文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、食品包装容器メーカーとして社会生活基盤を支える事業を担い、「安全」と「安心」を「安定的に」世に提供していくことを使命として今日を築き上げました。環境配慮、ライフスタイルの変化、デジタル化の進展等、社会構造の変化に沿った「お客様への良質な製品とサービスの提供」を実現すると共に、3製造拠点を有する中国を中核として、積極的な海外事業活動を推進してまいります。
(2)経営戦略等
激変する事業環境の下、企業価値の継続的な向上を実現すべく、社是「全員創意」に沿い、常に会社全体の変革に取り組み、新市場・成長市場の開発に全社一丸となって挑戦し、経営トップから新入社員に至るまで、全社員が創意工夫を凝らして開発に取り組んでまいります。すべての企業活動は「ヒト」があって成り立つとの理念の下、人材育成を最重要課題の一つと位置付けて取り組んでまいります。具体的な施策として、次の事項を掲げております。
①環境対策への取り組み
容器製造事業者として、容器包装リサイクル法や、2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促 進等に関する法律」での責任を果たしつつ、加えて、安全・安心を担保した自主的な取り組みとしての店頭回 収リサイクル(循環型リサイクルシステムの構築)、また、事業活動から発生するCO2の排出削減等、環境配慮への取り組みを進めてまいります。
②新素材・新技術による製品開発
世界的な環境意識の高まりの下、リサイクル素材C-APG、環境配慮型素材TALFA、バイオCT、バイオCF、MAPKA、食品ロス削減に寄与するロングライフ製品及び冷凍食品に対応した製品を上市してまいりました。今期も、環境負荷低減に資する製品の開発、上市に注力すると共に、市場ニーズに合致する素材の開発、差異化による競争力向上に努めます。開発にあたっては、中国事業、業務提携先や外部研究機関等との協業も視野に入れ、迅速な素材開発を促進します。
③機能強化
・モノ造りの基盤強化と「安全、安心」の担保
安全、品質、原価を最も重要な事項と位置付け、全社をあげて継続的な改善に取り組むと共に、製造技術・生産技術・技術開発の継続的な強化に取り組んでまいります。お客様への良質な製品とサービスを提供すべく、最適生産体制を構築すると共に、不断の生産性向上を図り、標準化・平準化・省力化・省人化・自動化を進めていきます。
新型コロナウイルス感染防止につきましては、「食」に関わる事業会社としての社会的使命を旨に、引き続き衛生・安全管理に万全を期し、事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応してまいります。
・営業力の強化
お客様第一主義の下、市場ニーズ把握力、提案力を高め、市場動向を先読みし、環境配慮型製品を含め、世の為、人の為となる製品を提供すると共に、お客様の要望、困りごと等に真摯かつ迅速に対応してまいります。
・SCM体制の強化
当社製品並びにサービスを迅速かつ効率的にお客様にお届けすることを第一に掲げ、その為の受注、調達、生産、販売、物流等、当社内すべての機能の最適化、並びに、その連携を徹底し、SCМ機能を強化してまいります。
④海外事業の強化
巨大市場かつ成長市場である中国においては、現状3工場体制での最適生産、競争力の一段の強化、継続的 な技術力向上に加え、食の安全・安心、プラスチック環境問題等の意識の高まりに沿った市場ニーズ変化に積極的に対応、従来の石油由来の素材製品に加え、環境素材製品、非プラスチック製品の提供を進めていきます。また、素材・製品の開発並びに販売において、日本との連携、協業を強化してまいります。
⑤人材育成
従業員の能力開発プログラムとして、内定者から管理職までの各階層別研修の他、営業活動や生産活動、コンプライアンスといった目的別研修についても、社外セミナーの活用も含めて実施しています。また、新入社員育成の為のインストラクター制度の導入や、「会社への建設的な施策提案に向けた小集団活動」の社内展開、更には各部門が自主的に企画・運営する「社内勉強会」等、従業員個人の成長が当社の発展につながるという考え方の下、人材育成に一層注力してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高及び営業利益、経常利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いております。
(4)経営環境
日本の総人口は減少傾向にありますが、単身世帯、共働き世帯数の増加といった社会構造の変化により「中食」市場は拡大傾向にあります。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、巣籠りにより拡大した内食需要はピークオフしつつありますが、外食業界におけるテイクアウト・デリバリー関連需要は構造化しました。今後経済活動の正常化に伴い、イベント、観光、外食等向け需要の回復が見込まれます。
一方、地球温暖化、海洋プラスチックごみ問題、食品廃棄ロスといった環境問題に対する関心の高まりが世界的な潮流となってきています。こうした大きな変革期を迎える経営環境に対し、当社グループとしては、石油由来の原材料の使用量低減によるCО2排出削減、店頭回収リサイクルの推進およびリサイクル素材の有効活用の促進、環境配慮型素材・製品の開発の促進等をもって持続的な成長へつなげていく必要があります。日本以上に環境問題への対応スピードが速い中国事業においては、更に環境対応素材の開発、取込みが重要であり、日本事業との素材開発協業等、連携を強化することで、当社独自の価値を生み出すことができると考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、前述の「経営戦略等」に基づき、「安全」と「安心」とを重視しながら、地球環境保全、資源循環を念頭に、次の課題に取り組んでおります。
①法令遵守体制の維持・強化
②環境対策 (省資源対策の継続実施・循環型リサイクルの更なる推進、環境負荷低減)
③素材・製品開発力の強化並びに技術力の向上
④品質管理・保証の強化並びに品質向上に向けた継続的な取り組み
⑤製造原価の低減
⑥営業力の強化
⑦物流費の削減
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