当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ9億87百万円増加し、136億4百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて11億62百万円増加し、74億39百万円となりました。これは主に受取手形、電子記録債権と売掛金の増加によるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて1億74百万円減少し、61億64百万円となりました。これは主に有形固定資産と関係会社株式の減少によるものです。
流動負債は、前事業年度末に比べて11億34百万円増加し、53億93百万円となりました。これは主に買掛金と短期借入金の増加によるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて4億71百万円減少し、26億74百万円となりました。これは主に長期借入金の減少によるものです。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて6億62百万円増加し、80億68百万円となりました。
純資産は、前事業年度末に比べて3億24百万円増加し、55億35百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことにより、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長による経済活動の制限が緩和され、緩やかな回復基調にありました。しかしながら、新型コロナウイルス変異株の再拡大によるサプライチェーンの混乱、急速な環境意識の高まりとロシアのウクライナ侵攻による資源価格・原材料価格の高騰に加えて、アメリカの金融引き締めによる金利上昇などにより先行きの不透明感は一層高まることとなりました。
当社と関係の深い住宅業界におきましても、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長による影響に加え、欧米発のウッドショックや、輸送船の世界的な不足による納期遅延により住宅資材の需給は引き続き逼迫した状態であり、2月にはロシアのウクライナ侵攻により住宅資材価格が一層高騰することとなりました。しかしながら、コロナ禍における働き方改革による住宅関連各社の営業活動の回復や在宅勤務の広がりに加え、昨年末の従来型住宅ローン減税の終了に伴う駆け込み需要が発生し、新設住宅着工戸数の4月から3月累計は、前年比6.6%増加となりました。
この結果、当事業年度の売上高は107億76百万円(前年同期比18.3%増)となりました。国内製品のスターウッドは、55億21百万円(同23.9%増)、スターウッドTFBは、39億38百万円(同22.5%増)となりました。輸入商品は13億8百万円(同8.2%減)となりました。営業利益は4億36百万円(同237.5%増)、経常利益は4億47百万円(同99.7%増)、当期純利益は3億77百万円(同153.5%増)となりました。
前事業年度は連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりましたが、当事業年度からキャッシュ・フロー計算書を作成しているため、前期との比較はおこなっておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16億74百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によって得られた資金は、1億76百万円となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加と割引手形の減少によるものです。
投資活動によって使用した資金は、2億43百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
財務活動によって使用した資金は、71百万円となりました。これは主に短期借入金の純増と長期借入金の純減によるものです。
当事業年度における生産実績を事業部門等ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当事業年度における仕入実績を事業部門等ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績を事業部門等ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 事業部門等間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)当事業年度における大建工業㈱及び双日建材㈱の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)に記載のとおりであります。
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ9億87百万円増加し、136億4百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて11億62百万円増加しました。これは主に売上高の増加により、受取手形が1億71百万円増加、電子記録債権が5億28百万円増加、売掛金が3億81百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて1億74百万円減少しました。これは主に減価償却が進んだことにより有形固定資産が74百万円減少、子会社の吸収合併により、関係会社株式が1億13百万円減少したことなどによるものです。
流動負債は、前事業年度末に比べて11億34百万円増加しました。これは主に生産量の増加により、買掛金が4億98百万円増加、短期借入金が3億50百万円増加、1年以内返済予定の長期借入金66百万円増加、未払法人税等が88百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて4億71百万円減少しました。これは主に長期借入金が4億45百万円減少、繰延税金負債が24百万円減少したことなどによるものです。
純資産は、前事業年度末に比べて3億24百万円増加しました。これは主に繰越利益剰余金が3億30百万円増加したことなどによるものです。
当事業年度における当社業績につきましては、国内の新設住宅着工戸数の回復や輸入MDF、針葉樹合板の代替需要増加を背景に、国内製品は構造用途をはじめ、主力の建材用途、フロア用途基材の引合いは想定以上でありました。しかしながら、国内工場での生産量が販売量に追い付かず、サプライチェーンの混乱により輸入商品も在庫不足が慢性化した状態であったため、販売量をある程度抑制せざるを得ない状況でありました。
生産においては、原油価格と連動するエネルギー費及び接着剤費が大幅に上昇しましたが、好調な販売の下、積極的な経費抑制活動とフル生産により、売上原価を一定程度抑えることが出来ました。一方、販売においては、国内のMDF需給が逼迫する中、原材料単価上昇分の値上げに対する市場の理解も浸透しました。
この結果、当事業年度の売上高は107億76百万円(前年同期比18.3%増)となりました。国内製品のスターウッドは、55億21百万円(同23.9%増)、スターウッドTFBは、39億38百万円(同22.5%増)となりました。輸入商品は13億8百万円(同8.2%減)となりました。営業利益は4億36百万円(同237.5%増)、経常利益は4億47百万円(同99.7%増)、当期純利益は3億77百万円(同153.5%増)となりました。
また、当社の重視する経営指標であるEBITDAは7億95百万円となり、ROICは3.1%となりました。
EBITDA=経常利益+支払利息+手形売却損+減価償却費
ROIC=(経常利益+支払利息+手形売却損-受取利息)×(1-法定実効税率)÷(株主資本+有利子負債)
ROICは法定実効税率を30.62%を前提として計算しております。
2022年度を最終年度とする中期経営計画(H-Pride2022)の目標及び進捗状況については、次のとおりであります。
2021年度は、中期経営計画(H-Pride2022)の2年目でありました。2020年度に発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより世界景気は大きく後退したものの、ワクチン接種の浸透により経済が回復する年となりましたが、経済大国の急速な経済回復による需給の逼迫と温室効果ガス排出量の抑制に対する各国の施策により原油、石炭、LNGは高騰し、それを原料とする製品の原材料単価は大きく値上がることとなりました。また、慢性的な船数不足と変異型コロナウイルスの発生による寄港地のロックダウンは、物流の混乱と輸送費の高騰を引き起こしました。
木質業界においては、これら急激な経済大国の経済回復と世界的な物流の混乱により、国内で木質資材不足が発生し、木質資材価格が高騰するウッドショックが起こりました。
このような状況の中、当社の業績に大きく影響する新設住宅着工戸数は、コロナ禍前には届かないものの前年比6.6%増と回復しました。加えて、前述のウッドショックの影響によるMDF以外の木質ボード不足による代替需要の発生や、深刻な輸入MDFの不足により需要は旺盛な年となりました。これに伴い、汎用品生産の一部を国内回帰させるなど、中期経営計画の重点施策は進めつつも旺盛な需要に対応し、国内生産はフル生産で対応することとなりました。一方、エネルギー費と原材料費に関しては、短期間での経験したことの無い値上がりが起こりましたが、販売価格への転嫁により利益の維持に努めました。
重点施策である高付加価値製品収益基盤の強化については、主軸となるフロア基材の需要は旺盛で引き合いは強いものの生産量が追い付かずに販売制限を掛けざるを得ない状況となりました。
省エネ強化・環境貢献促進においては、昨年稼働始めた比重差選別機により建築解体材や針葉樹のマテリアル利用量を増加させることが出来たと同時に、工場消耗品費の抑制にもつながり製造原価上昇を抑えることにつながりました。
構造用の拡販におきましては、品質の訴求により壁用途のみならず、屋根野地用途、床下地用途、胴縁用途と用途が広がり始めており、現在も堅調に販売量が伸びてきています。
また、2021年度は完全子会社であったC&H株式会社を吸収合併し、経営判断の迅速化、業務の効率化、人的資源の有効活用が進みました。
最終年度である2022年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続くと予想され、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰や欧米の金融政策による円安進行が及ぼす原材料単価へのインパクトやインフレによる新設住宅着工戸数へ影響は2021年度にも増して不透明な状況ですが、当社としては2019年度に作成した環境負荷低減を意識した中期経営計画(H-Pride2022)を目標に掲げ、以下の重点施策を引き続き重点課題として捉え、2022年度の最終目標に向けて、今後より一層努力してまいります。
(高付加価値製品の収益基盤強化)
生産効率の向上、安定したサプライチェーンを意識した原材料の選択、フロア基材用途の品質改良や構造用途の拡販を推進し売上拡大による収益の最大化を図ってまいります。
(生産・販売プロセスの省エネ強化・環境貢献促進)
環境貢献・省エネルギー・地域貢献の3つのキーワードを軸とし、マテリアル利用においては社内で発生した木粉の利用促進や、建築解体材、国産針葉樹の利用率向上を推進し、中長期的な視点では、CO2の排出量削減を目的としたバイオマス等へのエネルギー改革を推し進めてまいります。
(住宅の省エネに貢献できる商品の開発)
東南アジアではパーム椰子伐採後のOPT(Oil Palm Trunk:パーム廃棄古木)は大部分が放置廃棄され、土壌汚染や温室効果ガスであるメタンガス発生が問題となっています。当社では、このOPTを製品の原料として活用し、環境に貢献していける技術を他社と共同で開発することに取り組んでいます。
(構造用MDFの販売促進)
透湿性能、耐震性能、防腐防蟻性能などMDFの優位性を訴求し、耐力壁のみならず、屋根野地材、床下地材にも用途展開を行い、拡販推進を更に強化してまいります。
当社の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益、減価償却費、売上債権・棚卸資産・仕入債務等の増加や割引手形等の減少により、1億76百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、生産設備への投資等により2億43百万円の支出となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額は、67百万円の支出となりました。
当社の資金需要の主なものは、原材料費、エネルギー費、修繕費、設備投資、配当金の支払い等であります。また、その資金の原資は、主に営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入等であります。なお、金融機関の借入枠等を勘案すれば、充分な資金が確保できるものと認識しております。
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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