(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の状況)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ181億8千5百万円増加し、2,768億3千8百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比べ120億7千9百万円増加し、954億2千2百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比べ61億5百万円増加し、1,814億1千5百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末67.8%から当連結会計年度末65.5%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末2,396円98銭から当連結会計年度末2,480円47銭となりました。
(経営成績の状況)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ203億5千7百万円増加し、2,115億8千7百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度と比べ34億6千7百万円増加し、144億2千8百万円(同31.6%増)となりました。
経常利益は、前連結会計年度と比べ34億6千3百万円増加し、148億5千6百万円(同30.4%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ33億1千6百万円増加し、109億5百万円(同43.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(住宅設備関連事業)
当セグメントの売上高は2,112億9千万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益は141億8千3百万円(同32.2%増)となりました。
(その他の事業(倉庫事業及び不動産賃貸事業等))
売上高は4億4千5百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は2億4千4百万円(同3.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ138億8千7百万円増加し、当連結会計年度末には886億7百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、196億8千3百万円(前連結会計年度は79億5千3百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、30億8千9百万円(前連結会計年度は53億8千万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の資金の支出は、27億6百万円(前連結会計年度は24億8千6百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
住宅設備関連 |
157,996 |
+11.5 |
合計 |
157,996 |
+11.5 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 生産・仕入の別は、当連結会計年度の内容に準じております。
3 「その他」については、生産実績はありません。
なお、当連結会計年度の生産実績を製品部門別に示すと、次のとおりであります。
製品部門別 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
キッチン |
96,833 |
+12.7 |
浴室 |
33,717 |
+12.5 |
洗面化粧台 |
20,685 |
+8.8 |
その他 |
6,759 |
△0.4 |
合計 |
157,996 |
+11.5 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 生産・仕入の別は、当連結会計年度の内容に準じております。
b 受注実績
当社グループは見込み生産を主体としておりますので、受注実績の記載は省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
住宅設備関連 |
211,290 |
+10.7 |
その他 |
296 |
+0.9 |
合計 |
211,587 |
+10.6 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
なお、当連結会計年度の販売実績のうち、住宅設備関連事業を製品部門別に示すと、次のとおりであります。
製品部門別 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
キッチン |
128,327 |
+11.1 |
浴室 |
47,431 |
+14.7 |
洗面化粧台 |
24,048 |
+6.6 |
その他 |
11,483 |
△0.7 |
合計 |
211,290 |
+10.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ181億8千5百万円増加し、2,768億3千8百万円となりました。これは主に、キッチン・浴室・洗面化粧台部門における販売高増加に伴い現金及び預金が138億8千7百万円増加、電子記録債権が81億8千1百万円増加、棚卸資産が31億5千5百万円増加、売掛金が23億5千5百万円増加した一方で、受取手形が60億2百万円減少、投資有価証券が34億4百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べ120億7千9百万円増加し、954億2千2百万円となりました。これは主に、仕入債務の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ61億5百万円増加し、1,814億1千5百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により109億5百万円増加した一方で、剰余金の配当により27億6百万円減少、その他有価証券評価差額金が19億4千2百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末67.8%から当連結会計年度末65.5%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度2,396円98銭から当連結会計年度末2,480円47銭となりました。
(経営成績の分析)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナワクチンの接種の進展などにより、経済活動は一時的に持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株による感染再拡大や原材料価格の高騰に加えウクライナ情勢の緊迫化など、足元は厳しい状況で推移いたしました。
住宅市場におきましては、新しい生活様式の浸透に伴うリフォームニーズの拡大などにより、リフォーム需要は前年を上回る水準で推移し、また住宅着工につきましても回復基調となっているものの、足元では資材の急激な価格高騰や供給不安の影響により、先行きは不透明な状況であります。
このような事業環境の下、当社グループは、アルコール除菌でも劣化しないといった優れた特徴を持つ「高品位ホーロー」の訴求に努めるとともに、ホームページをリニューアルし、お客様がリフォーム後の生活空間をイメージしやすく、また地域の優良リフォーム店にお気軽にご相談いただけるようにするなど、リフォーム需要の掘り起こしに注力してまいりました。
また、上記施策に加え、当社の企業理念である“すべての人の暮らしを、より心地よくする”を実現する「商品力の強化」や、お客様に実際に“見て、触れて、納得”して頂く「ショールーム展開」といった当社の基本戦略にも引き続き注力してまいりました。
商品力の強化につきましては、フラッグシップモデルのホーローシステムキッチン「レミュー」に、焼き物調や金属錆調などを、インクジェット印刷にてリアルに表現したマット仕上げの扉柄をラインナップに追加するなど、当社独自の高品位ホーローを軸とした商品開発を更に進めてまいりました。
ショールーム展開につきましては、都市部での営業強化並びに地域密着営業の推進を目的に、「名古屋駅前ショールーム」の開設や「山形ショールーム」を新築移転するなど、リフォーム需要の獲得に向け一層の充実を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、次のとおりとなりました。
売上高 2,115億8千7百万円(前連結会計年度比10.6%増)
売上総利益 761億2千5百万円(前連結会計年度比 9.5%増)
営業利益 144億2千8百万円(前連結会計年度比31.6%増)
経常利益 148億5千6百万円(前連結会計年度比30.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 109億5百万円(前連結会計年度比43.7%増)
営業利益の増加要因としましては、売上高増加による82億5千7百万円であります。これは主に、リフォーム市場での中高級シリーズを中心とした商品の拡販が進んだことに加え、新築市場においても売上が順調に拡大したことによるものです。
一方で、営業利益の減少要因としましては、販管費増加による31億3千4百万円、資材の値上げによる19億5千2百万円であります。販管費につきましては、WEB会議の定着による出張旅費抑制など、経費削減の取組みにより売上高に占める販管費の比率は大幅に低下したものの、売上高の増加に伴い物流費を中心に増加しております。また、資材の値上げにつきましては、主要資材である鋼板、ステンレス、樹脂原料などの市況の高騰によるものです。
セグメントごとの経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。
(住宅設備関連事業)
当セグメントの売上高は2,112億9千万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益は141億8千3百万円(同32.2%増)となりました。
製品部門別の売上高は、キッチン1,283億2千7百万円(前連結会計年度比11.1%増)、浴室474億3千1百万円(同14.7%増)、洗面化粧台240億4千8百万円(同6.6%増)となりました。
リフォーム市場ではコロナ禍における新しい生活様式の浸透に伴って商品の拡販が進んだことに加え、新築市場においても売上が順調に拡大したことから、全ての製品部門において売上高は前期を大きく上回りました。
(その他の事業(倉庫事業及び不動産賃貸事業等))
売上高は4億4千5百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は2億4千4百万円(同3.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、196億8千3百万円(前連結会計年度は79億5千3百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加による資金の増加と、売上債権の増加による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、30億8千9百万円(前連結会計年度は53億8千万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出と、有形固定資産及び投資有価証券の売却による収入であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の資金の支出は、配当金の支払いなどにより、27億6百万円(前連結会計年度は24億8千6百万円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ138億8千7百万円増加し、当連結会計年度末には886億7百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループは事業活動に必要な資金の十分な確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針とし、資金の財源につきましては自己資金による充当のほか、銀行借入による調達も行っております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は886億7百万円であり、将来の資金需要に対して十分な手許流動性を確保しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、住宅設備機器の製造に必要な資材の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、業容拡大・合理化のための設備投資や、ホーロー技術の研究・新商品の開発等の成長投資であります。また、株主還元については、長期にわたり安定かつ充実した配当を維持し、業績・財政状態などに応じて増配を実施することを基本方針としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものはありません。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による見積り等の影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
現時点において、将来の事業環境等の予測に当たって同感染症は一定の影響を及ぼすものの、事業活動への影響は限定的であり、今後も重要な影響はないと判断しております。よって、翌連結会計年度以降は、当社グループの事業に著しい影響を与えるものではないと仮定のもと、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の最善の見積りを行っております。
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