課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、一層の企業価値向上を目的に、経営理念の核となるZACROS GROUP CONCEPTを制定しました。ZACROS GROUP CONCEPTは、『「つつむ心」で寄り添い、なくてはならない豊かさへ。私たちは、次の世代に誇れる未来をつくり続けます。』というZACROS VISIONと、このVISIONを実現するための『応えるを、超える。』というZACROS ACTIONから構成されます。当社グループは新たなZACROS GROUP CONCEPTのもと、以下の4つの事業領域で、新しい豊かさをステークホルダーと共に探し、共につくり続けます。

 

(ウェルネス事業)

 身体と心の健康と安心を支える製品とサービス、先進技術の組み合わせで、生活のあらゆるシーンに寄り添い、一人ひとりの健やかな毎日を実現します。

 

(環境ソリューション事業)

 社会全体のムダ・ロス削減の取り組みを継続することで、循環型社会を共創し、持続可能な暮らしを実現します。

 

(情報電子事業)

 これからの社会が求める価値を創造し、素早く柔軟に提供し続けることで、人が生き生きと活動する超スマート社会に貢献します。

 

(建築・土木資材事業)

 設計から開発、施工までインフラへの責任ある関与で現場を支え、社会基盤の保全というあたり前の安心を担うことで、持続可能な社会の発展に貢献します。

 

(2)中長期の経営戦略等

 事業の発展と社会的責任が両立する姿を目指しながら、将来への布石となる挑戦と短期的な対応のバランスを考慮した事業活動を行っております。従来の枠を超えた発想と様々な角度からのアプローチ、さらにその活動を支える組織体制によって、ありたい姿への変革を推進いたします。

 当社グループでは2021年度から始まる3年間の中期計画を「ありたい姿へ向けたターニングポイント」として位置付けており、重点的に先行投資に資源を投下することによって、将来の事業ポートフォリオを発展させるとともに、持続可能な社会の実現に貢献する新たな製品やサービスを創造していきます。

 

① 事業ポートフォリオの発展

 医薬医療分野、環境/エネルギー領域において大量培養や医療機器など、従来の延長線上とは異なる新たな事業を立上げることで、将来の事業ポートフォリオを発展させてまいります。

 また、既存事業については、

・地球環境問題、大容量高速通信、生活スタイルの変容など、時代の変化により変わるであろうニーズを先取りした製品、サービスの開発

・デジタルトランスフォーメーションによってビジネスモデルを進化させることで提供価値を高める

・グローバル展開では先進国と新興国などそれぞれの地域性やニーズに合わせた対応

などにより収益構造の変革を推進いたします。

 

② 「次の世代に誇れる未来」をつくる企業の実現

 サステナブルな社会の実現に向け、気候変動への対応を推進するとともに石化由来原料依存からの脱却をめざし、生産プロセスの変革や自然エネルギーの活用、環境対応型の製品やシステム、サービスの開発を進め、2030年度までに下記の目標を達成いたします。

・低炭素社会への貢献…エネルギーを無駄なく利用する生産プロセスと製品開発によりCO2を削減(原単位50%減)

・循環型社会への貢献…資源を無駄なく利用し、生産プロセスで発生する廃棄物を削減(原単位30%減)

・自然共生社会への貢献…地球環境に調和した生産活動と製品開発により環境負荷物質を削減(原単位30%減)

 また、多様な人材が集い育つ組織づくりを目指して、会社と従業員が互いに活かしあう関係を構築し、ともに成長していく文化を創ってまいります。

 

③ グループブランドの強化

 当社グループの存在価値や姿勢を世の中に広く認知していただくため、新たなZACROS GROUP CONCEPTに基づき、多様なステークホルダーの方々への訴求力、発信力を高め、既存事業のグローバル展開・新たな事業領域への進出を加速してまいります。

 

(3)経営環境及び当社グループの対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境は、日本における既存産業の成熟、グローバル市場における競争激化、超スマート社会の実現に向けたICT(IоT、AI、ロボティックスなど)やバイオサイエンスを軸とした科学技術の加速度的な進化、シェアリングサービスやリユース・リサイクルによるサーキュラーエコノミー(循環型経済)への流れ、更に各産業におけるSDGsへの取組などにより、あらゆる分野で、産業パラダイムの変化が進んでいく転換期にあると認識しております。

 また、新型コロナウイルス(COVID-19)の継続的な影響に対して、事業と組織運営を持続させるための施策、取組に対応するとともに、COVID-19によってもたらされる社会、経済への変化を所与のものとした対応を講じていく必要があると考えております。

 さらに原油価格の高騰に伴う原材料価格の上昇への対応も必要な状況です。

 このような経営環境認識のもと、当社では顧客の様々なニーズや期待に「応える」ことによる事業拡大はもちろんのこと、転換期を俯瞰的に見通して、先行的な投資により、期待やニーズを「超える」価値を創り上げて、能動的に提案していくことが重要であると考えております。

 事業セグメントごとの事業戦略上の実行における重要な課題は以下のとおりです。

 なお、原材料価格の上昇に対しては、事業セグメント共通して、原価低減や売価への転嫁などの施策を行い、その影響の低減を図ってまいります。

 

(ウェルネス事業)

 医療現場を支える医薬品の安定供給、患者のQOLを向上させるデバイスやシステムの開発に取り組みます。

・バイオ医薬品等製造用シングルユースバッグ及び関連製品BioPhaS®(バイファス)の増産体制の構築

・液体医薬包装MediTect™(メディテクト)の海外事業展開

・血栓症や出血リスクの低減を図る医療機器の事業化の推進

・細胞の大量培養プロセス技術の再生医療・遺伝子治療分野への用途展開及び事業化の推進

 

(環境ソリューション事業)

 今後ますます需要が高まる環境配慮製品の開発に加え、多様化が進む生活スタイル・消費活動の変化に適した資源循環システムの構築にも取り組みます。

・環境配慮パッケージのラインナップ拡充

・リサイクル時の環境負荷低減を実現するPEモノマテリアル軟包材の開発・拡販

・外部の団体、パートナー企業と協働した回収からリサイクルシステムの構築

 

(情報電子事業)

 高速大容量の通信インフラの整備への対応、通信データ容量及び速度の飛躍的な向上のキーマテリアルの開発と生産強化に注力します。

・パソコン及びサーバー向け情報記録用材の増産体制の強化

・5G配線基板の性能向上を実現する部材の開発

・次世代電池部材の開発

・次世代ディスプレイ部材のラインナップ拡充と高効率生産

 

(建築・土木資材事業)

 インフラの老朽化や異常気象による災害増加が予測される一方、建設業界は慢性的な人手不足であり、モノ(製品)だけでなく、サービス(ICT、構造計算、調査等)を付加価値として提案することを重視した事業展開に注力します。

・省力化、スキルレスに寄与するソリューション開発

・施工現場をスマート化するシステム開発

・東西の2国内生産拠点による安定した供給体制の確立とサービスレベルの向上

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、下記の指標について重要な経営指標と位置づけ、これらの向上を目指していきます。

・営業利益

・営業利益率

・ROA(総資産営業利益率)

・ROE(自己資本当期純利益率)

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