事業等のリスク

2【事業等のリスク】

[方針]

当社グループのリスク管理体制は、取締役の監督のもと、通常の業務執行において各部門がリスクの顕在化を予防するための日常的なマネジメントを行うほか、「内部統制委員会」「品質保証委員会」「製品安全委員会」「情報セキュリティ委員会」「環境委員会」など担当執行役員を中心とした専門委員会が連携し、全社視点でのリスクの特定・分析・評価・対応を行い、課題解決に努めております。

また、不測の事態が発生した場合は「危機管理委員会」が中心となって情報管理・情報共有を図り、関連部門と連携しながら対応にあたります。代表的な危機局面における対応フローをまとめた「危機管理マニュアル」を策定し、事業環境の変化に応じた見直しを随時行いながら有事に備えております。

 

<リスク管理体制図>

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[個別のリスク]

当社グループの経営成績、株価及び財政状況に影響を及ぼす可能性のある事項については以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

なお、当該事項は、本書提出日現在において入手し得る情報にもとづいて判断したものであります。

 

(1)当面の注意を要するリスク

① 印刷需要の変化について

  当社グループは、企業・団体及び官公庁向けの印刷物を多く取り扱っております。昨今のペーパーレス化の進行などに対しては、比較的堅調な需要品目への対応強化や電子書籍事業への注力等により売上確保を図るとともに、生産体制の再構築等による生産性の向上等に努めております。しかし、想定を上回るスピードで印刷需要が大きく変化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 価格競争について

  当社グループが事業を展開する市場の一部は、競争の激化により受注価格の低下が進んでおります。当社グループは、付加価値の高い製品の開発による差別化やサービスの向上、コスト削減による利益の確保に努め、価格低下に対応していく方針でありますが、さらなる競争の激化により今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制・コンプライアンスについて

  当社グループが事業を行う上では、環境法、下請法、製造物責任法、独占禁止法等、さまざまな法的規制の適用を受けております。これら法的規制の遵守を徹底するため、当社グループでは、「グループ企業行動憲章」に基づき、法令遵守をCSR活動の主要テーマとして定め、従業員に対する教育や内部監査に努めております。しかし、規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、また、これらの法的規制に抵触するような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  当社は、2022年3月3日、日本年金機構の帳票作成業務等の入札に関して、公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。この事実を厳正かつ真摯に受け止め、改めて、法令への理解促進や社内チェック体制の強化等に取り組み、再発防止に努めているところですが、万一、再度、独占禁止法違反が判明した場合には、法的制裁を受けるだけではなく、社会的信用の失墜をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 大規模災害・感染症等について

  当社グループでは、BCP基本方針を定めるとともに、データ処理事業を対象とした「事業継続マネジメントシステム(ISO22301)」の認証取得による事業継続体制の整備、建物や製造設備には防火・耐震対策を実施しております。こうした対策により経営への影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、大規模地震や感染症などにより、事業所の設備や従業員等が予想を越える被害を受け、事業活動が停滞、又は製品供給に支障が生じた場合、設備等の修復にかかる多額の費用を含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  なお、新型コロナウイルス感染症については、国内の感染者数が減少傾向に転じているものの、依然として高位で推移しており、現時点での終息見通しは未だ不透明な状況にあります。感染再拡大等により当社グループの想定を超えて経済状況の悪化が長期化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、企業のプロモーションに関わる製品やサービスの減少、各種試験の中止・延期等によるBPOの需要減少、旅客需要の低迷による交通系ICカードや乗車券類等の減少が考えられます。

 

(2)その他のリスク

① 業務提携、投資、企業買収の可否

  当社グループにとって業務提携、投資、企業買収等は事業の成長性向上のために重要な活動です。最大限の成果を上げるために、資本効率を含めさまざまな角度から検討し、その可否を決定するとともに、当該事業計画の進捗状況については定期的なモニタリングを実施しております。しかしながらその成果は提携先の動向、投資先の業績、買収先の財務内容等に依存する部分があり、当初の目的が果たせない場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報セキュリティの管理について

  当社グループでは、「プライバシーマーク」の認定や「情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)」の認証取得に積極的に取り組み、個人情報や機密情報を安全かつ正確に管理するとともに、危機管理委員会の下部組織である「TOMOWEL-CSIRT」を中心に、不正アクセス、情報の紛失・改ざん及び漏洩などの予防について万全な対策を講じております。しかしながら、万一情報が流出した場合には、当社グループに対する信用低下や事後対応などのコスト増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 製品の品質について

  当社グループは「共同印刷グループ品質方針」に基づき、ISO9001をはじめとする各種外部認証取得のほか、製品安全委員会を中心とした製品安全推進体制を基盤とし、徹底した品質管理のもとで製品を製造しております。しかしながら、設計上あるいは製造工程上の不備により製品に欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原材料の調達について

  当社グループの事業を維持するためには、原材料を安定的に調達することが求められます。しかし大幅な市況変動等により、主要原材料の価格が高騰し、原材料以外のコストの削減でカバーできない場合や販売価格へ適正に転嫁できない場合、また、調達先が災害などにより被害を受け、調達の遅延又は停止が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 技術動向への対応について

  当社グループは、技術開発による顧客価値提供を実現しているため、技術開発の遅れや技術動向の変化に対応できなかった場合、競争力の低下から受注減少につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。それに対しては、環境対応などの市場要請や法令改正等を含め、当社の事業領域に関連する技術動向の調査、分析など定点観測を行い、10年先を見据えた新機能や新製品の開発など、顧客価値創出を推進しています。

 

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