課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは「心が響きあう価値の創造」を経営理念とし、顧客の「心のニーズ」に応え、喜びと感動に満ちた新しい価値のイノベーションに果敢に取り組み、お客様、株主の皆様、お取引先様そして従業員などすべてのステークホルダーにとって信頼される企業を目指しています。事業領域は外食サービス事業であります。外食サービス事業においては、食の安全・安心・健康をテーマとし、品質の追求と顧客ニーズに即したサービスの提供を通じてライフスタイルにおける価値を具現化してまいります。当社グループでは、これらを具現化すべく、グループ会社の自主性・独立性を尊重しつつ、グループ全体での生産性と効率性を追求してまいります。このことで、長期的かつ安定的な成長と拡大を実現する企業グループの構築を目指してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2021年4月20日に成立した産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下、「事業再生ADR手続」といいます。)において合意を得た事業再生計画に基づき、今後の事業再生に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指す上で、再成長軌道に向けた事業の仕組みの抜本的見直しを行うとともに、コア事業の深化と進化による再成長に努めてまいります。

 

『事業再生計画』の概要

① 数値目標(2024年3月期)

   売上高  18,000百万円
   営業利益   1,000百万円
   営業利益率     6%

② 計画骨子

   再成長に向けた事業の仕組みの抜本的見直し

   事業アセットの絞り込み

   本部・現場の生産性向上

   顧客中心の店舗開発

   コア事業の深化と進化による再成長

  扇屋を中心とした事業展開・扇屋改革

 

(3) 会社の対処すべき課題

① 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令や各自治体の要請を受け、当社グループにおきましても、店舗休業や時間短縮での営業、あるいはテイクアウト・デリバリーのみでの営業を実施し、売上高が大幅に減少する状況が続いております。今後においてもお客様の生活様式の変化等により影響の長期化が懸念されます。このことから、当社グループでは、店舗内での感染リスク低減のため、間隔を開けた席配置、従業員の健康チェックや手洗い、消毒の徹底に努めるなど、業界ガイドライン等を参考にし、お客様と従業員の安全に配慮してまいります。

 また、コロナ禍においても収益を維持拡大できるよう、コスト削減の実施、収益構造の見直し、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に対応した業態アップデートなど事業構造の抜本的改革に取り組んでまいります。

 

② 人財の確保・育成

 グループの発展・拡大に欠かせない人財の確保・育成については、重要な経営課題と位置づけ、確定拠出型年金制度の導入など「従業員の生きがいと生活の安定」を目指した施策を実施してまいりました。2021年8月から新人事教育制度を導入し、教育・評価・処遇の仕組みを大幅に見直し、従業員が仕事を通じて自己実現に挑戦し、積み上げたキャリアを処遇する仕組みへと変更をいたしました。今後も時代や環境の変化に合わせて制度の改善に取り組み、さらなる従業員満足度の向上を追求してまいります。

 

③ 食の安全・安心の確保

 今後ますます重要となる食の安全・安心の確保のため、社内に設置された食品衛生委員会を中心に、グループ横断で社内ルールの徹底、情報の共有を図っております。また、外部の調査機関に継続的に検査を委託し、購入食材の安全性と店舗の衛生管理状況の確認・改善を行っております。

 

④ 既存店の売上向上

 厳しい経済環境のなかにあっても安定的な成長を実現するために、オペレーションの磨きこみやマーケットに則した商品開発を進め、魅力あるコンセプトと商品の提案を行ってまいります。また、外食産業の原点であるQSCA(フードサービスの概念的価値を表す。Quality:クオリティ、Service:サービス、Cleanliness:クレンリネス、Atomosphere:アトモスフィアの頭文字)を更に強化することで、より多くのお客様に再来店していただける店舗づくりを行い、業態ブランドの構築を図ってまいります。さらに、効果的なリニューアルを実施することで、既存店の売上を押し上げてまいります。

 

⑤ 財務基盤の強化

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、居酒屋業態を中心とした当社グループにおいては大幅に売上高が減少した結果、2021年3月末時点において債務超過となるに至りました。

 当社では、事業再生ADR手続を利用し、事業面の課題について大規模な経営構造のリストラクチャリングを実施するとともに、財務体質の抜本的な改善を行う事業再生計画を策定して関係者と協議を進めた結果、2021年5月にC種優先株式による15億円の資本調達及び取引金融機関による45億円の債務の株式化など、大規模な資本調達を実施することができ、債務超過を解消いたしました。

 

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