の促進にも貢献いたします。主力ブランド「MARKLESS STYLE」や“使い捨てを使わない”“繰り返し使える”をブランドコンセプトとするエシカルブランド「MOTTERU」などにおいて、顧客企業が抱えるSDGsへの課題を解決してまいります。

 

2.コト消費から生れるモノ消費

 コロナ禍により、人々のライフスタイルは大きく変化しました。しかしながら、様々な「コト消費から生れるモノ消費」のかたちに変化はありません。この様な状況において、消費者は、今までの生活を取り戻す、または、違った形でより豊かな生活を送るための工夫を重ねています。今後のライフスタイルプロダクツは、新しい形に進化していくことが予想されます。ゲーム・アニメ関連製品やペットウェア・関連製品ブランド「Calulu」、ガーデニング製品ブランド「F.O.B COOP」などの販路拡大と新製品の開発に取り組むことで、消費者の需要に適時適切に対応してまいります。

 

3.Afterコロナに訪れるリベンジ需要

 「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」においては、コト消費の代名詞でもある旅行需要が急激に拡大することが考えられます。これらの需要に対して、トラベル関連製品ブランド「gowell」では、販路の拡大と新製品の開発により、ブランドテーマである“より安全に、より快適に、より充実したものに”をキーワードに、「世界中できっと役にたつ旅行用品を!」を念頭に開発した製品の提供に取り組んでまいります。また、ライブ・音楽イベントやテーマパークなども活性化されることに加え、新たなメディアコンテンツについては、多様化・規模拡大が期待されます。これらの変化を先取りすることで、新たな主力業種の開拓を目指します。

 

4.eコマースの強化

 当社グループは、主として企業を対象にビジネスを行ってきたことから、eコマースビジネスにおいても、「BtoB」サイトや「MARKLESS Connect」「MARKLESS Partner」などを中心とした拡大を図ってまいりました。一方で、“コト消費から生れるモノ消費”に親和性がある、トラベル関連製品ブランド「gowell」、エシカルブランド「MOTTERU」、ペットウェア・関連製品ブランド「Calulu」などが、各種メディアに取り上げられる機会が増え、ブランドしての認知度が向上しております。この状況を踏まえ、今後、「DtoC」サイトを順次拡大・強化してまいります。また、物販・OEM向けの自社プラットフォームサイト“オリジナルグッズプレス”においても、ユーザビリティの強化や取扱い製品を充実させることで、ニッチ分野におけるシェア拡大を目指してまいります。これらの「DtoC」サイトを展開・拡大するうえで、更なる利便性の向上に向けた取り組みを行ってまいります。また、SNSを活用したサイト運営を強化することで、利用者の認知を拡げ、売上拡大を目指し、連結売上高に対するeコマースの売上を30%以上に向上させてまいります。

 

5.国内自社製造の強化

 生産面においては、国内自社工場のキャパシティ拡大や新規設備の投資により、物販需要が高い製品の内製化を推し進めてまいります。内製化の推進により、2025年8月期における国内自社工場の売上高27億円を目指すとともに、為替リスクを回避し、利益率の向上に繋げてまいります。

 

 「トランザクショングループ第4次中期経営計画」策定時点では、新型コロナウイルス変異株による感染症拡大の懸念は払拭されていないため影響を与える要因ではありますが、計画達成に向けて5つの重点戦略に取り組んでまいります。

 

(4)経営環境

 当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルスの変異株流行の影響が継続するものの、入国制限の大幅な緩和、全国旅行支援やイベント割が開始されるなど、今後社会経済活動が活性化していくことが期待されます。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まりによるエネルギーや原材料価格の上昇、輸送コストの上昇、世界的な利上げによる円安の進行などによる交易条件の悪化が続いており、今後も交易条件の更なる悪化が懸念されることに加え、中国をはじめとする生産地のロックダウンやサプライチェーンの混乱の懸念など、先行きは不透明な状況が続くものと予想され、予断を許さない状況にあります。

 このような状況下において、当社グループは、「トランザクショングループ第4次中期経営計画」において掲げた5つの重点戦略により、「エコプロダクツ」「ライフスタイルプロダクツ」「ウェルネスプロダクツ」の3プロダクツを中心に、引き続き社会環境や消費動向の変化を逃すことなく適時適切に捉え、効果的に事業を拡大してまいります。

 

 エコプロダクツにおいては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 1.SDGs推進から生れる製品需要」に記載のとおり、世界を取り巻く環境問題に「モノづくり」を通じて、社会貢献とサステナブル社会の実現に貢献してまいります。

 

 ライフスタイルプロダクツにおいては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 2.コト消費から生れるモノ消費、3.Afterコロナに訪れるリベンジ需要」に記載のとおり、今後は、コロナ禍からの反動により社会環境や消費動向が著しく変化していくことが予想されます。また、これまで抑制されていた消費行動を取り戻す動きが活発になることが期待されるため、新しいものに目を向け、挑戦することで事業の拡大を図ってまいります。

 

 ウェルネスプロダクツにおいては、一定の需要に留まるものと考えています。しかしながら、当社グループは、大きな環境変化に対応した迅速な製品開発・供給を可能とする体制を引き続き強化してまいります。

 

 eコマース及び生産面につきましては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 4.eコマースの強化、5.国内自社製造の強化」に記載のとおりであります。

 

(5)会社の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症による影響により、先行きが不透明な状況が継続しております。しかしながら、今後、社会経済活動と感染対策を両立させる動きが加速するなかで、これまでの消費行動に変化が生じ、上手にライフスタイルを楽しむ時代になり、“コト消費”が活発化することで、コト消費から生れる“モノ消費”が大きく動きだすものと予測されます。また、SDGsという言葉、意味が広く浸透し意識が高まる中、環境に配慮した素材を使った製品を取り扱うことが求められます。

 この状況に対応していくために、継続的に企業価値を高め、さらなる企業成長及び収益基盤の強化のため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① サステナビリティへの対応

 当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、サステナビリティへの取り組みを重視しております。経営上の課題として、事業、環境、社会、ガバナンスの観点から当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しており、特に、環境問題は優先して取り組まなければならない重要課題のひとつと認識しております。当社グループは、創業以来、エコバッグ、タンブラー・サーモボトルを始めとした「エコプロダクツ」の開発、供給に注力しております。単に環境に配慮した素材や再生素材を使用した製品を開発するだけではなく、“使い捨てを使わない”“繰り返し使える”を理念とし、「モノづくりから環境を考える」をテーマとして、SDGs達成に向けて環境に配慮した製品の開発・提供を強化してまいります。当社グループは、経営理念と行動指針のもと、マテリアリティに対処・挑戦することで企業として成長を続け、企業価値の向上とサステナブル社会の実現への貢献を継続してまいります。

 

② 適地生産・最適物流の徹底

 当社グループは、製品製造にあたり、中国及びその他のアジア諸国のサプライヤーに生産を委託しております。生産委託先のある各国・各地域には、政治的・社会的な混乱、自然災害、テロ、紛争、疾病、通貨切り上げ等のリスクが存在しますが、有事の際の損害を最小限に抑えるべく、その国や地域の特色を把握したうえで適切な製品生産地を選定し、製造計画を立てるなどの対応を図ってまいります。

 また、地政学的リスクによるエネルギー価格や原材料価格の変動、生産国賃金、輸送コスト、為替変動、感染症による生産地のロックダウンやサプライチェーンの混乱、気候変動等によるコストへの影響を踏まえ、機動的な生産地の切り替えや複数の生産拠点の確保、物流、国内在庫の最適化に加え、国内自社工場での製造を強化してまいります。

 

③ 新型コロナウイルスへの対応

 感染症が再拡大した場合は、当社グループの従業員や関係者の安全確保及び感染症拡大防止を図りながら、社会環境や消費動向の変化を逃すことなく適時適切に捉え、環境変化に対応した迅速な製品開発・供給及び主力業種の開拓により、事業の拡大と収益力の向上に努めてまいります。また、不測の事態に備えて十分な手元流動性を確保してまいります。

 

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