課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

①人を育てる

②技術を育てる

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

 

当社グループは、『クリーン、ヘルス、セーフティ』を事業領域とし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を供給して社会に貢献することを経営の基本方針としております。

この方針の下、「世の中にない」「真に役立つ」を研究開発の出発点とし、“大きい企業”ではなく、規模の拡大はゆっくりであっても、世界にない、当社にしかできない「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品を持つ“強い企業” =「技術立社」になることが私たちの目標です。そして、市場や顧客の“ニーズ”に素早く対応することよりも、顧客が未だ気づいていない“ウォンツ”を他社に先駆けて見いだして製品化を行い、市場そのものを創造することを常に目指します。

その実現の為に、人間の尊厳である“イマジネーション”と“クリエーション”の発揮を社員全員に求め、結果として「他社に追随しない」「徹底して研究する」ことで、新たな技術革新と独創的な製品開発を続けてまいります。

 

(2)会社の経営戦略

①人を育てる

社員の生きがいと企業の存続を両立させてこそ企業としての存在価値があり、また社員の幸福や生きがいは、雇用された社員の尊厳が、企業の活動の中にも存在していることが重要との考えに立ち設計された人事管理制度「興研トータル人事システムHOPES(ホープス)」を20年以上に亘って運用し、人材育成を続けています。

この「HOPES」は、専門能力、業務実績達成能力、管理能力をそれぞれ別の能力と見て、社員一人ひとりを3つの角度(3軸)で独立して評価・運用した多様性を受容する人事システムで、年齢、性別、勤続年数を問わず活躍の場が与えられ、常に意欲のある人材を適所に登用しております。また、専門知識・能力向上を図る社内研修プログラムを確立し、職分に応じて計画的、効果的に能力開発を進めております。

 

②技術を育てる

創業以来、守り続けてきた「他社に追随しない」「徹底的に研究する」という研究開発の理念を技術開発員一人ひとりに徹底・浸透させるため、技術専門能力を評価するマイスター制度や技術開発員と取締役全員が参加する月例研究発表会といった独自の仕組みを継続、運用しています。

技術開発員は、基礎研究所、開発部、ディビジョン、テクノヤードに配属され、それぞれ自由で独創的な技術開発と社会に有用な発展的応用を目指した研究開発に注力しています。

開発テーマごとに、プロジェクトチームを編成して開発に当たる「マトリクス型」の研究開発体制を敷いており、技術開発員は、自由で独創的な技術開発と社会に有用な発展的応用を目指した研究開発に注力しています。

これらの取り組みによって、オンリーワン、ナンバーワン製品が次々と生まれ、知的財産権も多数保有するに至っております。今後も知的財産を質・量ともに向上させ、活用することを最重要課題として取り組んでまいります。

技術開発拠点である「先進技術センター」は、技術開発員が集結して英知を交わし、「技術を育てる」能力の向上に大きく寄与する施設であります。今後は、社外の諸機関・企業との連携や共同研究を推進する拠点としてそのプレゼンスを高めるべく注力してまいります。

 

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

<クリーン>

オープンクリーンテクノロジーという考えに基づく気流制御とナノファイバーフィルタ製造という2つの世界初の新技術から生まれたオープンクリーンシステム「KOACH」は、世界最上級の清浄空間を、周りを囲うことなく短時間かつ低消費電力で形成し、実際の作業時も高い清浄度を保つことができる革新的なクリーンシステムです。当社グループは、この「KOACH」を先進的技術開発を支える必須デバイスとして世界最先端の研究機関・施設から高度な技術力を持つ中小企業に至るまで、広く普及させ技術・生産の飛躍的進化へ貢献してまいります。

 

<ヘルス>

感染対策用マスクの需要の状況に応じた迅速かつ柔軟な対応を継続するとともに、新規採用された医療機関での感染対策用N95マスク「ハイラック350型」の定着及び医療分野における市場占有率の拡大に努め、安心の「ハイラック」ブランドの確立を目指します。

内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」は、自動ブラッシング機能の搭載と電解水を使用することで、洗浄消毒時間は業界一の速さを誇ります。誰でも簡単に洗浄消毒でき、洗浄消毒スタッフの方々の負担やリスクを大幅に軽減し、検査作業等にゆとりを生み出す画期的製品である同機の拡販、普及に努めます。

 

<セーフティ>

安全で快適な電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズや医療機関でも採用が急増した使い捨て式防じんマスク「ハイラック」シリーズなど、安心してご使用いただける、使って喜ばれるマスクの開発、普及に努めます。

現在、厚生労働省が推進している規制強化、管理強化に対しては、規制の枠組みの中で最高位の安全性と最大限のアイデア・工夫を詰め込んだ製品開発、大手企業から個人会社まで産業を支える労働者の方々への直接訪問や当社月刊誌CHSニュース、専用サイト等のWebを活用した情報伝達、マスクを効果的に使用していただくための作業教育などを実施し、実需の掘り起こしにつなげてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは、堅実性と成長性をともに重視し、企業収益の安定的拡大を目指しております。

厳しい経済環境下にあっても持続的、安定的に成長していくため、変化に柔軟に対応し、市場における占有率を高め、結果として営業利益の拡大及び営業利益率の向上を図ります。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題

①マスクの生産体制

感染対策用マスクの需要は、ワクチン接種の進展等に伴い一時縮小傾向にありましたが、変異株の発生により再び拡大するなど、新規感染者数の動向によって縮小と拡大を繰り返す一年でした。

こうした大きく変動するマスクの受注状況に対し、当社グループは、国内(中井テクノヤード・群馬テクノヤード)及びタイの生産子会社(SIAM KOKEN LTD.)において、減産・増産を機動的かつ柔軟に行い、市場の需要変化に対応しています。

 

②営業活動

感染拡大に伴う行動等の制限が長期に及ぶ中、計画的な訪問営業や対面営業が難しいため、Web会議等のシステムを活用した新しい営業活動を全国の営業所で積極的に推進しています。

「KOACH」の販売においては、コロナ禍にあって実機のデモンストレーションによる体験型営業が困難になったことへの苦肉の策として始めたリモート営業(ライブ中継によるオンライン説明会)ですが、「感染リスクが回避できる、移動が伴わない、大人数の参加が可能」などを理由に好評を博し、また決定権者が参加された説明会では、小型から大型への機種変更や決済期間の短縮につながる事例も見られるなど、これまでの対面営業以上の成果もあげつつあります。

営業所員がこの一年間創意工夫して育て上げた当オンライン説明会は、今後も「KOACH」の売上を大いに押し上げてくれると期待しております。

 

③社員の感染対策

全社員は感染対策用N95マスク「ハイラック350型」を常時着用し、また、在宅勤務やテレビ会議を効果的かつ機動的に活用しました。

今後もコロナ禍が収束するまで、社員の感染対策を徹底し、受注から生産、出荷に至る一連のオペレーション体制の維持に努めてまいります。

 

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