文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、住宅・建設関連の顧客の真のニーズを満足させる差別化された製品と一流のサービスを提供する、高品質の提案型企業を志向しております。
このため「創造と挑戦、自己実現、コンプライアンス遵守」の信条の下、強い事業・専門的分野において高付加価値の特色ある製品・サービスを生み出し、常にそれらを高める努力を行い、安定した収益を確立するための諸施策を実施してまいります。
また、当社は、経済効果優先の価値観による企業経営だけではなく、当社に係わるステークホルダーの利益を最優先に考え、社業を通じて皆様のお役に立てるような行動や活動を行うこととし、次の企業理念に基づく企業行動基準を遵守して日常の業務活動を遂行いたします。
〔企業理念〕
1. 人々の安心と安全を技術で支え、社業発展を通じて社会に貢献します。
2. 安心で働きやすい環境創りに努め、社員の成長と幸せを追求します。
3. ステークホルダー(株主、取引先、従業員等)等に対する企業の社会的責任を果たします。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定、推進いたしております。
①基本方針
当社グループは引き続き、安心・安全を技術で支え社会に貢献するとともに、これまでと同様に、新技術・工法の研究や設備投資に加えて、早期の企業価値向上のための施策としてキャッシュフローを原資に当社事業に関連性の高い分野への投資を積極的に検討・実行し、一段の成長を実現してまいります。
また新たにサステナビリティにかかる取組方針を策定することで、経営の中心にサステナビリティを据えることを明確にいたします。
②重点施策
・ジオテック事業(地盤改良)では住宅分野のシェア拡大ならびに非住宅分野への一層の営業強化を、木材加工事業(木材防腐、防蟻加工)では公共建築物等への販売強化ならびに木材利用促進を、セキュリティ機器事業(セキュリティ機器販売および設置工事)では顧客ニーズに応じたサービス開発に努めます。各事業で既存商権を維持・拡大しつつ、新技術の収益化を追求し、収益基盤の一層の強化に取り組みます。
・新技術・工法の研究開発、投資に予算を配分してまいります。新たな地盤改良工法の開発や蓄積された地盤データの有効活用ならびに管理システムの開発・外販による収益化、木材の防腐・防蟻処理では環境にやさしい工法や薬剤の開発ならびに非住宅関連の新規事業展開、監視カメラでAIを取り入れた新たなソリューションの提供など技術開発や設備投資と同時に、事業投資にも積極的に取り組みます。
・当社はこれまでも環境や人材を意識した経営を実践してまいりましたが、あらためてサステナビリティを経営の中心に据えることを明確にいたします。これにより環境保全に一層貢献するほか、企業価値向上の根幹を担う人材育成やガバナンスの強化、ステークホルダーとの対話を重視した経営を推進してまいります。
(3)目標とする経営指標
中期経営計画におきましては、2025年3月期に以下の数値目標の達成を目指しております。
中期経営計画期間の3ヵ年(2022年4月~2025年3月)は、主力の3事業それぞれが盤石な収益基盤の確立を目指しつつ、将来のさらなる飛躍のための種まき(研究開発、投資の強化、人材育成)に尽力する期間と位置付けております。同時に資本効率を重視しROEは10%以上を、また増益ならびに配当性向の引き上げを通じて株主の皆様への利益還元に注力する所存です。
(4)サステナビリティへの取組
1.マテリアリティ ~安心・安全を技術で支え、社会に貢献いたします~
「いつまでも安心して暮らせる環境」のため地盤分野のリーディングカンパニーとして社会に貢献する「ジオテック事業」、優しさやあたたかさ・安らぎを人々に与えてくれる「木」の長期有用化に寄与する「木材加工事業」、セキュリティとマーケティングにAIを活用して実現し安全をお届けする「セキュリティ機器事業」の主力3事業を中心に、当社独自の技術で社会に貢献します。
2.中期目標の設定
目標①:事業活動を通じて環境に優しい社会の実現に寄与します(環境、社会)
CO2を蓄積した木材を長期有用化し活かすこと、木材利用を促進することでCO2排出量の削減に努めます。またセキュリティカメラにより安心・安全な街づくりに努めます。
目標②:人材を尊重し、育成します(社会)
新しい技術や工法は多様性のある活気に満ちた職場から生み出されるとの信念のもと、個人の属性や価値観を尊重し、個々人の能力を最大限発揮できる環境を整備します。
目標③:経営基盤を強化します(ガバナンス)
法令や規則の遵守、透明性や質の高いガバナンス体制ならびにインフラの確立は、事業を通じた社会課題の解決や持続的成長への礎であり、一層の強化を図ります。
目標④:研究開発、DXを全社的に推進します(研究開発、DX)
新技術・新工法の開発は当社のビジネスモデルには必須であり、外部機関との協業を含め研究開発を推進します。またビジネスモデル変革ならびに業務フロー改革を推進にあたり、デジタル化への対応を進めます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主な事業分野であります住宅関連業界におきましては回復の兆候がみられますが、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響や、ウクライナ情勢等による原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等、依然不透明な状況が続くことが予想されます。
このような状況のもとで当社グループは、ジオテック(地盤改良)事業では「環境パイル」が堅調に推移しているほか、非住宅分野には新工法を活用した営業活動に注力してまいります。木材加工事業では、当社独自の乾式木材保存処理の認知度を高めるとともに、大型特殊サイズの木質建材に対応可能な保存処理装置の設置により、非住宅案件の対応や保存処理能力の拡大を進め、より幅広いお客様のニーズに対応すべく取り組んでまいります。セキュリティ機器事業では、お客様のニーズに対応すべく営業体制の構築を図るとともに、昨年都内に開設した技術センターによる高い技術力の提供に取り組んでまいります。
以上の課題に対応することにより、当社グループはお取引先および従業員の安全と健康の確保を最優先としつつ、お客様のニーズに応えるべく事業の組織力ならびに営業力を高め、高付加価値製品、高品質の技術およびサービスを提供することで、厳しい市場環境の中でも安定的な収益を確保することができるように努めてまいります。
(6)新型コロナウイルス感染症への対応
当社グループは、お取引先および従業員の安全と健康の確保を最優先と考えており、対策本部を設置のうえ、テレワーク勤務および時差勤務の推進、出社時における検温やアルコール消毒の徹底、Web会議の導入など、感染症予防および感染症拡大の防止に努めております。今後においても、状況の変化に適切かつ迅速に対応し、感染症拡大防止に取り組んでまいります。
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