(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことに伴い、前連結会計年度と収益認識に関する会計基準が異なることから、当連結会計年度における経営成績に関する説明については、前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済状況につきましては、世界的なサプライチェーンの混乱、新型コロナウイルス感染の影響の長期化に加え、ウクライナ危機に起因して資源価格が一段と高騰し、円安が加速する等、依然として不透明な状況が続いております。
当食品包装容器業界におきましては、コロナ禍でのライフスタイルの変化に伴いテイクアウト・フードデリバリー向け需要が定着する一方、前期に拡大した巣籠り需要は反動減が見受けられます。
また、世界的に環境意識が一段と高まり、わが国では「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行される中、プラスチック資源循環を通じての地球環境保全への具体的取り組み・行動を加速すべく、当社は環境配慮型素材・製品の拡充、リサイクルの一層の推進に取り組んでおります。
一方で、原油をはじめとした各種素材価格に連動して、プラスチック原材料価格が高騰を続け、また、電力料・物流費も上昇したため、コスト上昇分を自助努力だけで吸収することは極めて困難な状況となったことから、昨年11月に製品価格改定の方針を発表しました。
こうした事業環境下、「エッセンシャルユース」として生活に欠かせない食品包装容器の製造・販売業者として、当社は、衛生・安全管理を徹底するとともに、品質向上・安定供給に努めてまいりました。
中国では、3工場体制での競争力の一段の強化、環境配慮型素材・製品の新規開発を進め、事業基盤を着実に強化しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ852百万円増加し37,347百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ398百万円減少し26,815百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,251百万円増加し10,531百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が47,666百万円(前期は47,936百万円)、営業利益787百万円(前期は2,359百万円)、経常利益979百万円(前期は2,385百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は617百万円(前期は2,170百万円)となりました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績への大きな影響は見られておりません。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
日本では、売上高が39,341百万円(前期は40,884百万円)、セグメント利益727百万円(前期は2,199百万円)となりました。アジアでは、売上高が9,256百万円(前期は7,708百万円)、セグメント利益594百万円(前期は716百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ349百万円減少し、3,229百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、1,716百万円となりました。これは、棚卸資産の増加による減少304百万円等があった一方、減価償却費1,786百万円や税金等調整前当期純利益840百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、863百万円となりました。これは、有価証券の売却による収入115百万円があった一方、固定資産の取得による支出1,008百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、1,404百万円となりました。これは、長期借入れによる収入3,730百万円があった一方、長期借入金の返済による支出4,368百万円やリース債務の返済による支出766百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントの区分に替えて種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
高機能食品容器 |
14,926 |
- |
汎用食品容器 |
20,420 |
- |
調味料容器 |
679 |
- |
合計 |
36,026 |
- |
(注) 金額は、平均販売価格によっております。
b.受注実績
当社は、一部特注品を除き、見込み生産方式を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントの区分に替えて種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
製品 |
|
- |
高機能食品容器 |
15,047 |
- |
汎用食品容器 |
20,564 |
- |
調味料容器 |
1,008 |
- |
その他 |
1,241 |
- |
製品計 |
37,860 |
- |
商品 |
9,587 |
- |
その他 |
33 |
- |
その他の収益 |
184 |
- |
合計 |
47,666 |
- |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
三菱商事パッケージング㈱ |
4,410 |
9.2 |
3,774 |
7.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、「エッセンシャルユース」として生活に欠かせない食品包装容器の製造・販売業者として、当社は、衛生・安全管理を徹底するとともに、品質向上・安定供給に努めてまいりました。
中国では、3工場体制での競争力の一段の強化、環境配慮型素材・製品の新規開発を進め、事業基盤を着実に強化しております。
国内においては、世界的な環境意識の高まり、ライフスタイルの変容等、社会構造の大変化を見据え、当社として「変革、挑戦、開発」をスローガンに掲げ、以下施策に取り組んでおります。
・環境配慮型素材・製品への注力
「C-APG」(リサイクルPETを原料とする)、「TALFA」(天然素材タルクを主原料とし石油由来プラスチック使用量を削減する)、「MAPKA」(紙を主原料とし石油由来プラスチック使用量を削減する)、「バイオCT」「バイオCF」(植物由来原料を使用したバイオマスプラスチックを含有する)の5素材を、CO2排出削減等に寄与する戦略素材と位置付け、新製品投入・品揃えの拡充を進めてまいりました。また、独自の発泡素材や薄肉化、トップシール化により軽量化を実現できる製品を拡販し、プラスチック使用量を減らす取り組みを強化しております。
・食品ロス削減に貢献するロングライフ容器の拡販
SDGsへの取り組みとして大変重要な課題の一つである食品ロス削減に寄与する製品として、ロングライフ容器「Ever Value」シリーズの提案・販売促進を強化しました。
・開発機能の強化
「環境」と「機能」を切り口に、市場ニーズの変化に迅速に対応すべく、市場開発・研究開発陣容を拡充するとともに、マーケティングを含めて社内横連携を強化しております。
中国では、環境規制が日本以上に具体化しつつあり、当社中国法人は、生分解性プラスチック等新素材の開発や、紙・植物を原料とする新製品の拡充等を進めております。事業環境の劇的な変化をチャンスと捉え、巨大市場中国での市場シェア向上並びに日本本社との連携を強化しております。
原材料価格高騰に伴い、利益率は前期比低下していますが、生産性を高め、省人化を進める等で事業基盤の強化に取り組んでおります。
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産は、現金及び預金の減少349百万円や商品及び製品の減少248百万円等があった一方、原材料及び貯蔵品の増加641百万円や売掛金の増加389百万円、仕掛品の増加146百万円等により前連結会計年度末に比べ852百万円増加し37,347百万円となりました。
(負債)
負債は、支払手形及び買掛金の増加457百万円や長期借入金の増加439百万円等があった一方、1年内返済予定の長期借入金の減少1,077百万円や未払金の減少476百万円等により前連結会計年度末に比べ398百万円減少し26,815百万円となりました。
(純資産)
純資産は、為替換算調整勘定の増加652百万円や親会社株主に帰属する当期純利益617百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,251百万円増加し10,531百万円となり、自己資本比率は28.2%となりました。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、47,666百万円(前期は47,936百万円)となり、前連結会計年度に比べて、270百万円の減少となりました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、10,786百万円(前期は13,203百万円)となり、前連結会計年度に比べ2,417百万円減少しました。売上総利益率は22.6%(前期は27.5%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、「収益認識に関する会計基準」等を適用したことに伴う販売促進費の減少等により前連結会計年度に比べ845百万円減少し、9,998百万円(前期は10,843百万円)となりました。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は787百万円(前期は2,359百万円)となりました。営業利益率は1.7%(前期は4.9%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益181百万円等により前連結会計年度に比べ71百万円増加し、426百万円(前期は355百万円)となりました。営業外費用は、「収益認識に関する会計基準」等を適用したことに伴う売上割引の減少等により前連結会計年度に比べ95百万円減少し、235百万円(前期は330百万円)となりました。以上の結果、経常利益は979百万円(前期は2,385百万円)となりました。経常利益率は2.1%(前期は5.0%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ6百万円減少し、0百万円(前期は6百万円)となりました。特別損失は、固定資産減損損失81百万円等の発生がありましたが、前連結会計年度に比べ152百万円減少し、139百万円(前期は291百万円)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は617百万円(前期は2,170百万円)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は13,111百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,229百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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