業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況に大きく影響を受けつつ推移しました。緊急事態宣言は9月末に、まん延防止等重点措置は3月下旬に全面解除されたものの、新たな変異ウイルスによる感染再拡大に加え、エネルギー価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢による世界経済の落ち込みが懸念されるなど、景気の先行きに注意を要する状況が続いております。

印刷業界においては、一部で持ち直しの動きはあったものの、販促や旅客需要の回復遅れに加え、生活様式の変化によるデジタル化の加速を受けた紙媒体の需要減少、原材料価格の高騰等により、既存の印刷事業で厳しい経営環境が続きました。

このような状況の中、共同印刷グループは当連結会計年度を初年度とする4ヵ年の中期経営計画を策定し、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づいて、各種施策に取り組みました。

情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」することをめざし、コンテンツを生かした事業機会の獲得や、販促及び業務支援事業のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案など、注力領域の強化とデジタル領域の伸長に取り組みました。

生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、環境配慮製品の開発や提案を強化するとともに、食品・日用品向けのパッケージやラミネートチューブの受注拡大の取り組みを進めました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は、884億1千6百万円(前期比2.9%減)となり、営業利益は7億5千6百万円(前期比16.8%増)、経常利益は12億9千8百万円(前期比3.6%減)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益12億2千4百万円、補助金収入3億2千7百万円、特別損失に独占禁止法関連損失7億6百万円、特別転進支援費用5億2千5百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円(前期比17.1%減)となりました。

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

情報コミュニケーション部門

出版印刷では、各種コンテンツ制作や、知育・教育関連分野の受注拡大に取り組みました。書籍の好況を受けて、辞典や教材などの教育関連や単行本・新書などが前期を上回ったほか、雑誌の付録、人気まんがの原画展等の販促物・グッズといったコンテンツ周辺領域も増加しました。しかし、定期刊行物を中心に雑誌が減少、また、収益認識会計基準の適用等の影響もあり電子書籍が減少したため、売上高は前期を下回りました。

一般商業印刷では、販促需要の回復は不十分ながら、POPやパンフレット等は、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ前期を上回りました。また、発送作業などを含むロジスティクス関連業務やDMも好調に推移しました。しかし、カタログは廃止やデジタル媒体への移行等で減少し、前期を下回りました。

以上の結果、部門全体の売上高は334億2千7百万円(前期比5.8%減)、営業損失は1億8千6百万円(前期は営業利益9千2百万円)となりました。

 

情報セキュリティ部門

金融機関や官公庁・自治体への提案推進による受注獲得に取り組むとともに、法人決済ソリューション事業の拡大のため、法人向けプリペイドカードサービス「Bizプリカ」の拡販に注力しました。

ビジネスフォームは、データプリントやBPOが新型コロナワクチン関連など自治体を中心に増加し、前期を上回りました。また、証券類は、コロナ禍における人流停滞の動きが依然として残る中、乗車券類が前期を上回ったほか、抽選券類も前期並みに推移したため、前期を上回りました。しかし、カードについては、金融系が順調に推移したものの、交通系ICカードが旅客需要の回復遅れ等の影響を受けたことにより、前期を大きく下回りました。

以上の結果、部門全体での売上高は251億8千7百万円(前期比3.2%減)、営業利益は6億4千8百万円(前期比5.9%増)となりました。

 

生活・産業資材部門

紙器は、業務用を中心としたラップカートン等が減少した一方で、密を避けた行動推奨等でデリバリーなど中食市場向けの耐油性カートンが好調に推移したことなどから前期並みとなりました。軟包装は、即席麺のフィルム包材や蓋材が増加したことに加え、中容量フレキシブルコンテナー「ハンディキューブ」などの液体向け包材も堅調に推移し、増加しました。

チューブは、UVケア製品など化粧品向けの需要回復が遅れているものの、歯磨き向けが堅調に推移し、食品向けが調味料用を中心に好調だったため、前期を上回りました。ブローボトルは家庭での需要が一服したものの前期並みで推移しました。しかし、産業資材は医薬品向けを中心に減少しました。

以上の結果、部門全体での売上高は280億2百万円(前期比3.4%増)、営業利益は1億2千3百万円(前期は営業損失1億1千7百万円)となりました。

 

その他

売上高は、物流業務の受注減などで17億9千7百万円(前期比26.2%減)、営業利益は1千5百万円(前期比92.1%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億6千9百万円減少し88億9千万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、54億2千1百万円(前期比2億1千7百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億9千4百万円、減価償却費54億6千2百万円の計上があった一方、売上債権の増加6億3千万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、66億3千2百万円(前期比7億6千9百万円減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出78億9千4百万円と、投資有価証券の売却による収入14億4千1百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、26億1千8百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億8百万円、配当金の支払8億3千4百万円があったことによるものです。

 

生産、受注及び販売の状況

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

33,435

94.4

情報セキュリティ部門

24,554

96.4

生活・産業資材部門

27,885

103.4

その他

1,790

73.0

合計

87,666

97.1

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

33,287

96.4

6,252

97.8

情報セキュリティ部門

24,730

105.5

6,525

93.4

生活・産業資材部門

28,615

107.6

7,399

109.0

その他

1,804

81.6

71

110.1

合計

88,437

101.9

20,249

100.1

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

33,427

94.2

情報セキュリティ部門

25,187

96.8

生活・産業資材部門

28,002

103.4

その他

1,797

73.8

合計

88,416

97.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①財政状態の分析

総資産は、1,291億2千1百万円(前連結会計年度末1,290億7千7百万円)となり、4千3百万円増加しました。これは主に、新社屋竣工などにより有形固定資産が41億8千8百万円増加した一方、現金及び預金が38億5千9百万円減少したことによるものです。負債は、678億4千3百万円(前連結会計年度末661億3千3百万円)となり、17億9百万円増加しました。これは主に、短期借入金が68億4千万円増加したことと、一年内償還予定の社債が50億円減少したことによるものです。純資産は、612億7千7百万円(前連結会計年度末629億4千4百万円)となり、16億6千6百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6億8千3百万円に対し、配当金の支払8億3千4百万円、自己株式の取得10億円があったことによるものです。

 

②経営成績の分析

当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。

情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門においては、新型コロナウイルス感染症の影響による「新しい生活様式」の定着等を受けてデジタル化が一層加速し、紙媒体の需要減少が続きました。当グループの経営にとって大きな課題となる一方、非対面・非接触のコミュニケーション促進やパーソナルデータの活用など新たな付加価値を訴求したサービスの提案機会が増加しております。生活・産業資材部門においては、密を避けた行動推奨等により、デリバリーなどの中食市場向けカートンや即席麺向け軟包装といった包材の需要が拡大しました。また、気候リスクへの認識が世界的に高まる中、生活者の意識向上によって持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進展し、環境配慮製品の需要と受注の機会が拡大しております。

このような中、当社グループは当連結会計年度の計画を、売上高930億円、営業利益9億円、経常利益14億円、親会社株主に帰属する当期純利益8億5千万円といたしました。計画達成をめざし、情報コミュニケーション部門においてはデジタルコンテンツや知育・教育関連分野の受注拡大とともに、新しい接客の形を実現するソリューション提案の推進等に取り組みました。情報セキュリティ部門では、豊富なノウハウと高いセキュリティ環境を武器に金融機関や官公庁・自治体等への提案を推進するとともに、法人決済ソリューション事業の拡大に注力しました。生活・産業資材部門においては、外出自粛で需要が拡大した食品・日用品向けのパッケージの受注拡大に取り組むとともに、持続可能な社会の構築に貢献するため、軟包装やチューブで環境配慮製品の開発を推進しました。

以上の結果、売上高は、教育関連の書籍のほか、自治体を中心にデータプリントやBPOが増加、また、歯磨き向けチューブ等が堅調に推移しましたが、定期刊行物や、緊急事態宣言延長に伴う人流停滞等の影響で乗車券類及び交通系ICカードの需要が減少したため、情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門で計画を下回り、全体で884億1千6百万円と前期を下回りました。利益については、売上高の下回りのほか、特に生活・産業資材部門において原材料費が価格転嫁を上回る速度で上昇したため、営業利益は7億5千6百万円、経常利益は12億9千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円となり、いずれも計画を下回りました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。

当連結会計年度は、株式会社みずほ銀行などの金融機関から、運転資金として18億円、社債償還資金として50億円の資金調達を実行しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は282億7千8百万円、現金及び現金同等物の残高は88億9千万円となっております。また、複数の金融機関との間で合計50億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高50億円)。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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